テラーノベル
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────不意に意識が浮上した。
どうやら僕は眠っていたらしい。
見慣れない天井が視界に映る。ここはどこだろう。気になるものの、起きたばかりの体はひどく重く、すぐに動く気にはなれなかった。
ただ一つ確かなのは、ここが僕の家ではないということだ。
ぼんやりとしていた意識が少しずつ鮮明になり、それと同時に、この部屋に見覚えがあることに気づく。
──雲雀の家だ。
そして今、僕が寝かされているのは……ベッド。
ふと疑問が頭をよぎる。
……じゃあ、雲雀はどこで寝ているんだ?
その考えが脳裏を駆け抜けた瞬間、反射的に体を起こした。
「……っ、いったぁ……」
起き上がった途端、全身を鋭い痛みが駆け巡る。思わず顔をしかめながら、自分の体へ視線を落とした。
そこには、全裸の自分の体にあちこちに生々しい痣が残っていた。
その光景を目にしただけで、昨夜の出来事を嫌でも思い出してしまう。
胸の奥が、じわりと重く沈んだ。
──あぁ、また雲雀と関係を持ってしまったんだ。
「奏斗、久しぶりに二人だけで宅飲みせん?」
相方の渡会雲雀が、いつもの調子で声をかけてきた。
今のところ予定はない。つまり断る理由もない。
それでも頭の中では、「やめておけ」と警鐘が鳴り続けていた。
「……たぶん、用事はないから大丈夫かな」
曖昧に返事をしながらも、心の中では「断れ」と何度も自分に言い聞かせる。
「おっけぃ! じゃあ今日の二十時からでええ?」
肯定も否定もしていないつもりだった。けれど、雲雀には了承したものとして伝わってしまったらしい。
訂正するタイミングを逃し、僕は小さく息をつく。
「うん……大丈夫。雲雀の家でいい?」
「おん、大丈夫!また何かあったら連絡するわ〜!」
「分かった」
雲雀が去っていくのを見届けると、僕は深いため息を漏らした。
最近の僕と雲雀は、友人とも恋人とも呼べない曖昧な関係になってしまっている。まぁ、世間で言うセフレ?のような関係だ。
その始まりは、少し前の出来事だった。
簡単にまとめるとこうだ。
①雲雀が僕に想いを伝えてくれた。
②けれど僕は、雲雀を大切な仲間としてしか見られず、その気持ちを受け入れられなかった。
③その日の宅飲みで互いに感情が溢れ、冷静さを失った結果、今の曖昧な関係が始まってしまった。
あれ以来、終わらせようと思うたびに終わらせられず、気づけば同じことを何度も繰り返している。
だけど断ろうとする度にあの日の雲雀の顔を思い出して断れずにいてる。
だってあんな顔されたら、させちゃったら…僕は頭を縦に動かすことしかできない。
「奏斗、…」
雲雀が僕の名前を呼ぶ。色っぽい視線で僕の身体中を見てくる。雲雀が僕を求めて手を重ねて、覆い被さる。もうここまできたら僕の選択肢はひとつに絞られる。
「…いいよ、雲雀…」
その誘いに乗り承諾すれば、雲雀が僕の頬に両手を置き、遠慮なく口の中に舌が侵入してくる。
「…ンッ、ハァ…ファ…」
もう先程の雲雀の姿はなく、今はただ理性を失った猛獣の目をしている。しかも熱を帯びているというオプション付きで。
僕ただこの行為に否定する気にもなれない。それでいて肯定する気にもなれない。
ただ雲雀に任せて快楽に陥ってるだけ。
ここ最近恋愛とは別の意味で雲雀のことがずっと頭にいる。季節の変わり目のせいなのか雲雀のせいなのか偏頭痛が酷い。
不意に雲雀の手が僕の頭を抱擁する。おそらく本人は無意識だろう。
『奏斗、奏斗、奏斗』と雲雀が実際には口にしていないのに頭に響いてくる。
そろそろ息がもたない。そのことを伝えるために自身の手に置かれてる両手に手を重ねる。何回も体を重ねた、そのおかげでこの合図は伝わった。
最後に糸で互いを繋げて、目を合わせる。
「奏斗、俺もう我慢できねぇや」
僕が返事する前に雲雀が2度目のキスをしてきた。それは、あまりにも濃厚な接触で僕のがそれを象徴していた。
「…んぅ…//アァッ」
いつ間にか僕のズボンと下着は脱がせれていて、20歳男性にしてはかなり恥ずかしい状態になった。それを見て雲雀はあまりにも大きいテントを張っていた。僕も雲雀のを見てこれからくる快楽に備える。
「奏斗指、挿れるな?」
「んッ、はぅ♡、んん”…」
下の口に雲雀の華奢な手が入ってくる。そもそもヤったのが昨日ぶりだからいい具合に反応してしまう。思わず腰が抜けかける。腰が抜けないように正面から雲雀の肩に両腕を回す。仕方がないとは言え人の耳元で喘ぐなんで羞恥心でしかない。
「かーわい奏斗♡昨日もヤったしこんなもんでいいよな?」
「え待って!!!ひばっ!あぁンッ♡はぅッ……♡おっきぃよぉ…♡」
「はは、w奏斗ガバガバやん♡これなら最初から慣らさんくて良かったかもな」
