⚠ いじめ・性的シーンがあります ⚠
春千夜視点
目覚ましが煩く鳴る、
「もう朝か、」そうつぶやき俺は目を擦る。
両親は4年前くらいに俺を捨ててどこかに行った。静まり返ったリビングにはどこか寂しさを感じた。
とりあえず有り合わせのもので朝食を作り、身支度をして家を出た。
最近本当に秋か?ってくらい暑い日が続いている。俺は汗をかくのが嫌だから毎日のように髪を結って学校へ登校している、正直髪が傷んでしまうからあまりしたくはないのだけど、
そんなことを考えていると学校についた、
上履きを下駄箱から取り出すと、上履きの中からジャラっと音がした、
画鋲が入っていたのだ、
「またか…、」
俺は画鋲を取り除き上履きを履いて教室に向かった。
教室に入るとさっそく俺の机と椅子がなくなっていた。
机と椅子がないんじゃどうにもなんないし、とりあえず俺はトイレに籠もる事にした。
トイレに入ると俺がトイレに入ったのが見えていたのか、俺が入った個室にバケツで水をかけてきた。
「…もう嫌……、」
かれこれ1年くらいは今の状況だ、疲れたし、てゆうか学校に行きたくない、
そうすると聞き覚えのない声がトイレに響き渡る
「兄貴ー、ここ生徒用のトイレだよ?」
「別に良くねー?」
教師なのだろうか?でもこんな声の先生いないし、ましてや兄弟で先生やってるやつなんて少なくともこの学校にはいないはず…、
もしかして新任か…?
「初日から怒られたくないんだけどー」
「どーせバレねーよ」
まじでこいつら誰なんだ……
てゆうかこの人たちのせいで俺一生出れないんだけど……、
数分するとその兄弟教師はトイレを出てった長すぎだろ、
「服も髪もびちょびちょ……、」
幸いバックごとトイレに持っていったので髪を拭き、ジャージに着替えトイレを後にした。
トイレを出ると廊下にみんな並んでいた、そういえば今日は朝礼あるとか言ってたっけ、
列にならんで体育館まで行くと、体育館の端っこの方にさっきトイレに数分もいた兄弟教師だと思われるやつがいた
やけにイケメンで、高身長で、1軍っぽくて、チャラそうで、俺の嫌いな人種だ。
朝礼が始まると早速校長が兄弟教師の紹介をしていた。
最悪なことに元いた俺のクラスの担任と副担任が病気になってしまったらしく、灰谷蘭という多分兄貴の方が担任で、灰谷竜胆ってやつが副担任になるらしい、
もう学校行くのやめようかな、ほんとに、
朝礼が終わり教室に戻るとやけに教室が騒がしかった、なんでかって?あの兄弟教師に女子が集っているからだ。
イケメンなだけあって女子には人気がある。男子に人気あるかは知らないけど、一時限目は自己紹介みたいのをするらしい、
俺そうゆうの嫌いなんだよな……、
てゆうか俺の机と椅子無いし…どーすんの……
一時限目を告げるチャイムがなると女子達は自席に戻っていった。
周りに人がいなくなったせいか、机と椅子がなく立っている俺に兄弟教師が気付く。
あー、もう最悪…絶対なんか言われるじゃん
兄貴の方が俺の方へと歩いてくる。
「今日やっぱり自習ねー、」
そう何かを察したかのように弟の方が告げる
「誰だっけ、えっとー、佐藤?」
兄貴の方が俺に問いかける。
「………いや…俺、三途です……、」
「あー、三途だったわ、ちょっと廊下来てくんない?」
「…はい、」
まじで最悪なパターンじゃん…、本当に嫌なんだけど……、
廊下に出ると兄貴の方が俺に問いかける
「御前いじめられてんの?」
「え…、」
そりゃ机と椅子なくなってたらそう思うだろうけど…俺のこと気にかけてくれる教師なんていなかったし……、
「いじめられてるかどーかを聞いてんだよ、黙ってちゃ何もわかんねぇよ?」
「えっと……、」
言ったところでなにかしてくれるわけじゃないくせに……、
「……別にいじめられてなんかないですよ、俺今日転校したんで、まだ机ないだけですよ、」俺はそう嘘をつき微笑んだ
「いや、そんなバレバレな嘘、騙されるとでも思ったのか?」
そういうと兄貴の方が俺に詰め寄る。
「……いじめられてるからなんですか…?」
俺はあっさりといじめられてることを認めてしまった。
「俺、お前のこと気に入ったから守ってやるよ、」と兄貴の方は微笑んだ。
何言ってんだこいつ、…
俺のこと気に入った?
