注意事項.設定等
・一話参照
──────────────
「ん"…、んん。」
いつもは気のカゴの毛布でふかふかなのに、なぜか冷たい床で目を覚ました。
なんだか、不思議と体の感覚もおかしい。
目を覚ましたshpは自身の身体を見て気がついた。
「…なんやこれ、人間やん。」
突然、人間の姿になることができたのだ。
黒いしっぽと耳はそのまま。
言葉も喋れるようになっている。
窓の外はまだ暗かった。
横を見ると、並んだカゴの中にciとshoとzmは、動物の姿で寝ていて、その隣のベットにはtnが寝ている。
首に着いたネックレスのような石は、色が無くなっていた。
「…、さむ。」
shpは立ち上がり、扉を開けた。
人間の身体は猫とは違くて動くのは少しだけ難しい。
廊下を歩いて、knの自室前に着く。
扉を開けると、knはいなかった。
仮契約をした今でも、knは契約魔法を夜中に練習しているのだ。
shpはknのベットにぼふんとダイブする。
「んー…、くぁ。」
眠いのだ。
shpはそのままknの部屋で寝ることにした。
煙草臭いが、気にすることでは無いだろう。
────────────
カランッ。
「…はッ、??」
突然、魔法が光り輝き、綺麗な透き通った水色の魔法石が転がった。
成功したのだ、契約魔法が。
魔法石を手に取る。
キラキラと輝き、宝石のように透き通っている。
「…ま、まじかよッ!!」
魔法石を慎重に持ち、立ち上がって部屋を出る。
それから使い魔専用の寝室に向かった。
「……、あれ??」
寝室の扉は開いていた。
中にshpはいなかったのだ。
気のカゴがコロンッと転がっているだけ。
「…ねこ、??」
慌てて自室に走る。
連れていかれたのか、それとも1人で抜け出したか。
嗅覚魔法か何かの使い方方法を、メモノートに書いたはずだ。
それを見て…。
「…、ぇ、??」
自室には、猫ではなく…人間がいたのだ。
knのベットでぐっすりと丸まって寝ている。
首には色のなくなった石が着いていた。
shpだ。
「…、おい、起きれるか、??」
体を揺すると、眠たそうな目を開いてknを見た。
「…なんすか、??」
「…お、おまえ、猫、やんな??」
「…んぁ、はい。そうっすね。」
shpはくぁ、と欠伸をした。
「…お前、人間なれたんか、!!」
「…はい、たぶん。」
「お、俺もな!!見てや、これっ!!」
knは魔法石をshpに見せた。
「…んぁ、魔法石っすか、??」
「せや!!契約できるぞ!!えっと…、名前は??」
「shpっす。」
「shp!!よし、契約…するか??」
キラリと光る魔法石をknが握る。
shpはもう一度欠伸をし、猫の姿に変わった。
knはゆっくりとしっぽの付け根にある窪みに、魔法石をはめた。
眩しい光が突然溢れ、2人を包んだ。
色のなくなった石が砕けて散った。
「…、ん。はッ、できた!!」
「んにゃぁお。」
shpは魔法石を確認すると、人間の姿に変わった。
「…なんか、身体軽くなった気が、」
「せやね、契約によって精神状態が安定したんかね??」
「っすね。」
knはshpの顎に手を伸ばした。
猫の時のように喜ぶだろうかと。
「触んないでください。」
knの手は冷たく払われた。
「…shp、ほんまにあの時の猫か??」
「…??はい。」
「…。」
knはまた手を伸ばした。
「しつこいっす。」
べシッと叩かれ、shpは被っていた布団をknに投げつけた。
「んぶっ!!」
「ワイ、使い魔室にいるんで。」
shpはそそくさとknの自室から逃げた。
knは悔しそうに、だけれども幸せそうに、大きな声で笑い出した。
grによって叱られるまであと数秒。
─────────────
「くそ…、knのせいで目が覚めた。」
grはスリッパをへたへたと動かしながら使い魔室へと向かった。
まずは、人間の姿になれたshpの様子確認。
それから、tnの健康状態を見るためだ。
使い魔室に入ると、shpは人間用のベットで寝ていた。
相変わらずciとshoは寝相が悪く、ciは恐らく1度起きたshpによって確保され、shpの隣に寝転がっていた。
shoはzmの腹に丸まって寝ていた。
zmは狼の姿の時、体温が高いので暖かいのだろう。
