目が覚めると見知らぬ場所に居た
ふかふかの大きなベッドの上で身を起こした俺は、二日酔いの頭痛に悩まされながら辺りを見渡した。
ずいぶんと広い寝室のようだ。部屋全体が整理整頓されており、カーテンで閉められた窓の隙間から日光が差し込んでいた。もう朝なのか…
もしかしたら誘拐かもしれないし流石に知らない場所長居するわけにもいかないしと思いこの部屋から出ようと動き出したとき、
「痛゛ッ…!?」
なぜか腰あたりがズキズキと痛む、この部屋から出るどころか歩けさえでき無さそうだ。というか今気づいたがなんで俺裸なんだ?そもそも、昨日の夜から記憶が一切ない。
なんとか昨晩の出来事を思い出そうとするも、酷い頭痛のせいでうまく回らない。飲み過ぎだな…
覚えているのは、マフィオソたちと行ったカジノで三連勝し調子に乗ったまま勢いでアルコール度数の高い酒を何杯か飲んだとこまでか…
となると、酔い潰れた俺をマフィオソ達が介護してくれたかもしくは誰かがそのまま俺を誘拐したかの二択だな。
…俺なんかを誘拐するやつなんているか?だとしたら相当物好きなやつだな、それか、金目当てか?
うーん、思い出したいが思い出したくない。何せ状況が状況だからな。ベッドの上だし、俺全裸だし、なんか腰痛いし。
そう考えていると、部屋のドアがガチャリと開いた。中に入ってきた奴と目が合う。寝間着を纏ったマフィオソだった。片手にはコーヒーを持っている。俺は驚きつつも、普段の引き締まった感じとはガラッと変わり、何処となくリラックスしている雰囲気になんとなくギャップを感じていた。威圧感はまだ残っているが。
「随分と起きるのが遅かったな。もう12時半だぞ」
「もうそんな時間だったのか…てっきり朝かと」
「はは、ぐっすり寝ていたくせに」
昨日とは違い緩んだ表情で話すマフィオソ
…なんだかやけに上機嫌だな?
いつもとは別人のような雰囲気に緊張しつつも、気になっていた事を恐る恐る聞いてみる
「ところで聞きたいことがあるんだが…俺はなぜここにいるんだ?昨日酒を飲みすぎたせいで記憶が曖昧なんだ」
「……昨日のことを覚えていないのか?」
マフィオソの表情が変わった。え、不味かったか!?
「ごめんごめん、昨日めっちゃ飲んだし疲れてたから!何かあったことを教えてくれたら思い出すかもだから!」
必死の機嫌取りをする俺に対し、マフィオソは少々呆れた顔をしつつ
「昨日誘ったのはそっちからだろ…」と小さく呟いた。
会話に間が生まれる。
「え…誘っ…………はっ?」
突如、頭に強い衝撃が走る。
昨日の出来事が次々と思い出されていく。
あ、
あ゛ぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~………
やらかした。
自分の顔が赤くなっていくのを感じる。穴があったら入りたい…
俺は昨晩、酒で気持ちが良くなったせいで口説き文句という余計なことを口走ったのだ。そこからお持ち帰りされ、こいつと夜を過ごし、今の状況に至るわけだ。であれば、ここはマフィオソの寝室ということになる。どうりでベッドがでかい訳だ。
実はと言うと、俺はマフィオソが好きだ。だがその想いを伝えるつもりはこれっぽちもなかった。なのにまさかこんなことになるとは…というかこいつも俺のことが好きなのか?じゃなきゃここまでしないよな?あーでもこれをうまく利用して借金返済を要求することが目的かも知んないしな…
…だめだ、頭が回らん!
考えることをやめた俺は、「とりあえず今日はここに泊まらせてくれ。腰が痛くて動けないんだ」とだけマフィオソに話し、再び寝ることにした。
マフィオソが「分かった」と少し寂しそうな声で返事をしたので少し心臓がきゅ、となった
申し訳なさと誘拐されたわけではなかった安心感と嬉しさと羞恥心が俺の心の中でぐちゃぐちゃになっている、うまく寝付けるだろうか。
気にしても仕方がないと目を閉じようとした時、耳元から柔らかい声で
「おやすみ、愛しているぞ」と聞こえたと思えばドアがガチャリと閉まる音がした
「……こういうとこなんだよな〜…」
静かになった空間で1人つぶやき、自分の激しくなった鼓動だけが部屋中に響いていた。
寝て起きたら、どんな顔をすれば良いのだろうか。
記念すべき初の小説です!文章がありえないほどに拙くなってしまったのでうまく書けたかは怪しいです…
これからは色々なシチュやcpをどんどん書いていこうと思うので応援してくれれば幸いです!🙇
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