俺のことなんて誰も気にかけてくれなんかきなかったじゃん、
「だめー?」とう返答を急かされ、俺はつい
「い、いいです、よ…?」
OKをしてしまったのだ。
てゆうか、俺を守るって言っても、こいつはなにすんだろ…、
「じゃ、まずは机と椅子だな、」
そう言い微笑む兄貴の方、ほんと、何考えてんだろ…
廊下で待ってろと言われたので待っていると、兄貴の方は机と椅子を持って教室に入った。一緒についていくと
「今から席替えなー、」
そういい兄貴の方は机と椅子を置いた
「席替えは全クラス合同でやるって学年主任にいわれてんじゃーん、」
そう弟の方が言う
「いーのいーの、」
そんな感じで突如として始まった席替え。
なんと俺は教卓の真ん前のいわゆるアリーナ席に来てしまったのだ…
「最悪…」
俺がそう言ったのが聞こえていたのか
「えー、俺が決めた席そんな気に食わなかった?」と兄貴の方が微笑む
ほんと最悪……
授業が終わり放課後になった。
俺は別に部活に入ってるわけじゃないし、すぐ帰ることにした
前の方から俺をいじめているやつらが来る。
俺をちらっと見るなりこちらへ向かってきた、
ほら、守るったって意味ないじゃん…
「こっちこいよ、」
そういい俺の腕を引っ張り、旧校舎へ向かう
なにされるんだ…?
旧校舎に着き、教室に入ると服を脱がされた
「ちょ…やめてっ………、」
そういうと一人の男が
「お前さ、馬鹿だしキモいくせに顔はいいからよ、俺の性処理係やってよ?」と微笑む
早く逃げないと、そう思い立ち上がろうとすると
「逃げんなよ?」
体を押さえつけられ、縄や手錠で体を拘束される。
やばい…、犯される………、
俺のケツにあいつのが入ってくる、
気持ち悪い……、
そう思っているともう一人のやつが俺の口に入れてきた
「お”ぇッ……、」
「汚ぇ声出してんじゃねぇよっ、」
そういい殴られる。
守るって言ったのに……
そんなことをかんがえてるうちに視界がどんどんフェードアウトしていった、
俺死んじゃうのかな、
気づくと俺はベットの上に寝かされていた。 服はでかめなTシャツとでかめなズボン変わっていて、どうやら俺にレイプかましたやつはここにはいないようだ
「った……、」
起き上がろうとすると腰に激痛が走った、
てゆうかここどこだよ…、
すると、部屋に誰か入ってきた、暗くてよく見えない。
「ぁ、兄ちゃんっ!三途起きてるー!」
あれ、ここもしかして兄弟先生の家?
「大丈夫か?三途」そう弟の方だと思わしきやつが話しかけてくる
「ぁ、はい…、」
「ごめんな、気づくの遅くなっちまって、」
そういい弟の方だと思わしきやつが頭を撫でる
暖かくて、優しい手だった、
すると急に部屋が明るくなりなんだ?と思うと兄貴の方が入ってきた。
「大丈夫か?三途」
弟と言ってること同じ過ぎて、流石兄弟だな、と思った。
「大丈夫ですよ」
そういい軽く微笑むと、兄貴の方が
「え、まって、めっちゃ可愛いじゃん、ねっ、竜胆今の見た?」
「え、何が?」
「はぁー?ちゃんと見てろよばーか、今三途くそ可愛かったんだけどー、」
どうやら兄貴の方は俺が可愛く見える病気にかかっているらしい
「ぁっ……、」
俺はつけていたマスクがなくなっていることに気付く。
瞬時に口元を隠したが、きっともう見られているのだろう
「お、俺もう帰りますねっ……、」
そういうと
「いや、お前帰ったとこで一人だろ?」
「は?なんで知ってっ……ぁ……、」
弟の方の言葉に思わず墓穴を掘ってしまった…
「ここでよければ住んでもいーよ?」
そういい微笑む兄の方、
思わず目から涙が溢れ落ちた、
誰かと一緒に居れる、と思うだけで何か救われた気がした
「泣くなよ〜、」
そういい兄の方が俺の頭を優しく撫でてくれる。