それにしても、shpとciは仲が良いな。
zmとshoも仲良しだ。
grはtnの傍に行き、額に手を当てた。
寝息も普通だ、正常。
昔は、大変だったことだ。
─────────────
「おい、お前大丈夫か??」
tnは路地裏で倒れていた。
雨の降る夜のことだ。
人間の姿だったので魔法使いかと思っていた。
「立てるか??くそ、弱ってるな。」
魔力切れだろうか、と思い、grはtnに肩を貸して家に連れていくことにした。
家に帰り、寝かせていると唸るような声が聞こえた。
tnからだった。
「ぅ"…、っく。」
「おい、大丈夫か。1度起きた方が良い。」
「…っ、あ"、??」
「おう、私はgrだ。まずは水でも飲め。」
水を渡すと、弱々しく受け取り口に注いだ。
「何があった。」
尋ねると、tnは口を開いた。
「…人間の姿のキープが、難しいんや。」
それで気がついたのだ。
彼が、使い魔だと言うことに。
「…なぜ、キープする必要がある??契約がまだなら、体力の消費が少ない動物の姿でいるべきだ。」
「…俺の家系はなんやと思います??」
tnは苦しそうに問う。
「…、」
問いかけに答える前に、tnは答えを言った。
「俺は豚の家系。豚言うたら、底辺なんは知ってるやろうけど。そのせいで、こっちは苦労してんねん。」
奴隷みたいな扱いは懲り懲りだ。
tnは水の入ったコップを乱暴に机に置いた。
「…そうか。なぜ、君は底辺なのだろう。」
「は、??だから、豚やから…。」
「いや。君をだ。君は私の見た感じ、凄く素晴らしい使い魔だ!!自分自身の意見もはっきりと持ち、強者に対しても強気にいられる!!そしてなにより、私の心を掴むような意思の表れ!!!!!」
grは立ち上がり、tnの肩を掴んだ。
それから右左にゆさゆさ、ぶんぶん、と振った。
「素晴らしい!!!!!是非契約を結びっ、人生を共にしたいものだ!!!!!」
「……、あんた、おかしいで。」
「ふふ、褒め言葉は良してくれ。」
「褒めてへんわ。」
tnはくすり、と笑った。
「でも、なんか俺。アンタに着いていきたいわ。」
「ふふ、君ならそう言ってくれると信じていたよ。」
「俺はtnや。えと、grさん。契約を結んでくれ。」
tnはそう言うと豚の姿に変わった。
grはtnの頭を撫で、契約魔法を唱えた。
キランと光、綺麗な黒色の魔法石が生まれた。
「さあ、私の自慢の使い魔になるといいさ。」
ゆっくりと魔法石をはめれば、tnは嬉しそうにひとつ、ブーと鳴いた。
─────────────
「zmさん、食べすぎで喉つまらせちゃだめですよ!?!?」
「グルルーッッ!!!!!」
「威嚇しないで!?」
emは日々困っていた。
zmに自分のご飯を取られ、取られたかと思いきや戻され。
ご飯の時、zmは何よりも楽しそうになる。
基本的に、zmは人間と動物の姿両方維持できるタイプなので、コロコロと変わるのだが、ご飯の時は動物の姿が多い。
人間よりも、多少口が大きいため、1口で沢山食べれるからだろうか。
「わーっ!!zmさんっ、それ私のデザート!!」
「ワオーンッ!!」
「わおーんちゃうねん!!」
emはしょっちゅうzmを追いかけている。
zmに追いつくはずがないのだが。
分かりきっている。
これは、zmの精神安定のためであった。
zmはひとりぼっちになるのが嫌いである。
遊び相手がいないと、体調を崩してしまうことも少なくない。
「zmさん!!って、それ私の飲み物ー!!」
こんな楽しい毎日は、過去の苦労のおかげであった。
──────────────
grとtnが契約を結んだ1週間後くらいだろうか。
これまた雨の降る日だった。
家の前に狼が1匹弱って倒れていた。
emは恐る恐る保護し、部屋に連れていった。
弱っていて、しかも威嚇をするものだからemも怖くて仕方なかった。
それでも、命を守ることはemにとって大切なことであった。
emはお粥を部屋に持っていき、床に置いた。
使い魔は大人になると人間の姿になれる。
それによって内蔵等も人間と同じようになる。
つまりは、人間の飯も食べれるようになるという事だ。
「ほら、どうぞ。美味しいですよ??」
emがお粥の入った皿を少し近づける。
