「と、言うことで聞きに来たんだ。聞いてもいいだろうか」
「話もいいですが、日帝宛の手紙を保管してあったはずです。ご覧になりますか?」
見ていいんだろうかという気持ちは間違いなくあるが、今回ばかりは目を逸らそうと思う。
「お言葉に甘えてもいいだろうか」
「はい。ただ、内容は私も知らないんです。日帝から見るなと言われてましたので」
「え? それは、見てもいいのか?」
「大丈夫ですよ、多分」
もしかして、残虐なことが書いてあったりするのだろうか? 同盟相手にそんなの送らないと思うが、怖くはある。
手紙を見るために席を立つと、奥の方にある部屋へ案内された。
「ここはかつて日帝が使っていた部屋なんです。手紙なら、そこの引き出しに入れていたはずですよ」
「ああ、ありがとう」
引き出しを開いてみると沢山の手紙が入っていて、そのうちの一つを開いて見ると、文章はドイツ語で書かれていた。
「……日本、日帝さんと父さんはどんな関係だったんだ?」
「え? うーん、仲がいい方だったはずですが、うろ覚えなんです。手紙はどんな感じですか?」
その手紙に書かれていた内容は、恋人同士が送り合うようなもの。日帝さんに送られていたそれらは、俗に言うラブレターだった。
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