俺は今日、初めて人の手のひらの暖かさを知った
次の日、起きると朝食のいいにおいがした、
朝起きて朝食があるなんて昨日の俺じゃ信じられないことだ、
リビングに行くと竜胆さんが朝食を作っていて、蘭さんはソファーでゴロゴロしてた
「あ、おはよー、春ちゃん」
そう蘭さんが言う
「春ちゃんって……、」
「下の名前春千夜でしょ?だから、春ちゃん、」蘭さんは微笑む
「そ、そうですか、」
恥ずかしい反面、あだ名をつけてもらったことが嬉しかった。
なんだか2人の側にいると心が暖かくなる、そんな気がする
「朝ごはんできたよー、」
そう竜胆さんがいうと蘭さんが椅子に座る
椅子は蘭さんと竜胆さんのしかない、
立って食べようかな、…
そんなことを考えていると
「春ちゃんおいで〜?」
蘭さんが腕を広げる
「い、いや…立って食べるんで……」
「いーから、おいで?」
蘭さんは腕を広げたまま俺が蘭さんの膝の上に座るのを待ってる
「じゃ、じゃあ……、」
俺は蘭さんの膝の上に座った
「めっちゃ可愛〜」
蘭さんは俺を抱き締めた
顔が熱くなっていくのがわかった
「えー俺も膝に座らせたいー、兄貴ばっかずるいー、」
「俺の春ちゃんだから渡しません〜」
「ど、どっちも、座りますから……、/」
小さな声でそういうと
「やったっ、」
「えー、ずっと座ってていーのにー、」
竜胆さんの嬉しそうな顔を見るとなんだかこっちもら嬉しくなった。
朝食を食べ終わり、学校へ行く準備をしていると制服のワイシャツのボタンが何個か外れていることに気がつく。
昨日脱がされたときにとれたのか?
なんて思っていると蘭さんが部屋に入ってきた。
蘭さんに事情を説明すると、
「なんだ、そんなこと?俺の貸したげるよ、」
と微笑んだ
「ね、蘭さんはなんでそんなに俺に優しくしてくれるんですか?」
単純に聞きたかった、なんでこんなに良くしてくれるのか、そうすると蘭さんは
「一目惚れしたからかな?」
そういって微笑んだ
「え、は…?」
顔が赤くなって行くのがわかった、
心臓がバクバクしてる、
「あー、ほんと可愛、」
蘭さんは顔を近づけ、俺のことを抱き締めて優しく口付けをした
「んっ……、/」
ビクッと反応してしまう、
蘭さんはゆっくり口を離し、俺を見詰めた
そうすると部屋に竜胆さんが入ってきた、
「ぁ…、」
やば、見られちゃったっ……
「は、兄ちゃん、……」
絶対喧嘩始まるじゃん…やば……、
「ズルすぎんだけどっ!」
「竜胆もやればいいじゃん?」
「ぇ、あ……」
「春ちゃんおいで〜」
竜胆さんが腕を広げる
俺は竜胆さんに抱きつく
「キスしてい?」
「は、はい…/」
竜胆さんの唇が触れる
蘭さんも竜胆さんも唇が柔らかくて、すごい優しくキスしてくれる、
「あー、ほんとに可愛、てか、こーゆーの初めて?」
とくすりと笑いながら竜胆さんに聞かれる
「はい……\」
そう返すと
「え、じゃあ兄ちゃんがファーストキス?」
「はい……\」
「え、めっちゃ悔しいんだけど、俺が絶対処女取るから、」
「ぇ、え……\」
「竜胆に取らせるわけねーじゃん、春ちゃんの処女、」
「は?」
「あ?やんのか?」
やば、喧嘩しそ…
「ふ、二人とも、一緒にヤりましょ…?/」
何言ってんだ俺はっっ、
「兄貴は上やってね?」
「えー、俺下がいい、」
「春ちゃんのファーストキス奪ったくせに下やりたいとかありえないんだけど?」
「竜胆に下譲る気ねぇからw」
またヒートアップしそうなんだけどっ…
「と、とりあえず、学校行きましょ?」
「そーしよっか、」
竜胆さんが微笑む、
学校に着き、玄関へ行くと、蘭さんと竜胆さんはすぐに女子達に囲まれた、俺はひとりになってしまった。
上履きにはまた画鋲が入っていた。
大丈夫、蘭さんと竜胆さんがいるから…大丈夫……、
