テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
今年の夏休みは、お母さんが兄妹でおばあちゃんちに集まるというので着いて行くことにした。
おじさん、おばさんが集まるならいとこも一緒に来ると思う。
昔はいとこが集まったらみんなで公園で鬼ごっこをしたり遊具で遊んだけど、みんな大きくなるとあまり付き合ってくれなくなった。
僕はいとこの中では一番年下で、ちょっと前まではまだまだ公園で遊びたかったけど、最後まで付き合ってくれたのは孝介くんだけだった。
だから僕は遊んでくれる孝介くんが好きで、いつもくっついていた。
まぁそんな僕も中学一年生になったし、もう部屋でテレビを観ながらトランプとかお話だけでも、つまらないなんて言わないけどね。多分。
この日集まったいとこは5人だった。
今年、大学受験があるという高校三年生の洋一くんは塾の夏期講習があるそうで来なかった。
その洋一くんを置いてきてるので、おじさんたちは今日は泊まらずに帰るって。
ここ何年かは洋一くん、久美ちゃん、惠子ちゃんは習い事とかで来なかったり、来ても泊まらずに帰ることが多くなっていた。忙しいと大変なんだな。
うちも来年はお姉ちゃんが受験生になるから、泊まったり出来なくなるかもな…
あっ孝介くん!
「何持ってきたの?ゲーム?」
「うん、ゲームボ…携帯ゲーム機。やる?」
「やってみたい!」
うちのゲームはテレビにつなぐやつで、こういうのは友達にやらしてもらったことはあったけど持ってない。
僕と孝介くんがゲームを始めると、お姉ちゃんと久美ちゃん、惠子ちゃんは三人で並んでソファーに座りなんだか話をしてる。好きなジャニ…アイドル?とか聞こえる。
外は暑いし、公園だってもう僕が行こうと言わなければ行くこともないよな。
夕方になって暑さが減ったら裏庭の池に足だけ浸けに行かない?って言ってみようかな?
孝介くんはゲームカセットをいっぱい持って来てたからつい夢中になってしまった。
「そろそろ帰るよ」え、おじさん!?
「もう?まだまだ話足りないのに~」
「お兄ちゃん帰って来ちゃうから」
「お兄、鍵持ってるでしょ?」
「そういうわけにもいかないから…」
おじさんちはちょっと遠いから帰るのに時間がかかるって言ってたもんな。
そして、夕方になる前に2人も帰ってしまった。
またこの3人だ。それでも孝介くんがいるだけましか…孝介くんもいなかったらお姉ちゃんと2人で、うちにいるのと変わらないからな。
話し相手が帰っちゃったお姉ちゃんがこっちに来る。
「何してるの?」
「ゲーム貸してもらってるの」
「孝介はそれで面白いの?」
あ、そっか…僕ばっかりやってた…
「別にいいよ」優しい!
「ごめん孝介くん、楽し過ぎて…」
「これからおばあちゃんち来る時は持ってくるね」
「やった!じゃなかった。僕、裏庭の池に入りたかったのに忘れてた!」
「あはは、じゃあゲームはこれくらいにして裏庭に行ってみようか」
「あたしも行く」
話し相手がいなくなったお姉ちゃんも入れて、三人で玄関に向かう。
引き戸を開けると、むわっとした暑さがまとわりつくように押し寄せる。
暑い…でも、だからこそ池に足でも入れたら涼しくなるだろうな。
コメント
1件
みぅです🤍 第6話、読み終わりました。 おばあちゃんちの夏休み、すごく空気感が伝わってきた…。いとこ同士の距離感とか、大きくなると自然と集まらなくなる寂しさが、主人公くんの視線から丁寧に描かれてて、胸がじんわりしたよ。特に、ゲームに夢中になって「ごめん」って言うシーンがかわいくて、孝介くんの優しさにほっこり☺️ 最後の3人で裏庭へ向かう流れ、続きがすごく気になる…!