テラーノベル
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わたしには幼なじみがいる。そいつは一言でいうと、太陽みたいな人。
明るくて、みんなに優しくて、自分の中に芯をちやんと持ってる。
これはここだけの話だけど、わたしはそんな彼のことを密かに思っているんだ。
でも、なんだか最近、彼に元気がない。
どうしたんだろう?心配になって聞いてみても、何も教えてくれない。
日に日に弱っていく彼。まるで生気を吸い取られたみたいに、どんどん元気が無くなっていく。
心配だなあ。
いつもあんなに明るかったのに
わたしとも沢山話してくれたし、クラスメイトとも仲良くやってた。
みんなに好かれてた。
何か嫌なこと、あったのかな?
ここは幼なじみとして、なんとか彼の元気を取り戻さないと!
それからわたしは彼に毎日話しかけた。
ことある事に彼のそばにいって、慰める。
「大丈夫?」
「何かあったんでしょう?」
「話したら楽になるかもよ」
彼はずっと素っ気なかったけど、気にせず声をかけ続けた。
前の太陽みたいな彼に戻って欲しかった。
だけど、家には絶対に入れてもらえなかった。
昔みたいに一緒にゲームでもして、気を紛らわせれたらって思ったんだけどな。
今の彼にはひとりで考える時間も必要なのかも。
一緒にゲームはできないから、仕方ない。今まで通りたくさん声をかけていこう。
ある日、とうとう限界が来たみたい。
彼は部屋にひきこもり始めた。
一日中泣いている。
もうわたし、見てられないよ。
とうとう玄関のドアを押しのけて、彼の部屋まで飛んでいった。
彼は、酷く怯えた様子だった。
震えが止まらないみたいだ。
可哀想に、わたしが力になるからね。
彼の手を握ろうとした、その時。
握れない。
彼の手が握れない。
握れないどころか、触れすらしない。
わたしの手は彼の手をすり抜けて、
あれ?
なんで?
何回も
何かいも
なんかいも
すり抜ける。
触れない。
嫌だ、触れないなんて
彼に触れられない。
嫌だ
いやだ
嫌だ
ずっと混乱している。
頭の整理がつかない。
そんな時、
「もう、やめてくれ…」
蚊の鳴くような声で、彼はそう言った。
ああ、そっか、わたし
貴方をここまで追い込んだのは、わたし
わたしだったんだ。
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