教室に入ると、いじめっ子2人に水をかけられた、
せっかく蘭さんから借りたワイシャツなのに…濡れちゃった………、
着替えがなかったのでそのまま席に座った、教室は冷房がきいていて寒かった。
数分すると蘭さんと竜胆さんが教室に入ってきた、びしょ濡れになった俺を見るなり、すぐこちらへ来てくれた。
「三途?大丈夫か?」
蘭さんが声をかけてくれる
「は、はい……、」
「竜胆、保健室連れてってやって、」
「りょーかい、」
俺は竜胆さんに連れられて保健室に行った、
「…もう嫌です、学校、行きたくないです…」
そう竜胆さんに言った、
「大丈夫大丈夫、もうそろこんなことおきなくなるから、」
そう言いながら竜胆さんが体操服を渡してくれた
「これ、どっから取ってきたんですか…?」
「マネキンに着せられてたからそっから取ってきた」
やっぱ頭おかしいわ、でも、そうゆうとこも含めて俺は蘭さんと竜胆さんが好き、
俺は竜胆さんが渡してくれた体操服を着た、
「ありがと。竜胆さん」
そういうと竜胆さんは驚いた顔をしてオレを見詰めた
「え、今竜胆って…」
なんでかわかんないけど竜胆さんは泣きそうになっていた。
竜胆さんの涙は見たくないから、竜胆さんがしてくれたように優しく頭を撫でた。
でも竜胆さんは泣いてしまった。
頭撫でるの、嫌だっかな…?
「ほんと、可愛すぎる……」
竜胆さん、悲しくて泣いてるわけじゃなさそう、
でもとにかく俺は竜胆さんの涙を止めるため、竜胆さんを抱き締める
「春ちゃんが積極的すぎる……、」
俺は優しく竜胆さんの背中を撫でる。
「もう大丈夫だよ、」
そういい竜胆さんは微笑む。
「俺、もう教室戻りますね、蘭さんにシャツ返さなきゃだし、」
「俺も戻るかな、」
俺と竜胆さんが教室に戻ると、蘭さんを囲んでいた女子が竜胆さんの方へ集まってきた。
俺は席につく。
蘭さんと竜胆さん、イケメンすぎて授業になんないんだよな……、
すると女子に話しかけられた、
「ねぇ、さっき竜胆先生と何してたの?」
「ぇ、あ…」
言葉に詰まる、だって抱き合ってただなんて口が裂けても言えないし、
すると女子が
「私の竜胆先生だから、もう竜胆先生に近づかないで?」
いや…そんなこと言われても竜胆さんの家住んでんだけど…
「ちっ…、」
女子は舌打ちをして竜胆さんのところへ行ってしまった。
女子からしたら俺は羨ましいのだろうか、蘭さんと竜胆さんの家に居れて、抱き合ったり、キスしたりするのが、
多分そうなんだろう、
蘭さんと竜胆さんからしたから俺は特別な存在なのかな、
そうであって欲しいな。
そんなことを思っていると、一時限目が終わった、蘭さんと竜胆さんは他の教室で授業するらしい、
蘭さんと竜胆さんが居ないなんて、嫌だな。
蘭さんと竜胆さんは俺の
大切な人だから。
大好きな人だから。
愛している人だから。
俺のことを気にかけてくれる唯一の人だから。
俺に人の暖かさを教えてくれた人だから。
俺は独りじゃないって思わせてくれた人だから。
すごく暖かくて、優しい人
そんな人が居ないと心細くて、なんだか息苦しくなる。
俺の居場所は蘭さんと竜胆さんの隣しかない。
あぁ、早くこんな学校卒業して蘭さんと竜胆さんの隣にずっと居たい。
このあとの授業は身が入らなくて、集中できなかった。
放課後、俺は蘭さんと竜胆さんに旧校舎に呼ばれたので時間の10分前に来て蘭さんと竜胆さんを待っていた。
10分後蘭さんと竜胆さんが来た、
「入って、」
蘭さんが教室の扉を開け、そう告げた、
教室に入り椅子に座る。
すると竜胆さんが
「春ちゃんと帰りたいと思って、でもさ、俺ら一応教師だから仕事あるわけ、だから春ちゃんにも残ってもらおうと思って、」
続けて蘭さんが
