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ないしょの話

第1話 - I'll keep you forever .

2025年06月12日

#stpl

#stxl

#赤水

🥀

※

赤 × 水です。

R なし

赤さん　25 歳

水さん　8歳

あの子の居場所は “ こっちじゃない “

そんなことわかってるけど、

それでも、一緒にいたいから。

ー　水 side　ー

こえ裙はいつも忙しそうで、

全く知らない人でも、誰かが近くにいる時に話しかけると怒られちゃう。

しかも、こえ裙以外は皆んなれるのことを無視してくるから、

その間はずっと独りぼっち。

今日もこえ裙はお仕事で話しかけられないから、1人お家でお留守番。

何回かこえ裙のお友達が来て声をかけてみたけど、やっぱり無視される。

いつになったら話してもらえるんやろ、とか思いながら

迷惑にならないようにそっと部屋に戻る。

少し横になっていると、いつの間にか寝ていたみたいで、

窓を覗くとさっきまで明るかったはずの外はすっかり暗くなっていた。

「ただいまー」と言う高い声が聞こえて急足で下に降りる。

リビングに行くとやっぱりこえ裙が帰ってきていた。

赤「れる、いい子にしてた？」

水「うんっ」

赤「ならよかった。」

ー　赤 side　ー

仕事が終わって足早に帰宅すると、いつもなら座って待ってるあの子がいなくて、

少し大きめにただいまと言うと2階から足音がした。

疲れて寝てたのかなーなんて考えながら上着を片付ける。

少ししてかられるが降りてきて、

「いい子にしてた？」と聞くと、撫でてとでも言わんばかりに目を輝かせながら頷いた。

… 犬なのかな。

撫るのは今度ね。と言うと少し不機嫌そうにそっぽを向く。

そんなところが可愛くて、つい意地悪をしたくなる。

赤「夜なんか食べたいのある？」

水『んー、なんでも … あるもの食べる、』

赤「 1番困る … 」

「あ、今日くにお来た？」

水『来てたで？』

赤「じゃあなんか作って行ってくれたかな、」

くにおとは幼馴染で、保育園の頃から仲が良かった。

最近は俺の仕事が終わるのが遅くて週に何回かご飯を作りに来てくれる。

もちろん何かあった時ように合鍵は渡しているので、

不法侵入とかそう言うのでは全くない。

冷蔵庫を覗くと中に色々入っていて、それを温めて食べる。

れるはいつも食べ終わると寝ちゃうから、先にお風呂に入ってもらう。

れるがお風呂に入っている間に掃除機をかけたり、

大きい音がなってしまうことは終わらせる。

起こしちゃうのは可哀想だからね。

水『ちむーっ、』

『ぱじゃま忘れた、』

赤「今持ってくからちょっと待って。」

水『ん、はーい、』

急足で部屋に行き、れるのぱじゃまを持っていく。

最近は相部屋が続いていて、れるの部屋に入るのはれるの服を取りに行ったりするくらい。

やっぱり部屋はいらなかったかなとか思いつつ、れるにぱじゃまを届けて部屋を掃除しに戻る。

久々に掃除するれるの部屋にはやっぱり埃がたくさん落ちていて、かなり時間がかかりそうだった。

水『こえくーん？』

赤「あ、ごめんね、今行く！」

れるに呼ばれて下に降りると、

れるが今にも泣きそうな顔をしていた。

赤「ぁぇっ？！」

「ごめんね、寂しかった？」

そう言って優しく抱きしめる。

疲労のせいかあまり触れている感覚はないけれど、

れるが泣いているのは伝わってきた。

赤「ごめんね、っ」

水『んーんっ大丈夫、』

『ただそのっ、』

赤「 … 噛まれちゃった、？」

静かに頷くれるの腕を見ると、かなり強めに噛まれた跡があった。

れると僕には本来であれば見えないような、“ この世のものではないモノ “ が視える。

こちらが視えると言うことはあちらからも視える。

こちらからは無理でも、あちらからは触れることができる。

だから、噛まれることもよくある。れるみたいな子供は特に。

赤「ねぇ、れる。」

水『なに、っ？』

赤「 … ごめん、なんでもない。」

「ご飯食べよっか。」

水『 … うん、』

ご飯を食べ終わって、れるが寝た後にくにおに電話をかけた。

幸い、くにおはすぐ出てくれて、少しだけ相談に乗ってもらった。

赤「ねぇ、くにお、」

「俺、っもうどうしたらいいか … 」

橙「 … 俺には見えないけど、れるちのオーラ、消えかけてたんだよね。」

「もしかしたら、今週中にはもう … 」

赤「嫌っだめっ！！」

橙「ちょ、ちむ、落ち着いて、」

「れるち起きちゃうよ？」

赤「 …… ごめん。」

橙「 … こんなこと言うのも、酷だけど、」

「少なくても、今月中にはれるち　、消えちゃうよ。」

くにおのその一言をどうしても受け止めきれなくて、

黙ってそのまま電話を切ってしまった。

れるに伝えるべきなのか、いついなくなってしまうのか、

色々考えすぎて、仕事にも支障が出始めた。

何日か悩んで、ようやく答えを出した。

今日、れるに伝えよう。

水『 … こえ裙、』

赤「れる、あのねっ」

「ぇっと、っ」

水『 … どうしたの、？』

『ぁ、ぇこえ裙っ？！』

気づけば自分の仕事道具であり、お守りでもある “ 刀 “ を手に持って、自分で命を絶っていた。

れるは目の前でそれを見ていたからか僕との約束を破って色々なところに電話をかけているようだった。

何分かしてからくにおが来ていたけど、なにを話していたかは覚えていない。

くにおに散々言われたみたいだけど、そんなことはどうだっていい。

俺はただ、れると一緒にいたいだけ。れると一緒にいられるならなんだってするよ。

自分が血で真っ赤になるのも構わずに、俺の傷口を一生懸命塞ごうとしてくれる。

そんなところも可愛くて、でもどこか悲しくて。

きっともう、 “ こえとして “ 触れられるのはこれが最期だろうな。

なんて思いながら、優しくれるの頭を撫でる。

赤「泣かない、の？笑』

水『だってぇ、っ』

赤「ぃ、いよ、』

『いっぱい、泣きな？笑」

無責任なことしか言えないけど、これからはずーっと一緒だからね。

結局伝えられなかったけど、これでよかったと思う。知らない方が、れるも幸せだと思うし。それに、

嫌でももうすぐ知ることになるから。

本当は、最後まで知らないままでいて欲しかったけどね。

全部知ることはできないと思うけど、ほんの少しだけ。

まぁ、ずーっと一緒だから関係ないけどね ♡

生きてるか死んでるかんて関係ない。

一緒にいられるだけでいいから。

僕の居場所は “ こっちじゃない “

そんなことわかってるけど、

それでも、一緒にいたいから。

ごめんね、こんな決断しかできなくて。

少しだけ、1人になっちゃうけど、待ってて。

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