テラーノベル
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秋が終わり、冬が近づくある日。ピータは巣から少し離れた場所でまだ少し新鮮な草を喰んでいました。北風が高くなった草をびゅうびゅうとゆらします。
キャッキャッキャッキャッキャン、キャン!こんな声がコテリーに響き渡りました。それを聞いたものたちは一目散に巣穴に駆け込みました。
アナグマがやってきたのです。しかし、声で危険を知らせるのが遅すぎました。高い草木に紛れて見張りの目を欺いていたのです。アナグマの名は、ジュナ・ジン。オデリア・ジェンと、シシー、ツァイト、エルを殺したギル・ジンの妻だ。ジュナ・ジンは側にいるピータに狙いを定めました。警戒の声は、風にかき消され、ピータの耳には届きません。
ジュナが姿を現しました。まっすぐピータに向かって突っ走ります。ピータもついに気づきました。すぐさま逃げ出します。側に巣穴はあったのですが、ピータは群れのリーダーの他のコテリーに入ることはできないのです。しかも、自分の巣穴から遠く離れてしまっています。とにかく巣穴まで走るしかありません。
しかし先手を打ったジュナの勝ちでした。
群れは、リーダーを失いました。風はもう、吹きやんでいます。ですが、今は秋が終わり、冬。本格的な冬が始まる前に栄養を蓄えておかなければなりません。
ジルは、ただただ見つめていた。ピータをくわえて立ち去るジュナを…
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ピータ...