「わかんない教科あったら教えるからさ、」
そういい微笑んだ
蘭さんは文系で、竜胆さんは理系らしい。
「じゃあ、お言葉にあまえて」
1時間後
俺は課題を終え、やることがなくなった。
スマホを出しインスタを見てると、
「ねー、春ちゃーん、こっちきてー」
と、蘭さんが腕を広げて言った
俺は蘭さんの膝の上に座る
蘭さんを俺を優しく抱き締めた
「ね、蘭さん、」
そういうと
「なーに?」
と蘭さんが返す
「俺も、蘭さんに抱き着きたい。だから、蘭さんの方向きたい」
すると蘭さんは
「くそ可愛いじゃん、全然いいよ、」
蘭さんが抱き着くのをやめたので、1度立ち上がり、蘭さんの方を向き抱きついた、
「本当可愛、」
そういい蘭さんが頭を撫でてくれる
すごく暖かくて、しなやかで、爪の先まで綺麗に手入れがされている優しい手。
「兄ちゃんだけずるいー、」
そう竜胆さんが言うので、
「あとで竜胆さんのとこも行きますね、」
と微笑んだ
「やったっ、」
竜胆さんは微笑む
蘭さんは俺のことずっと撫でてて、竜胆さんは作業を進めている。
「ね、蘭さん、もう仕事終わったの?」
そう蘭さんに聞くと
「えー、まだだけど?今は休憩〜」
と答える。すると
「ねー、俺んとこも来てよー、」
と竜胆さんが言う、すると蘭さんが
「春ちゃんは俺のだしー、」
と言い、ぎゅっと俺を抱き締める
蘭さんの腕の中はすごく暖かい。
寝てしまいそうだ。
数分立つと俺は寝てしまった。
「あ、春ちゃん寝ちゃった、」
「これじゃ春ちゃん俺んとこ来れないじゃーん、」
「いーじゃん別にーw」
「よくないーっ」
「てか、春ちゃん起きちゃうから静かにしてー、」
「…はいはい、」
数十分後
「ん……、」
目が覚めるともう外は真っ暗になっていた。
俺は蘭さんの腕の中でねむってしまったようだ。
「あ、春ちゃん起きたー?」
「ふぁい…、」
欠伸をしながら気の抜けた声で答える。
「ね、春ちゃーん、俺んとこきてー、」
と竜胆さんに言われたので、俺は
竜胆さんの膝の上に座り、抱きついた
「ほんと春ちゃんって暖かいよね、」
と言いながら竜胆さんは俺の頭を撫でる
竜胆さんの手も、暖かい。
蘭さんと比べると少しゴツゴツしてるけど、ちゃんと手入れがされているすごく優しい手。
さっきまで寝ていたせいなのか、眠気がまた押し寄せてくる。
ゆっくりと目を閉じると、すぐに眠りにつけた。
……ちゃん…
はるちゃんっ、
目を覚ますと
「ほら、帰るよー、」
と竜胆さんに言われた。
スマホを開くともう9時だった。
めっちゃ寝てんじゃん、俺。
なんて思いながら身支度をした。
家につくとさっさとご飯を食べ、風呂に入った。
そんなことをしていると時計はもう11時を回っていた。
俺は寝室へ向かい、ベットの上に寝転がった。
ふかふかのベットはすごく暖かった。
それに、このベットからは蘭さんの匂いがする。
多分蘭さんのベットなのだろう。
蘭さんが来たら退けばいいや、なんて思いながら俺は目を閉じた。
数十分後
「春ちゃん寝ちゃったかな?」
「寝てんじゃん?多分、」
「あ、春ちゃん俺のベットで寝てる、可愛」
「いっつも兄貴ばっかでずるい」
「春ちゃんが俺のこと選んでくれてんだよ」
「はいはい、」
「てかさ、春ちゃんってヤったことあんのかな?」
「ないんじゃね?多分、」
「春ちゃんの処女ほしいなー」
「絶対兄貴はやらねー」
「絶対俺が春ちゃんの処女もらうしー」
「俺が春ちゃんの処女貰うもんっ、」
「お前の処女だって俺が貰ったから春ちゃんのも俺がもらいますー」
なんの話してんだよ、この兄弟は。
話の途中から起きたから、起きるタイミング見失ったんだけど。
取り敢えず寝てるフリしとくか……。
「じゃあさ、今春ちゃんの処女奪っちゃおうよ、」
え、え?