「グルルーッ!!」
威嚇は収まらない。
emはスプーンでお粥をすくい、zmの口に近づけた。
「お願い、食べてください。貴方、本当に死んでしまいますよ。」
「グルルー!!!!!」
「ダメです。食べます。」
emは怖いもの知らずでもあった。
zmの後ろに回り込み、口に手を入れ無理やり開ける。
そこにスプーンでお粥を入れた。
「食事にトラウマでもありますか??でも、これだけは乗り越えて。トラウマよりも、怖いことになってしまいますから。」
zmはもちろん抵抗した。
emの手を噛んだ。
歯型が着くくらい、弱くはあるが。
「い"ッ…。」
「グルルッッ!!!!!」
「…、だめです。食べて。」
emはそれでもzmの口に手を入れた。
大丈夫だと何度も呟きながらスプーンをいれる。
「グルルッッ!!!」
ガブッ。
また噛まれ、血がどろりと垂れ始めた。
「…っう"、」
emは治癒魔法を唱え、それからzmを見つめた。
「…食べろ。」
命令魔法である。
大量の魔力を消費し、魔力の少ない魔法使いは死に至ることだってあるほどには強い魔法だ。
emは唱えたのだ。
すると、zmは静かにお粥を食べた。
zmは震えていた。
emはそれを見て、すぐに魔法を解除した。
「…ぐるる、」
「…はッ、ふ、」
emの魔力は限界だ。
治癒魔法も使えなくなる。
つまりは怪我を負えない。
emは床に寝転がった。
「ごめんなさい、でも…大丈夫でしょう、??美味しいと思えたなら、嬉しいわぁ。」
目を閉じようとするemの腹にzmが乗った。
口には、スプーンを加えていた。
「…、??」
zmは器用にお粥をスプーンですくい、emの口に入れた。
「…、んぐ、、」
「ワオーン!!」
「んぶ。」
次々にお粥を入れ込む。
emの口は膨らんでいた。
「ワオーン!!」
「ぶふぉぉッ!!!!!詰まるわ!!!!!!」
emは起き上がった。
zmは驚くと同時に、人間の姿に変わった。
「くひ、くひひッ!!うひひひッ!!!」
ケラケラと笑い始めたのだ。
emはけほけほ、と咳き込んでいる。
「んはは、はぁ…おもしろー。」
「もー、笑い事ちゃいますて…。」
「……、ありがと。」
「…??」
zmはお粥を指さした。
「おれ、ちょっと食事嫌いやねん。親がな、あれで。」
「やっぱりですか。無理にすみません。」
「うん、でもちょっと慣れた!!お前の飯、美味い!!それになにより、お前面白いから!!」
けらけらと笑い出す。
emはzmの口に着いた米を指で取った。
「私はemです。貴方は??」
「俺zm!!あのさ、」
「「契約しようぜ/しましょう!!」」
二人は見つめ合い、吹き出した。
「んはっは!!良いですね、楽しくなりそうです。」
「うん!!あ、でもemさん魔力足りひんやろ??また今度でいーぜ!!」
「そうですね。あ、zmさん。」
笑顔のzmにemは笑顔で言う。
「無理はしないこと。ゆっくりで行きましょう。私は、ゆっくりの方が好きです。」
「……んふ、ありがと!!」
emは行けるところならグングン行くタイプだ。
でも、zmが無理をしないように。
彼に合わせることを一番にしたのだ。
それから、2人は同じ歩幅でゆっくりと前進していったのだ。
──────────────
「sho〜、まぁた隠れんぼかぁ??」
rbの部屋にshoは確かに入っていった。
全く、隠れんぼはいいが、そろそろ飽きるぞ。
rbはため息をついて、部屋に入った。
廊下ではzmとemらしき声が響いていた。
扉を閉めて、shoの逃げる出口を無くす。
それから、机の下を覗いた。
「あれぇ??おらんなぁ。」
わざとらしく、きょろきょろしていると、ベットの下からshoが飛び出した。
「わんっ!!」
「わー、そこかー!!」
きゃっきゃっと、shoがrbの周りをぐるぐる回る。
rbはshoの頭を2回、ぽんぽんと叩いた。
これは、人間になれという合図である。
shoは人間の姿になってrbを肩車した。
途端に驚き、rbは高身長魔法が切れた。
rbは、小さくなったのだ。
「んわッ、!?!?お前ッ、魔法切れたやんけ!!」
「んへへ〜!!rbくぅ〜んっ!!」
肩車のまま、ぐるぐると回る。
rbは目が回り、shoの頭を2回叩いた。
