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文章や口調等、拙い部分が多数見られると思いますが、ご了承ください🙇🏻♀️
やってまいりましたバドエン編。
原作通りです。恐らく。
⚠️
バッドエンドです!!!!
前半はハピエン編と全く同じ内容なので、読まなくても大丈夫かと思います!
地雷の方は自重お願いいたします!
さのじん『その声に魅せられて』
〜Bad End〜
💛side
「す、き……」
「っ、!?」
咄嗟に口元を抑える。
驚いた。まさか、声が出るなんて。
王子も驚いたような顔で俺を見ている。
もう一度、あーと言ってみると、ちゃんと音として耳に入ってくる。
本当に声が出るようになってる…!
…………………って待てよ、?
「キス、、、……!?」
今、俺、王子にキスされたよな!?しかも、口に!!
伏せていた顔を恐る恐るあげると、にんまりと笑う王子と目が合う。
「うん、したね、キス」
王子が自分の唇を舌でちろっと舐める。
月光に照らされるその様子があまりにもイケナイものを見ているようで、再び目を逸らす。
「こっち向いてよ。もう一回しようか?」
俺の顔にかかった髪を耳にかけ、そのまま頬を撫でられる。
その手を掴んで、そっと離れる。
「だめです、そんなこと、」
王子にキスされるのが嫌なわけではい。むしろ嬉しい。しかし、そもそも俺は王子を殺そうとここにやってきたんだから。
王子は拒否されるとは思っていなかったのか、先程と同じくらい驚いた顔をしている。
「王子には婚約者がいるじゃないですか。俺は、もう諦めがつきました」
「嘘だ、俺の事まだ好きなんだろ?」
「………はい、」
「なら、 「でも」
「幸せになって欲しいというのも本心です。お似合いの2人の邪魔なんて、俺には出来ない」
「仁人…」
「俺のことは、もう忘れてください」
「______お幸せに。」
仁人は勇斗王子に笑いかけ、部屋を出ようとしました。
すると、その瞬間、勇斗王子は仁人の体をすっぽりと包み込むように抱きしめました。
「王子…っ、!」
「だめ、行かないで仁人」
なんなんだこの人…!
さっきから「だめ」ばっかり。
いきなり好きとか言って。俺をどうしたいんだよ。
「もう…分からないっ……!!」
絞り出すように叫ぶ。
無言のままの王子の手から抜け出そうと試みるが、ビクともしない。
「…は、離してください」
「嫌だ」
「こんなところ、リンさんに見られたら…」
「大丈夫」
どこからそんな自信が湧いてくるのだろう、王子が俺を抱きしめる力を強める。
「リンさんには恩を感じてるけど、好き、ってわけじゃないんだよね」
「は……それってどういう、、」
「リンさんは、俺の成人祝いでやっていた船上パーティーで転覆して海に沈んだ俺を助けてくれたんだ」
「パーティー……助けた……」
ぶわっと俺が王子に一目惚れしたあの日を思い出す。
ちがう、それは俺だ。俺があなたを助けたんだよ。沈んでるのを見つけて、運んで、髪と服まで乾かした。
勘違いしてるらしい王子にそう言ってやりたいが、それは自分が人魚だと白状するようなもの。
「…仁人?」
無意識的に体が強ばる。
恐らくそれを感知した勇斗王子が俺の顔を心配そうに覗いてきた。
どうしよう。俺、どうすればいいんだ?
勇斗王子のことが好き。俺は実は人魚で、あなたのことを助けたのは自分だと伝えたい。
𓂃𓈒 𓂂𓏸
…………でも。
そんなことを言ってどうなる?
挙式をあげるのは今週末。今更そんなこと言ったって勇斗王子とリンさんを困らせるだけだろう。それに、人魚がまだいると知られたら仲間達が危険な目に遭うかもしれない。
勇斗王子は深夜で少し頭がおかしくなっちゃったんだ。それで俺のことを好きだと勘違いしちゃったんだ。キスまでして。
俺はなにもされてない。
なにも、感じてない、
自分にそう言い聞かせて、胸元で組まれている王子の手をそっと撫でる。
すると、腕の力が緩められた。その隙をついて目の前の扉を開け、出せる精一杯の力で勇斗王子の腕を払い除けて、走る。
「っ!仁人!!」
後ろから王子が叫ぶが、聞こえないフリをして無我夢中で走る。
痛いッ……!
一歩踏み出すごとに、まるでナイフで刺されているような痛みが俺の足を襲う。
じく、ずきっ、
いたい、いたい、っ、…
名前を呼びながら追いかけてくる音が聞こえる。もしかしたら、追いつかれてしまうかもしれない。
そんな心配はある人物によって救われた。
「ちょっとなに…?騒がしいわね…」
王子の婚約者のリンさんだ。
勇斗が大きな声を出すものだから、目が覚めてしまったのだろう。
「あら、あなたは…」
「っは、お、し…あわせ、にっ…!」
「は、?ちょっ、……あ、…勇斗様っ!」
まだ俺がいたことにか、俺の声が出るようになったことにか、どちらかは分からないが驚いた様子の彼女。だが、俺の後ろにいる勇斗王子を見つけると、猫なで声で近づいて行った。
助かった、、そう、助かったんだ。
あの人といる方が勇斗王子にはお似合いだ。
視界がぼやけ、冷たいものが頬をつたる感覚に、自分が泣いているのだと理解する。
「あーあ、ははっ、笑…泣き虫は卒業したはずなんだけどな、」
いつの間にか城の外に出た俺は、後ろを振り向きたくなるのを堪えて、あの浜辺へ再び痛む足を動かし始めた。
🩷side
「勇斗様ぁ〜」
あー!もうこいつッ!