「どうせ兄貴が下やるんでしょ?」
「いや?竜胆が最初やって、終わったら俺がやる」
「え、いいの?」
「うん、」
いやいや、まってよ、俺いいとも嫌とも言ってないんですけど、
まぁ蘭さんと竜胆さんなら別にいいけどさ…
「じゃ、春ちゃん処女なんだから優しくやってやれよー」
そういい蘭さんが出ていった。
死ぬほど緊張すんだけど…
「ん、……」
俺は起きたフリをする。
「あ、春ちゃん、」
竜胆さんが俺の頬を撫でる
「春ちゃん、俺さ、春ちゃんの事好き、」
「ぇ、あ…、」
突然の竜胆さんの言葉に驚いた。
「俺、春ちゃんの事恋愛的な意味で好きだからっ、」
「えっと……、」
「だから、…付き合ってほしいっ…、」
心臓が煩く鳴る
顔が赤くなっていくのがわかる
きっと俺も同じ気持ちだったから心臓が煩く鳴っているのだろう…
俺の気持ち、言っていいのかな……
「俺も……」
「ねぇっ、ヤっていいとは言ったけど付き合っていいなんて言ってないんだけど?」
蘭さんが部屋に入ってくる
「俺も春ちゃんの事好きなんだけど、」
そういい蘭さんが顎クイをする。
「俺は、二人のことが好きです。どっちかが好きとかじゃなくて、二人が好きなんです。」
すると、蘭さんが
「じゃあ俺ら3人で付き合お、」
と言うと、
「いーねっ」
と竜胆さんが言う
「嫌?」
と蘭さんに聞かれ、俺は
「いや、嬉しいですけど…俺なんかで、いいんですか…?」
と答えると
「もちろん、」
そう、快く答えてくれた。
すごく嬉しかった。
そのせいか目から涙が溢れていた。
「ちょ、春ちゃん泣かないでよ〜、」
そういい蘭さんが優しく背中を撫でてくれる。
その日は俺が泣き疲れて寝たためヤりはしなかった。
次の日
朝起きると焼かれたパンのいいにおいが寝室まで漂っていた。
リビングへ行くと、竜胆さんが朝食をテーブルの上に並べていた。
「いっつもご飯作ってくれて、ありがとうございます。」
そう言うと竜胆さんは、
「お礼なんていいからさ、てか、俺と兄ちゃんしか居ないときは敬語使わなくていいよ、俺ら付き合ってるんだし、」
と、微笑んだ。
「でも…」
「いいからっ、」
「えと…」
俺が困っていると
「うわー、竜胆が春ちゃんいじめてるー」
と、蘭さんが言う
「いじめてねぇし、」
と竜胆さん。
すると蘭さんが
「タメで話すの、すぐはできないだろうしゆっくりでいーからね、」
といい微笑む
「は、はい、」
そんなこんなで朝食を食べ、支度をし、蘭さんと、竜胆さんと学校へ行った。
この関係はばれてはいけないから、学校に近づくと離れて歩いた。
学校につくと、なにやら女子が俺を見ながら話をしていた。
俺はいじめられてはいるが、こんなこと一度もなかった。
教室に入り、ふと黒板を見ると2枚の写真が貼ってあった。よくみると俺と蘭さんが抱き合ってる写真と、俺と竜胆さんが抱き合ってる写真だった。
俺は走って教室を出た。
なんでバレてるんだ、
旧校舎には誰も来ないはずなのに。
そして、
蘭さんと竜胆さんの隣に居るのは俺じゃない。きっと、美人な女の人じゃなきゃ認められないだ。と思った。
学校を出た。
心臓が痛い。
ドクドクと脈打つ音が煩く鳴る
俺は、とにかく遠くへ行きたい行きたかった。
蘭視点
今日も学校につくと女子に囲まれる。
校則ギリギリのスカート、少し匂う香水の匂い、女子の甲高い声、
とっくのとおに俺は慣れた。
竜胆も女子に囲まれているようだが、竜胆に話しかけるその声は何か好意とは他のものを感じる。
何か嫌な予感がした。
教室に入ると春ちゃんがいなかった。
昨日綺麗に消した黒板は何かを書いて消した跡がある
咄嗟に俺は
「三途は?」
と周りの女子に聞くと
「さっき学校走って出てってましたよ?」
と返される。
きっと何かあったんだ、