これもまた、動物になれという合図である。
shoはすぐに犬の姿に変わった。
「わふっ!!」
「はッ、はッ…きもちわる、」
目が回り、rbは床に倒れた。
わんわんっ、とshoはrbの背中に乗って飛び跳ねた。
昔から、2人は2人でひとつであった。
────────────
shoの家系は犬だった。
だが、shoはいたずらっ子であり捨てられてしまったのだ。
そんな時、拾ってくれたのがrbの家族だった。
rbもまだ子供で、shoも人間になれない頃だった。
「おれrb、きみは??」
当然話しかけても犬なので返ってこない。
「わんっ」
「ぽちでええかなぁ??」
「わんっわんっ」
shoも正直理解が出来なかったので、rbに着いて回るしかなかった。
自然と、2人は仲を深めていた。
小さな子供は希望に満ちている。
それから長い月日が流れた。
rbは非常に身長が低かった。
魔法学校ではイジメも受けそうになっていた。
そんな時、shoがいたのだ。
「わんっわんっ!!」
「あ、ぽち…、お前なんでここに、」
家を抜け出しては、rbに会いに行った。
rbは嬉しそうにshoを抱き上げた。
「ぽちは元気やなあ。」
「わふっ」
「んふふ、」
rbはshoの頭を2回叩いた。
ぽんぽん、と。
すると、shoは人間の姿になったのだ。
実は、rbが魔法学校に入った時にはもうとっくに大人になっていた。
rbを驚かしたくて黙っていたのか。
はたまた、犬として主人の言うことを待っていたのか。
それは分からない。
「rbっ!!おれsho!!shoやで!!ぽちでもええけど!!」
人間になったshoは自身を指さし、わあわあ喋り出した。
rbはぽかん、としたあと驚いたように声を上げた。
「えええええっ!?!?」
「んははっ、rbの反応おもろいわぁ!!」
shoはrbの傍にしゃがんでふへふへと喜んでいた。
「犬家系ではなっ、頭を2回叩かれると体を変えるっていうルール?みたいなのがあるんやで!!」
「そ、そうなんか…。」
「うんっ!!」
なんて、話をしているとrbを虐めている男らが集まってきた。
「あ??誰やこいつ。」
「くんくんッ…、、。ふーん。」
shoはギロリと睨み、立ち上がった。
「あ??なんやねんコラァ!!」
「…。」
shoが人差し指を突き出し、ツンッと男らに刺すような動作をした。
「はははっ、なんやこい……ッ!?!?」
う”ぼぼッ、と男らは吐瀉物を撒き散らした。
rbは驚いて、shoの後ろに隠れた。
「魔法やで。腹を遠隔操作みたいに押しつぶせる魔法。まだ俺は弱いし、使い魔やから、押しつぶすことはできんかったみたいやなあ。」
次はなにしよー、とshoが男らに近寄る。
rbは慌てて背伸びをして、shoの頭を2回叩いた。
「わんっ!!」
shoは犬の姿に戻った。
shoは怒ったようにrbの足をけしけしと前足で攻撃した。
「すみませんでしたッ!!もうしませんっっ!!」
男らが土下座をして、走って逃げていった。
rbは笑って、shoを撫でた。
「あははっ、お前すごいわ。」
「わんっわんっ!!」
それから卒業して、2人は当然のように契約を結んだのだった。
──────────────
「ci~、おいで~」
utの声が聞こえる。
ciは飛び起き、羽を動かして使い魔室から出ていった。
バサバサ。
「ホウッ!!」
「ci、ほれ。」
と、腕を差し出され、そこに着地する。
「夜の散歩行かへん??」
「ほーっ。」
utの肩にぴょんぴょんと足を使って移動し、utと共に外に出る。
夜の散歩は、utもciも好きであった。
夜、星空に照らされたあの日。
2人が出会ったあの日を、思い出すからだろう。
────────────
「utくん!!どうしてなの!!」
「utくん!!この女とどういう関係なのよ!!」
家系が牛の女の子と、馬の女の子に腕を捕まれ問い詰められる。
まあ、そういうことだ。
utは沢山の使い魔を契約をしていた。
使い魔(女)は素晴らしいもので、utは所謂、屑だった。
「落ち着いてよ。2人とも可愛い顔が台無しさ。」
「なによ!!今はブスだって言いたいの!?」
「さいってー!!」
両サイドから手のひらが飛んでくる。
うわービンタされるー!
