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こんにちは。うめこんぶです。

今回は整地のお二人です。

CP要素ありです。

一応smkrのつもりで書いてはいますが、皆さんのお好きなように解釈していただいて結構です。

それではどうぞ!










sm視点


いつもの6人で遊んだ帰り道。4人とはさっき別れたばかりで、今は方向が同じらしいきりやんと2人きり。


数ヶ月前、俺はこいつに恋をした。自分でも信じられない話だが、きりやんが他の人間と話をしているところを見ると、モヤモヤするというか、心が落ち着かなくなってしまったのだ。

このことは誰にも言っていない。メンバーにも、勿論きりやん本人にも。


少し遅めなきりやんの歩速に合わせ、自分もゆっくり歩いていると、隣の彼がふと呟いた。

kr「モチ食いたいな…」

sm「さっき飯食ったばっかだろ」

kr「いやモチは別腹でしょ」

sm「女子高生か」


今日は満月。都会の明るすぎる光のせいで、ほとんど見えない星たち。その中で唯一、はっきりと目に映る衛星。

前から募らせていたこの想い。ストレートに言えるほど俺は素直じゃないが、彼ならきっと気づいてくれるだろう。


sm「あのさ…」













kr視点


みんなで遊び尽くした今日一日。今はその帰り道。いつもなら違う道を通る。でも今日はなんとなくスマイルと居たかったので、遠回りにはなるが一緒に帰ることにした。


ゆっくり歩く俺に合わせてくれる。俺はそんな彼が好きだ。これが友情的なものか、恋愛的なものかは分からないけど。

俺がゆっくり歩くのも、少しでも長くこいつと一緒に居たいから…そんなことを本人に言えば、きっと気持ち悪いと思われるだろう。


満月の夜。今頃月のウサギたちは、楽しくモチつきに勤しんでいるところだろう。

そんなことを考えていると、なんだかモチが食べたくなってきた。

kr「モチ食いたいな…」

sm「さっき飯食ったばっかだろ」

kr「いやモチは別腹でしょ」

sm「女子高生か」


思っていたことが口に出てしまっていた。がっつり聞かれてしまったし、その上ツッコミまで言われてしまった。しかもあのスマイルに。

恥ずかしいここに極まれり。

少しの沈黙のあと、隣を歩くスマイルが少し俯き口を開いた。


sm「あのさ…」


sm「月が…」


その昔、かの有名な夏目漱石は「I love you」をこう訳したとされる。



sm「月が綺麗ですね。」



どうせスマイルのことだから、直接言うのが恥ずかしいか、もしくはカッコつけたかったのだろう…

ならば、俺もそれに応えよう。


その昔、小説家の二葉亭四迷は「Yours」をこう訳した。



kr「死んでもいいわ」


そう伝えると、スマイルは鳩が豆鉄砲を食らったような顔をした。

sm「え、はッ?!」

kr「…なに?////」

sm「そんなに嫌だった…?」



あぁ…こいつは「月が綺麗ですね」の方しか知らなかったんだな…

瞬時に察した俺は、スマイルにこの言葉の意味も教えてやることにした。

kr「…スマイルさ、『月が綺麗ですね』って、どういうつもりで言った?」

sm「…?好きですって意味だけど。」

kr「…//// う、うん、だよね?」


分かってはいたが、こうもストレートに言われると照れが勝ってしまう。

いつもは捻くれているのに、こういうときだけ異常に素直になるのはなぜなのか。


sm「で、それで?な、なんでお前は…」

kr「俺が言った『死んでもいいわ』っていうのは…」

sm「うん」

相槌をうち真っ直ぐに見つめてくる彼。不覚にもかっこいいと思ってしまったことは、墓場まで持っていこうと決意した。


kr「死んでもいいわって言うのは…!!」

sm「なんだよ早く言えって」

kr「……いや…やっぱ自分で調べて…?」

sm「はぁ???」


いざ言おうと思うと、恥ずかしくて口に出せなかった。ダサすぎるだろ俺…!!

そしてスマイルはおもむろにスマホをいじり始めた。そのとき、ほんの一瞬だけ、彼の口が緩んだ気がした。

そしてこちらへ向き直しこう言った。


sm「じゃあさ…きりやん。俺と付き合ってください。」

kr「…うん。もちろん…!!」


俺は照れを隠すのに必死だった。

さっきまで肌寒いと感じていたはずなのに、今は少し暑い気がする。

俺たちを照らす月は、「頑張れよ」と鼓舞するかのように、「おめでとう」と祝うかのように、優しく、力強く、輝いていた。

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