仁人の後ろ姿がだんだん小さくなっているのにも関わらず、俺から離れようとしない婚約者に苛立たちが抑えれない。
「離してくださいッ、見失ってしまう!」
「どうして、あの子にそんなに執着なさるのです?私がいるのに、」
「っ、いいから!!」
「きゃっ!」
思わず握られていた腕を強く振り払ってしまった。その衝撃で婚約者が尻もちを着く。
生まれて初めて、女性を手荒に扱った。
女性には優しくしろと幼い頃から言い聞かされていたのに。やってしまった。
頭のどこかにそんな冷静な自分がいる。
しかし、今俺の感情として出ているものは別で、謝罪も程々に手を差し伸べることもなく、仁人が出ていった方へ全力で走る。
「仁人!!」
城の外へ出て、辺りを見渡すが、もう気配は無い。
仁人が行く可能性があるといえば、
「うみ、!」
思考よりも早く体が動き出す。
俺が奇跡の生還をして、仁人と初めて出会ったあの浜辺へと向かう。
深夜だったが、月明かりがアシストとなり、思っていたよりもすぐに浜辺に辿り着いた。
俺は足を止めることなく、浜辺を走った。
「仁人ー!」
「っくそ、どこだ、!ここじゃないのか?……うわッ!」
足に海藻が絡まってしまい、躓く。
こんな所に海藻なんてあったか?
全っ然取れないし!
手でちぎろうとするが、なぜだかより絡まっていく。
焦燥感で手が震え、堪らず舌を打つ。
すると、どこからかとても綺麗で澄んだ歌声が聞こえてきました。
勇斗王子はハッとして手を止め、耳をすましました。
今まで聞こえていたのと同じ歌声だ、!
でも、この声、どこかで聞いた事あるような…
なんとか足にもつれた海藻を取り除き、歌が聞こえる方へと向かう。
そこには大きな岩があって、その向こう側にいる人が歌っているようだ。
そっと向こう側を見る。そこに居たのは、
「仁人っ…!?」
仁人は俺に気づいていないのか、歌を歌い続けている。
理解が追いつかない。
あのパーティーの時と同じ歌声が仁人から出ている。つまり、あの日あの岩陰にいたのは仁人。ってことは、仁人は、、、
その途端、幼い頃、祖母から聞かされた話を思い出す。
人間に恋をしてしまった人魚は、足を手に入れた代償の呪いのせいで海で泡になって消えてしまうんだよ。
「ダメだ…!そんなの、ダメだ仁人!!」
仁人が一瞬こちらを向き、潤んだ目で笑う。目元が赤い。きっと泣いていたんだ。
もう一度名前を叫ぶ。
すぐ側に行きたいのに、波と岩が邪魔をして行けない。
「仁人!行っちゃダメだ!!じんと!!」
俺の願いも虚しく、仁人は立ち上がると海へゆっくりと足をつけた。
水の中でよく見えないが、キラキラとした泡になっていくように見える。
「じんとぉーっ!!」
💛side
馬鹿だなぁ、俺を追いかけて来ちゃうなんて。ひっそりひとりで消えようと思ったのに。
海に浸した足は思ったより痛みなく消えてゆく。
あー良かった。勇斗王子に汚いところを見せずに、汚い声を聞かせずに済む…。
既に感覚が無くなってしまった足に続き、腰、胸、肩、と海に浸かっていく。
自分でも惚れ惚れするほど月光に照らされてキラキラと美しい泡に変わっていく己の身体。
それでも王子は俺の名前を呼び続ける。もう、取り返しがつかないのに。
あとは頭だけ、というところまで来てだんだん思考にもモヤがかかり始めた。
何を思ってか、ちらりと王子がいる方を見る。
「じんと、っ、…ダメ、あ、…じんと、!」
王子の顔は絶望に染まっていて、腰が引けている。
だから忘れろって言ったのに。
そんな顔されたら、未練が残ってしまうじゃんか。
お別れくらい、ちゃんとしなきゃ、
俺は潮の匂いがする空気を最期に思いっきり吸い込んだ。
「好きだよ、はやと、」
__________ばいばい。
こうして、人間である勇斗王子に恋をしてしまった仁人は、煌めく海の泡となって消えてしまいました。
おしまい。
お読み頂き、ありがとうございました!
そして pin0 さん、リクエストありがとうございました!勝手にEnd2個作っちゃってごめんなさい🙇♀️!!
たくさんの❤︎とコメントもありがとうございました!とても励みになりました!
次は💛さん愛されでも書こうかな、、、🥹
コメント
9件
泣けちゃう…😢 最高すぎました✨ありがとうございました✨
2人の駆け引きがすごく好きです!
号泣です~😭😭