と、utが目を閉じた。
「ほぶっっ!!!!!!」
顔に突然もこもこがぶつかり、手のひらは当たらなかった。
そのもこもこに当たったのだろう。
「また使い魔!?もうしらない!」
「utくんさいてー!!」
と2人がどこかへ行く。
「まってー!!」
と手を伸ばすが、虚しく届かない。
下を俯くと、水色のもこもこが落ちていた。
使い魔だろう。
「おーい、お前ー、大丈夫か??」
ビンタが当たったこともあるのだから、弱っている。
utは仕方なく抱き上げた。
すると、そのもこもこはバタバタと暴れてまた地面に落ちた。
「…ええ??、あ、うん??梟か、お前。」
羽をバタバタを暴れさせ、足でぴょこぴょこ動いている。
「逃げないでー、名前でもええから教えてー。」
と、離れる梟を寄せる。
それでもまた、動き出す。
「…はぁ、言う事聞かんと、契約するぞ??…なーんて。」
人生で1度しか契約ができない使い魔にとって、契約は脅しにもなる。
梟は怯えた顔をして振り返った。
すると、今度は羽を使って空を飛ぼうとした。
ビビらせすぎただろうか。
そう思い慌てて謝罪をしようとする。
「いたぞ!!梟だ!!」
「…!!?」
なにやら大声がして、弓矢が飛ぶ。
矢尻にはなにやら怪しげな毒が塗られていた。
危ない。
そう思ってutは魔法を唱えた。
「来い!!」
行動を操る魔法だ。
梟はふらふらとutに落ちてきた。
utは梟をコートを被せる。
ガタガタと、震えていた。
きっと、自分が脅してしまったからだろう。
「おい、お前。ここに水色の梟を見なかったか。」
「水色??どうかしたんすか~??」
「…使い魔の奴隷として売られていたのに、逃げ出したんだ、あの野郎。人間の姿になるのが苦手らしく、社会に出ていけないやつめ。」
なるほど。
utは梟を隠したコートを抱きしめた。
「へえ。そりゃやばいっすね。あっちとかに、聞いてみたらどーです?」
「ああ、そうする。」
男は走っていった。
ちらりと、コートを見ると梟がきょとん、とこちらを見ていた。
「ホー。」
「しーっ。」
鳴かないで、と梟に人差し指を立てる。
理解してくれたのか、コートの中に潜って行った。
連れて帰るか。
utは歩き出した。
──────────────
「ホーッ。」
コートを加えて歩き回る梟を眺める。
「…うーん。どーしよかな。」
警戒心を無くしてしまったらしい。
梟は歩き回り、椅子やら壁やらにぶつかっていた。
「…お前、人間なるの苦手なんよなぁ。」
「…。」
ポプッと音がして目の前を見ると、そこには水色髪の男がいた。
「なれんで!!」
「ええええええ!!なれたんかい!」
「苦手は苦手やけどぉ…。一時的にならなれるよ!!ずっとは難しいかな!!」
「ふ、ふーん。えと、僕utやで。」
「ci!!utさん!!契約して!!契約してー!!」
「えええ!?お前、警戒心どこいってん!!俺、お前を驚かしたやろ!?」
「助けてくれたやん。買われた友達が言っててん!!助けてくれるやつに着いていけって!!」
「…でもぉ。ぼくぅ、おんながええし、」
「…おんな?ああ、僕男やね。」
ciは自分の胸に手を当ててしゅん、と俯いた。
「ダメなん、??お願い、魔法使いは契約何度もできるやん!!ほんと、契約だけして終わりでもええから!!おねがい…」
と、土下座をされる。
いやでも、考えてみれば女のアホみたいに痛いビンタから守ってくれた。
それに、こいつはきっと世に出たらまた追われる。
utはごけり、と喉を鳴らし契約魔法を唱えた。
ciは梟の姿に戻ってutの膝に乗る。
かちり、と魔法石を嵌めると、嬉しそうに梟が部屋を飛び回った。
それから窓に衝突して気を失った。
「おまえーーーー!!!!!!!」
とりあえず、面白くなりそうだから良し。
utは何気にciを気に入っていた。
ciは、それに気づかない。
一応、おまけ(1)は終わりです!!!!
次も作れたら作りたいな!って思ってます
遅れてすみませんでした!!!!!!
めっっちゃ配信見てました(
コメント
20件
見るの遅くなってしまった、いっぱい書いてくれるの嬉しすぎるぅぅううう 内容飽きない🥺💞 前オプチゃはいってたんですけど、覚えてますか、?
見るの遅くなって申し訳ないですす … 😭😭 sypくんがねこの姿じゃない時ちょっと冷たくなるの好きすぎゆ … 🫶🫶 それでもknさんはsypくんのこと気に入ってるっていう … あいしてす 🫶 それぞれの今と過去があってにちゃってました (( どのペアも好きすぎる … 😭 てか(2)あるかもなんですか !? 楽しみすぎゆ … ✨️
やべぇ、この話めっっっちゃ好きやんだが…!?!?✨ 質問なんだが、使い魔から人間になったら、服とかってどーなるんだ…?スッポンポン?笑