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一つだけでいいからと
拾い上げた宝石は
水滴よりも輝かないまま
第2章を終えたあたりで
ぱきりと砕けてしまった
あの日言ったことが
この日言っていることと
別人になっているか
確かめてみる鼓動
同じものはないと
一つとしてないと
言った日もあったが
一つくらいあった
それが光だった
心だけに宿る
冷たくてかたい
石の光だった
消えちゃ駄目だけど
消えても良かった
残像はもっと
愛しく見えたりする
君は素敵だよ
私に似て
私と光っているよ
宇宙の一部として
終わらない夢のままで
一つだけが良いのだと
抱き締めた宝石で
違うようで同じ
光を何度でも描き
素敵だと何度でも言い
そのうち第3章が始まり
砕けて水滴になる
そうして言葉が続く