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アテンション]・捏造注意
・2人とも人外(吸血鬼)
・雰囲気参考?(曲パロ?)あり
・ネタを提供していただいたもの
別のストーリーにて紹介します
Kalafina 「storia」
作詞作曲:梶浦由記 様
『俺達だけの、秘密ね!』
それは、俺らがまだ五つの時
大きな木の下で交わした約束。
七色に光る宝石は、空を舞う。
大空に飛び立てば雲を貫き
海を斬れば飛沫が上がる。
そんな俺達も、もう大人になってしまった。
綿が俺たちを囲うような、あの頃とはかけ離れてしまった。
お互いに会うことも少なくなって
そんな時、また七色の光が交わった。
「スマイルっ、!」
「…きりやん…!」
「久しぶりだな!こんなとこで会うなんて!」
「…あぁ、二年ぶりか?」
「そうだね。ここで約束したこと覚えてる?」
「あぁ、覚えてる」
秘密の黄昏に手を取って
「…っははw、昔みたいだな」
「ね、俺も思ったw」
古のバラードを繰り返すように
鼻歌が聞こえてくる。
黄金色の陽射しがかかり、二人の影を作る。
「…それ…」
「…覚えてる?よく俺…てかずっと歌ってたんだけど」
「…光って感じ。」
「wwなにそれw」
紡がれる鼻歌は太陽 の君
重ねて笑うのは影の君
美しき旋律に乗って、苦しみはやってくる。
「…その意味を…俺が知ることはないんだろうな。」
「…スマイル…」
影が伸びていく。
「…っ、!」
「…え、スマイル……?」
一つ一つ絡まっていた指がだんだん離れていく
伸びた影は、やがて土から地平線へ向かおうと君を包んでいく。
「…えっ、……え、?」
「…」
「…す、すまいる……、?」
「…きりやん」
「……!」
暗の君が、黄金の君に呼びかける。
ハッとしたように見つめる瞳
「……また、会おう」
闇の君は、そうぽつりと呟いた。
side kr
《ッスマイル!!!!!》
「ッは、!?」
飛び起きた朝は、雲ひとつ無い晴天だった。
…また、悪い夢を見たな…
木製のベッドを降りて、自分の髪をひとつ撫でる。
「……」
焦る俺に対して、全てを悟ったようなあいつ。
紛れもない、過去の記憶だ。
この世界は、光と闇でできている。
子供時代は共に過ごすことができ
時が過ぎれば、完全に 分離される。
そういう世界だ。
影と太陽だったものはいずれ、光と闇になる。
俺とスマイルが出会ったのは五歳。
ずっと一緒にいた。
ずっと歌って
寒くて悲しくなっちゃう夜でもたまに一緒に寝て
俺は、そんな彼が大好きだった。
忙しくなって、ようやく再開した時はもう
天からのお告げ
つまり住む世界を告げられてしまった。
そうして分離された俺は、今もこうしてお医者さんとして働いている。
「あら〜…羽のところすごい酷い亀裂が…」
子供「痛いよぉッ!」
泣きながらそう告げた。
「木にぶつかっちゃったんだね、」
専用の薬を塗り、包帯で丁寧に巻いてやる。
「…よし、しばらく羽は使わないようにしてね。また1週間したらおいで」
母「ありがとうございました」
子「ありがとう!」
「お大事に〜!」
羽が折れるのはよくある事だ。
俺だってずっとスマイルに迷惑かけていた。
kr『いってぇー!』
sm『…またか…いつになったら学ぶんだお前は…』
kr『いたた…』
sm『じっとしてろ、』
「…ふふ」
まだやんちゃだった俺は、よく羽にヒビを入れてスマイルに手当てしてもらっていた。
毎度のように夢を見て、それはスマイルだ。
…こんなに夢見て…もう何年も前からだなぁ…
そんなことを思いながら、ある方角を見る。
それは、融合された世界
光と闇の間にあるその世界は、二つの世界を区別するために存在する。
俺もスマイルもそこで遊んでいた。
大人になれば、もう入る事は出来ない。
うっすらとだけ見えるその世界の入口
じっと見つめていると、とあることに気づいた
悪ガキ達が、そこに溜まっているということ。
「…」
同僚「ありゃ、この世界屈指の悪ガキたちがあんなとこでたむろしちゃって…」
同僚「闇の奴らをすっげー嫌ってるもんだから攻撃でもしに行くんじゃないか?」
ハハッと同僚たちが笑う。
子「そういえばどうして世界はふたつになっているの?」
同僚「実は昔ね、闇と光が大きな喧嘩をしちゃったの。それを見た創世神様が世界を2つに分けた。でも、お互い会えないのは寂しいから、子供たちの間だけ一緒に過ごして、お互い刺激を与え合うんだよ。」
子「そうなんだ〜」
「…おい、あいつらが持ってる杖って… 」
同僚「んぉ?……すっげーめっちゃ水色」
同僚「水色って創世神様の色だよね。」
「…あぁ…あの独特な形ってさ…創世神様の化身って言われてる杖じゃね…?」
同僚「まさか〜!あんな悪ガキ共が…」
俺の言葉を嘲笑いながら、彼は俺の近くの窓からじっくりそいつらの手元を見た。
同僚「…」
同僚「おーおーどうした?」
同僚「え、まじやん」
同僚「え?嘘」
ぞろぞろと他の同僚達も見に来る。
同僚「でもなんでアイツら…」
「…まさか境界を壊そうとしてるんじゃ…」
同僚「…ありえる」
同僚「あの杖なら不可能じゃない…」
「まずいな」
その瞬間、一気に大勢の大人が慌てだし、建物を後にする。
子「え、どうしたの?」
母「…静かに…」
最後に聞こえたのは、その親子の会話だった。
上空にたどり着いた時には、もう既に彼らの持つ杖は水色の光を纏っていた。
恐らく、力をためているのだ。
同僚「お前たち何してるんだ!!!!」
叫んでも聞こえないだろう。
まだ数百メートルとある。
「…っ、間に合え…ッ!」
同僚「貴様ら〜っ、!!!」
子供達「っ、!やべ!」
そんな声の中、
杖が天に昇っていく。
「っやばい!!」
同僚「このままじゃほんとに壊れちゃうよ!?」
あともう少し!
そう手を伸ばしても、
いくら全速力でも、
もう遅かった。
水色の光は太陽の光をかき分けて、ピアノ線のように一本になり融合世界へと入っていく。
その融合世界の中心に
一つポツンと水色の光が浮かんでいる。
黒く透明な膜からも見えるその光が、だんだん大きくなって、震えていく。
「っ!爆発するぞ!」
悪ガキ共を抱えて、急いで離れる。
ごごごっと大きな音を響かせて
同僚「なんてことしてんだよ!?」
子供「だ、だって…っ、中に光の子がいて、!それで!」
同僚「光のやつに遊び半分で!?あの杖を使って遊ぼうとしたのか!?」
子供「ちょっとこらしめようと思っただけ!」
「子供にあの力を制御できると思うなよ」
俺がそうきつく言った途端
耳が避けるような高音
頭の中に糸を通されたような感覚と
世界の轟音
耐えられずに目を背けて
再び戻したその視界には
見たこともない、反対側の世界がむき出しになっていた。