そう思い俺は竜胆に学活やら何やらを任せ学校を出た。俺はとにかく春ちゃんが行きそうなところを探した。
路地裏とか、とにかく暗くて狭いとこを探した
数十分後
居た、春ちゃんだ、
「春ちゃん!」
そう呼びかけると、春ちゃんはこちらを向いた。
目からは大量の涙が溢れ落ちていた。
「どうしたの?春ちゃん、」
そういい春ちゃんの頭を撫でると、
「だめ、だめなの…」
と言いながら俺の手を振り払った。
「どうしちゃったの?春ちゃん、」
すると、春ちゃんが
「俺は、二人と、いちゃだめ、だから…、」
過呼吸気味にそう言った。
取り敢えず落ち着かせるために春ちゃんを優しく抱き締める。
「だめ、だめ……」
泣きながら弱い力で俺から離れようとする。
「大丈夫だよ、」
そう春ちゃんに言い聞かせる。
「大丈夫、大丈夫、」
数分後
「らん、さん……」
「どうしたの?」
「あのね…、」
春ちゃんは今日あったことを言ってくれた。
昨日のことがバレてたこと、
それで、春ちゃんが俺らと居ちゃいけないって思ったことも、
春千夜視点
「そっかそっか、」
「じゃあさ、高校やめちゃおうよ、」
そう蘭さんが言った
「え?」
「そうでもしなきゃ春ちゃんへのいじめ一生治んないでしょ?」
「そうかも、しれないですけど……俺今後どうしたらいいんですか……」
「俺らと一緒にいればいいじゃん?」
「でも…蘭さん達学校で働いてるから、一緒じゃないじゃないですか…」
「じゃーやめるか、」
「辞めたら金入らなくなりますよ?」
「いーの、俺等金なら腐るほどあるから、」
蘭さんはそういい微笑んだ。
本当に大丈夫なのかな…この人達…、
すると、蘭さんが
「はい、これ」
と何かを俺に渡した
感触的に鍵だろうか。
「これで家帰っといて、」
「え?」
「親の都合で転校するとかいって春ちゃん退学させとかなきゃだから、」
「ちょ、待ってくださいよ…」
「なに?」
「高校途中でやめちゃったら、俺働けないじゃないですか…」
「働かなくても生きていける金ならあるし、それに俺等が誰よりも春ちゃんのこと幸せにするから。」
と、微笑んだ
俺、これからどうなるんだろ……
-数年後-
「おい、起きろ蘭、」
そういい俺は足で蘭の身体を揺すった
「あと10分……」
「それ言ってもう2時間経ってんだけど、」
すると蘭が
「昔の優しい春ちゃんはどこ行っちゃったんだよー、」
「だってあんときは蘭と竜胆が反社とか知らなかったもん、」
「かんけーなくねー?」
先程言ったとうり、蘭と竜胆は反社だったのだ。
梵天とか言う日本最大の組織なんだとか、
その梵天に喧嘩売ったやつがあの学校にいるとかいないとかでいわゆる潜入捜査をしていたらしい。
だからこんなに金があるわけだ。
で、いまこちとら俺は反社だ。
前任務についていったとき竜胆に「才能あるじゃん」と言われたのがきっかけだ。
まだ幹部ではないけど、それなりに偉い地位に俺はいる。
「ねー、春ちゃーん、ご飯作ってー」
「作るわけねぇだろバーカ、」
「うわ、夫にそんなこと言うんだ。」
「俺はお前の妻になった覚えねぇ、」
「まーた夫婦喧嘩してんのかよ、」
と、竜胆が部屋に入ってくる
「夫婦じゃねぇし、」
と返すと蘭さんが
「えー、どっからどう見ても夫婦じゃーん?」
「黙れ阿呆が」
「蘭ちゃん傷ついちゃったー」
「しらねーし、」
「蘭ちゃんもーそろそろキレるよ?」
「やってみろよ、」
すると、竜胆さんが
「はいはい、そこまで、」
と、仲裁に入る
「もうそろそろ幹部会だから、行くよ?」
と竜胆さんが言う
反社だし楽な生き方とは言えないけど、でも今のままでいい気がした。
一生この時が続きますように。
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