雲雀がずっと挿れた状態のまま僕に話しかけてくる。そのせいでイキたいのに寸止めさせているみたいで、少し苦しい。
「雲雀ぃ…動かしてよっ僕イケない…//」
「言われなくても…なッ!!」
雲雀が言い切る前に僕の奥に突いてきた。
「あ”ッ♡」
「ちょ、奏斗締めんなって!俺まだヤリたいんだから!」
しばらくの間、僕の尻と雲雀の肌が接触する音が部屋に鳴り響く。
「あっあっあっ♡はぅ…//」
雲雀は無言でそれなのに僕はキモチイのが止まらなくて、声をもらしてしまう。僕のソレはとうの昔に果たしたのに、雲雀はまだ果たしてない。
恥ずかしくてしょうがない。だけど今はそんなことを考えてる場合ではない。
「雲雀ぃ♡ぼっくッ♡んはっ♡もうイったからぁ♡動くのやめてぇ//」
「やだ」
イった余韻で疲れがきたのに雲雀がこれでもというばかりに動いている。ずっとキモチイが止まらなくてナカがずっとキュンキュンしている。
「俺まだイケてないからさぁ奏斗、もうちょっと付き合ってくれるよな?♡」
雲雀が僕の両腕を引っ張り体重をのせてくる。そのせいで通常よりも奥をソレが入ってくる。
ぐぽっ
人間から出ていいから出てはいけない音が、僕のナカから出てきた。
「あぁっあ゙♡♡」
太くて長くて硬いのが最深まできて新たな快楽を覚えてしまう。段々と求めている快楽が大きくなってる。
──雲雀とこの関係を辞めなきゃなのに。
それでも、
「ひばっ♡なんかでちゃう♡とまっれ!♡♡」
僕のそれが精子じゃないなにかを出した。
「あぁ、奏斗遂に潮吹いたな♡」
「これじゃあ女の子と変わらんな?」
最初はお尻も何もかも痛くて男の尊厳として毎日死にたくてしょうがなかった。けど、段々とそれが快感に変わって。後に後ろでしかイケなくなって。だからって玩具やおじさんに相手してもらうのは少し気が引けて。
「奏斗ッ、出すぞ?」
雲雀が不意に声をあげた。あれ雲雀ってゴムしてたっけ?ゴムしてないと後でお腹痛くなるんだよな。そんなことはずっと前から分かっているけど、
「ひばの、僕の中に出してぇ♡?」
「お望み通りッ♡」
言い切る前にいきなり最深部まで突き出してきた。快楽に反応して背中が反ってしまう。最深部で雲雀が出してきた。ナカがずっと温かい。
そこで僕の意識は途絶えた。
「あれ奏斗?」
愛しい人の名前を呼ぶ。返事が来ない。気絶してしまったのだろう。
「あちゃー寝ちまったか!」
誰も返事をしてくれないのに咄嗟に独り言を呟く。奏斗から俺の陰茎を生々しい音を立てながら抜き出す。そうすると奏斗の穴がガッポリ空いていて。それは俺の独占欲を露わにしていた。
俺は奏斗が好きだ。だけど現実はそう上手くできてなくて。
奏斗の恋愛対象は当たり前のように異性愛者。奏斗の瞳には俺はいなくてそれが1番悔しかった。
ある日2人で宅飲みをした日だった。好きなやつと家で2人きりなんて今思えば、ボロを出すようなものと同じだった。まぁ、実際ボロは出したのだが。
案の定奏斗は冗談だと思って最初は笑っていて、助かったと思った。
だけど煽るように『僕のことえっちな目で見てんの?変態!』と言ってきて。
アルコールのせいか、今までの欲求の積み重ねのせいか、はたまた双方かそれで勢いあまって抱いてしまった。
奏斗は最初いたいいたいと叫んで泣いていたが、時間をかけて抱いたらだんだんと叫ぶどころか喘いでいて。
その奏斗の様子を見て、俺はつい調子にのって朝方まで夢中で突きあってしまった。
お互いに酔いは覚めてたのだろう。お酒のせいにして明日には忘れたふりでもして元の相棒に戻ろうとしていた。
それでも脳裏に浮かぶ奏斗の顔、声、身体、反応、全てが理性ある思考を停止させていた。
やっぱり我慢できない。
それからというもの奏斗を週4で抱いている。最初は絶望したような顔で泣いていたが、今はこの通りだ。俺のを自分のナカに出してって、遂に奏斗が俺に堕ちかけている。その事実だけでも興奮してくる。
奏斗、俺は諦めわりーからな。ぜってぇ逃がさねえ。
脳内で愛しい人に宣言しながら起こさないように頭を撫でた。
────Fin
コメント
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読了したわ。初っ端から重い空気と生々しい描写で引き込まれた。相方の雲雀に「セフレ」関係を強要されてる奏斗の、諦めと快楽の狭間で揺れる心情が痛いほど伝わってきた。特に「辞めなきゃなのに」って頭で分かってるのに体が反応しちゃうもどかしさがリアル。雲雀視点のラストで「諦めわりーからな」って狂気じみた執着を見せるのも怖くて熱い。続きが気になる!
#hbkn
はぐ
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