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颯馬「俺、実は、、、」
私「うん。」
颯馬「やっぱ、なんでもない笑」
私「え、?」
颯馬「帰りましょう。寒いですし」
私「うん、、気になるけど、、」
颯馬「まぁまぁ!」
颯馬さんが何を言おうとしたのか、少し分からない。
ただ、内心ドキドキしていた自分がいたのも事実だった。
家に着いたのは22時を回っていた。
颯馬「結構歩いたね。先にシャワーさっさと浴びてくる」
私「わかった」
私は気長に待とうとしたが、寝落ちしてしまった。
ーーー
『2019 年12月25日、鹿児島県を震源とした最大震度4の地震を観測しました。この地震による津波の影響はありません。引き続き、強い揺れに警戒してください。』
真夜中に突然と揺れた。
ただ、揺れは小さく、長くはなかった。
一安心した。颯馬さんは寝ている。
私ももう一度寝ようとしたその時、
スマホ《揺れを感知しました。》
その通知の数秒後、小刻みに机が揺れ始めた。
私は慌てて颯馬さんをおこした。
しかし、私の頭上にものが、、、
ーーーー
颯馬「咲希さん。シャワー上がりましたよ」
颯馬さんが起こしてくれた。
その時、私は急いでメモ用紙をとり、軽くメモした。
夢では確か、25日の夜中、今日は寝ずに起きとこう。
夢での運命の時間。
颯馬さんは真っ先に寝たが、私は軽く身構えた。
だが、何も起きなかった。
夢が全て当たるわけではない。そう思った。むしろ、それがリアリティを出していた。
安心し、私も眠りにつき、起きれば颯馬さんがすでに準備していた。
颯馬「今日にはもう帰る。」
私「もう帰っちゃうのか。なんかさみしいな。」
颯馬「……」
颯馬「なぁ、咲希さん。やっぱ咲希さんには伝えておこうと思って。」
私「うん、、?どうした?」
颯馬「実は、前言おうとしてたことなんだけど。」
しばらくの沈黙の後
颯馬「俺、持って後1年。長くて3年。早くて3ヶ月……」
その言葉を聞いた瞬間私は頭の中が空っぽになった。
私「え。つまり、もう会えないかもしれない、、ってこと?」
颯馬「俺がこっちに来れるのは、体力がまだある今のうちだけかもしれない。東京に実家があるって言ったが、それも嘘だ」
颯馬「本当は、東京の病院に通院するために、東京に住んでいるだけ。」
私「嘘。でしょ。治る方法とか助かる方法はないの?」
颯馬「今のところは、、」
どうしよう。気持ちを伝えたい。でも、中々言い出せない。
そうだ。私は夢がある。夢を使って未来を変えれるかもしれない。颯馬さんの病気治せるかもしれない。
詳しく聞けば、どうやら颯馬さんは心臓病にかかっているそう。東京の病院でも根本的な治療はない。
今までどんなどん底を味わったが、何かが違うこの胸の痛み。まるで、好きな人を失ったかのような。
雨空の下でたまたま出会った颯馬さん。
私は、颯馬さんのことが好きなのかもしれない。でも颯馬さんは、どう思っているんだろうか。
颯馬さんを見送っても、頭の中は颯馬さんで埋まってた。
すると颯馬さんからメールが届いた
颯馬「あと。お互い呼び捨てで呼び合わない?堅苦しいし?」
私「照れくさいね。いいよ」
颯馬は積極的に話しかけてくれて、優しい。
いつも颯馬の近くにいたい。でも、宮崎から東京は距離があるから、そう簡単には行けない。
夜になってもひたすら颯馬のことだった。
私は夢を見ることを望んで、眠ろうとした。
ーーー
『2020年2月24日新型ウイルスにより、国内最大の死者が相次いで出ています。不要不急の外出は控え、感染予防に徹底してください。』
世界がまるで、狂ったかのような、、、県内でも県外でもウイルスだらけ。
もういややー!!
ーーー
汗をかいていた。2020年。まだ3ヶ月先、、でも、3ヶ月先にこんなことが起きるのか???
颯馬にもし移れば、確実に、死ぬ。。
夢で見た事が現実になることを誰にもまだ言ってない。でも、颯馬を守るためには言うべきか、、?
世界が、地獄に変わる。そんな瞬間に直面したくはない。し、颯馬を失いたくない。
いつも颯馬に来てもらってばかりだ。
なら、私が東京に行こう。
そう考えたが、資金的に無理。
ならどうしよう。思いを伝えなければ。
焦る気持ちが倍速していく。
メールで。連絡で。一か八か。
そんな悩みを抱えながら、かれこれ1週間はたっただろう。
日本は2020年を迎え、人々はみな祝杯を上げている。
私もすっかり浮かれ、颯馬に
「あけおめ」っとメッセージを送った。
この時の私は、まるでウイルスのことは幻かのように記憶の片隅にもなかった。
あけおめと同時に、颯馬から連絡が来た
颯馬「咲希!」
私「ん?」
颯馬「急になる。でもどうしても伝えたい。俺は、もう持って1年、2年程度だろう。だから悔いを残したくない」
私「うん。」
颯馬「おれと、付き合ってくれ。」
私「……ほんと?」
颯馬「実は、あの病気を表明した時から、言おう言おう悩みながら、気持ちが曖昧でいい切れなかった。 」
私はとても嬉しかった。
私「私も。言いたかったけど、中々言えなかった。嬉しい。よろしくお願いします。」
私と颯馬は付き合うことになり、幸せな日となった。
この時の私たちは、まさか、出会った1年後の2020年11月22日に、あんな悲惨なことになって、次々に地獄になってくなんて、思いも知らなかった。
私たちにとって、いや、日本中にとって、
になるとは、思っていなかった。
勿論。この時の私は、夢も見ていないので、知らない。