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不老不死にしてしまった
『・・・うわぁぁぁああああああ!!』
主はありったけの魔力をかき集め、大きな魔法陣を展開した。
その魔法陣は、主が不老不死になった瞬間に発動した、回復魔法と魔導兵器の魔術が混ざったものだった。
『あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っっっ!!!!!』
主は身体が引き裂かれてバラバラに飛ばされていく感覚に叫びながら、魔法陣が完成するまで意識を保った。
魔法陣が発動し主の意識が途絶えた瞬間、空を埋め尽くしていた天使たちと地面に倒れていた執事たちを真っ白な光が包み込み、全てを消し飛ばした。
主が目を覚ますと、執事たちがいた場所からかなり離れた場所に吹き飛ばされていた。
主は急いで執事達のいた場所まで駆けていく。
(お願い、お願い・・・成功して・・・!!)
執事達のもとまで来ると、彼らのバラバラになった身体がどんどん回復していっていた。
『ああ・・・やった・・・やった・・・!』
主はその場にしゃがみ込み、堪えていた涙をボロボロと落とした。
🦾「泣くなよ・・・主様・・・」
ボスキが義手でない右手で主の涙を拭ってくれた。
🫖「主様・・・?これは・・・?」
❤️🩹「くふふ・・・主様とおそろいですね?」
次々と回復して起き上がる執事達は死んだはずなの
、手足を失ったはずなのに、視覚を聴覚を削がれたはずなのに、完全に回復していることに驚いた。
🔑「ま、まさか・・・主様・・・」
🕯️「まさか・・・主様が不老不死になった魔術を!?」
察しの良い数名に問い詰められ、主は涙を落としながら笑った。
『えへへ・・・ごめんね・・・皆を死なせたくなかったの。・・・それに・・・これならずっと、一緒にいてくれるでしょ?』
執事達は困ったように、けれども嬉しそうに笑った。
🌹「だったら、もう遠慮せずに突っ込めるっすね!」
🦋「そうだね、もう怪我なんて気にしなくて良いんだから」
『!?ま、待って!・・・バリア!』
残っていた天使たちに特攻しようとする執事達に、主は慌てて防御魔法を掛けた。
死なないとは言え痛いものは痛いし、死んだら回復するまで時間がかかるのだ。
『みんな!死なないでね!?』
主がそう叫ぶと、執事達はニッコリ笑って言い返した。
「主様にそっくりそのままお返しします!」
主はフフッと笑って天使の攻撃を避けることに専念した。
そうして、不老不死の主と執事達は何度も死んでは生き返って天使を滅ぼした。
そして、永遠の時を主と一緒に過ごすのだった。
ーーーEND