石畳に置かれた提灯は
まるで魂を抜き取られたように
ぼんやりと光を放つばかりだった
空が、夜になることを忘れてしまったのだ _
北国の遊郭,氷月(ひょうげつ)
この地では、夏になると太陽が沈みきらない「白夜」が訪れる 。
遊郭の女たちは、この季節を呪うのである
なぜなら真の夜の闇がなければ
女たちの姿はただの幻想から
現実の女性へと戻ってしまう。
『闇がなければ客は酔いもせず
私たちに夢を見てくれない』
—格子戸の奥から聞こえた 遊女の諦めのような囁きが、白夜の薄明かりの中に溶けていく
その遊郭の最奥、最も静謐な場所に
夢見 宵 といふ花魁がいた .
彼女は氷月の最高位の花魁。
彼女は「氷月」の最高位の花魁であり、
その名の通り、客たちに一瞬の夢を見せ、
夜の気配を忘れさせない存在だった。
しかし、この白夜の光は
彼女の周囲から「宵」というわずかな闇さえも容赦なく奪い去っていく
題名/ 白恋 _
コメント
4件
待って、ガチ好みのやつ来た大好き楽しみ
私たちに夢も見てくれないって言葉遣い好きッッ! 連載が楽しみ〜✨️
あっもう大好きありがとう