矢倉「よーし、1限はこれで終わりだ。2限の準備しとけよー」
矢倉は教室から出て行った。
蒼生「ところで咲良、お前どうしたんだ?」
咲良「ん?なにが?」
蒼生「お前体調悪いだろ」
咲良「いやいや、ピチピチの元気もりもりなんだけどやめてよー」
蒼生「そうなのか。」
奏叶「なあ、2限ってなんの授業だ?」
咲良「ああ、確か地理だった気がするわ」
奏叶「ああ、地理か。助かる」
咲良「うん」
蒼生「地理か。めんどくさいな」
咲良「何を呑気にめんどくさいだとか、まったくもう」
蒼生「すまん」
佐原「地理の時間だ、用意しろ」
花奈「起立、お願いします、着席」
佐原「地理の担当をする佐原(さはら)だ。今回は自然環境についてやっていこうか」
正樹「だりー。」
優依「早くお昼にならないかなー」
佐原「ここがこうで・・・・こうだ。・・・・」
ホワイトボードに長文をつらつらと書き続けながら喋る佐原。
あっという間に時間が過ぎ3限の物理、4限の美術と授業が進められ昼休憩となった。
蒼生「やっと昼か。パンでも買いに行くか」
蒼生は教室から出て、すぐ横の階段を降りまっすぐ進むと購買があるのでそこへ向かった。
人だかりが凄く、とても混んでいる。
蒼生「もっと早く来ればよかった。遅すぎたか。」
翔「あれ?蒼生じゃん!なに、飯買いに来たの?」
蒼生「ああ、まあな」
翔「チキンバーガーはもう全部売れちまったぞ」
蒼生「まじか…」
翔「俺ふたつ買ったけど、食う?」
蒼生「いいのか?」
翔「金はよこせよー」
蒼生「分かってるって、ほれ」
翔「さんきゅー!」
蒼生「ありがとな」
女子生徒「きゃあああー!」
廊下の奥から突然悲鳴が聞こえた 。
蒼生「なんだ?何が起こった」
翔「お、おいあっちだ行ってみよう」
蒼生「だな」
蒼生と翔は走って声のした廊下の奥の方へ走った。
そこで2人はとんでもない光景を目の当たりにする。
女子生徒「ち、血が…すごい量で…止まらない…。だれか!誰か助けて!!」
蒼生「どうしたんだ!」
翔「お、おい!大丈夫か?!」
女子生徒「あ、あの、人が倒れてて、息してるか分からなくて…」
蒼生「ちょっと見せてく…れ…。さ、咲良?」
翔「し、知り合いか?」
蒼生「ああ。同じクラスの神崎咲良だ。とりあえず先生と救急車を呼ぼう」
翔「そ、そうだな!任せろ」
女子生徒「あ、ありがとう。」
そこで見たものとは口から大量に血を吹き出し倒れていた咲良が居た。
佐原「お前たち、よくやった。遅かったら危険だっただろう。」
蒼生「あいつなんか隠してます?」
佐原「さあな。それは担任にしか分からないだろう。だがあそこまで大量な血を吹き出してるとなるとかなり重症だろう。原因は分からないが祈るしかない。」
翔「あの子、死なないよね?」
蒼生「分からない。見舞いに行くことしか出来ないだろ。」
翔「そ、そうだよな。放課後行ってみないか?」
蒼生「そうだな。」
昼休憩が終わり、5限が始まろうとしていた。
奏叶「咲良、居ないね。」
蒼生「みたいだな」
奏叶「もしかして昼で騒ぎがあったけど、それと関係してる?」
蒼生「さあな、分からない」
奏叶「血だらけで倒れていた人がいたって誰かが言ってたけど、大丈夫なんだろうな」
蒼生「分からない」
奏叶「そうか。やけに冷たいな、どうしたんだよ」
蒼生「そうでもない、普通だ」
山本「5限の準備をしろー、始めるぞー」
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