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𝓮𝓷𝓭 ▹▸ 𝓗𝓪𝓹𝓹𝔂𝓮𝓷𝓭
𝓝𝓾𝓶𝓫𝓮𝓻 𝓸𝓯 𝓬𝓱𝓪𝓻𝓪𝓬𝓽𝓮𝓿𝓼 ▹▸ 3005 .
※この小説はフィクションです。
本人様とは関係ございません。
夜 の 道 を
俺 は 無我夢中 で
裸足 の まま 走って いた 。
雨上がり の アスファルト が
足 の 裏 を 刺す よう に 痛い 。
でも 止まれば
また 腕 を 掴まれる 気 が して
走る しか なかった 。
胸 の 奥 が ひどく ざわつく 。
怒鳴り声
壁 に 物 が 当たる 音
乱暴 に 掴まれた 手首 の 感覚 。
全部 全部 離れて くれない 。
桃) … ごめん … … ごめんなさい ッ …
何度 も 謝らされてきた 癖 が 抜けなくて
逃げている 今 で すら
口 に つぶやいて しまう 。
ふらつき ながら 辿り 着いた 公園 で
俺 は ベンチ に 座り 込んだ 。
濡れた 服 が 体温 を 奪って いく 。
桃) … もぉ ッ やだ よ ッ 、 、
涙 が 止まらない まま
膝 を 抱えて 小さく 丸く なる 。
あの 日常 に 戻る の だけ は
絶対 に 嫌 だ っ た 。
空 が わずか に 白く なった 頃
俺 に 足音 が ゆっくり と 近づいた 。
青) … … ないこ ?
その 声 が 胸 に 突き 刺さる 。
懐かしくて
優しくて
でも 今 の 自分 には 眩し すぎる 声 。
俺 は 肩 を 震わ せた 。
桃) … … まろ 、[ 顔 上
青) どうしたん ? 何 が あったん 、
桃) やッ 、なんもッ 、 、、[ 鼻 啜
青) なん も 無い 訳 ない やろ ~
青) 今 の 彼氏 は 、 ?
桃) あッ 、え ッ と 、 その … 、 、
青) あ “ ー 、 理解
青) ん ー 、 されて 嫌な事 って か 、
青) 怖くなっちゃったん やんな 、 ?
青) その 、 、 人 と
桃) [ 頷
桃) 人 に 触れられるの
桃) 怖く なっちゃって 、
青) しんど かった ん やな
その 声 は 変わら なかった 。
優しくて 落ち着かせて くれる 響き 。
俺 は 堪えきれず 顔 を 伏せ
肩 を 震わせて 泣いて しまった 。
青) 触らへんから
青) ないこ が 落ち着く まで
青) ここ に 居らせて 、
ゆっくり と 呼吸 を 整える 時間 を
彼 は 黙って 待って くれた 。
彼 の 家 に 向かう 時 も
まろ は 一切 手 を 触れな かった 。
ただ 一定 の 距離 を 保ちながら
歩幅 を 合わせて くれる 。
それ だけ で 俺 の 胸 の ざわつき が
少し 静まった 気 が した 。
家 に 着く と
あの 懐かしい 匂い が 迎えて くれた 。
と 同時 に 罪悪感 が 湧いてきた 。
桃) 迷惑 掛けたい 訳 じゃ ないのに … 、、
青) 迷惑 ちゃう よ
青) ないこ を こんな 状態 で 彼氏 の 元 に
青) 返したく あらへん 、
青) ないこ の 親友 として
青) ないこ を 守らせて ?
その 言葉 が 俺 の 胸 に 刺さった 。
まろ と 数分 話して いると
俺 も 自分 の 話 を 少しずつ 持ち出した。
どれだけ 機嫌 を 伺っても
怒鳴られた こと 。
外出 を 嫌がられ
友達 の 連絡 まで 制限 された こと 。
腕 を 乱暴 に 引っ張られた 痛み が
ずっと 消えなかった こと 。
話す ほど 胸 が 苦しく なる のに
まろ の 顔 は 怒る でも 泣く でも なく
ただ 静か に 受け止めて くれた 。
青) … … つらかったな ないこ 。
青) よう頑張った
その 一言 で
俺 は 息 を 詰まらせて 泣いた 。
数日後
元彼 の 姿 らしい 影 を
公園 で 見かけた 。
桃) やだ やだ やだ 、 、
桃) もう 戻りたくない 、
桃) ずっと まろ の 傍 に 居たい … [ 泣
青) ないこ [ 悲 顔 浮
彼 は そっと 手 を 伸ばした 。
何か に 触れよう と して
ほんの 指先 が 空気 を 撫でる 。
けれど 俺 の 身体 が
反射的 に 強張った のを 見て
まろ は その 手 を すっと 止め
静か に 引っ込めた 。
青) やっぱり 怖いよな 、
青) ごめんな 、
青) ほんと は 背中 くらい
青) さすってやりたいんやけど、
俺 は 唇 を 震わせ 、
今 でる 精一杯 で 気持ち を 伝えた 。
桃) まろ に 触られる のが
桃) 嫌 なん じゃない … 、
桃) でも 怖い のは
桃) 俺が 、 、 怖がってる 自分 が ッ
青) 無理 に 乗り越えんで ええよ
青) ゆっくり で いい から
まろ の 声 は
ずっと 変わらず 穏やか だった 。
俺 は 深く 震える 息 を 吐いて
小さく 頷いた 。
その 日 は 一緒 に 警察 へ 行き
保護 の 手続き を した 。
まろ が 隣 に いる だけ で
逃げず に 向き合えた 。
その 帰り道 。
夕方 の 柔らかな 光 の 下
俺 は 横 で 立ち 止まった 。
青) … … ないこ
青) ほんま に よく 頑張った 。
そう 言って 俺 は
ゆっくり 片手 を 伸ばした 。
ないこ の 肩 に 触れよう と する 。
でも 数センチ 手前 で
また 躊躇 する 。
触れたい 気持ち と
怖がらせたくない 気持ち が
綱引き している よう だった 。
ないこ が 俺 に 気づき 、
俺 の 手 を 見つめる 。
気が付けば ないこ の 指先 が
俺 の 手 に 触れて いた 。
次 の 瞬間
ないこ は 「 怖くない 」 と 思った のか
俺 の 手 を しっかり と 掴んでいた 。
青) … … ないこ 、
桃) へへ 、 …
桃) まろ の 手 怖くないよ
俺 は 掴み 返さなかった 。
ないこ が 自分 の 力 で 掴んだ
その 手 を 尊重 する よう に 。
青) そっか 、
青) 離したくなる まで
青) ずっと 掴んでて ええよ
青) 俺 は ここ に おる から
ないこ は 涙 を 浮かべ ながら 笑った 。
桃) … … ありがと … … まろ 、
夕焼け の 光 が 俺たち 2人 を 包み
自由 へ と 解き放たれた 時間 だった 。
𝓮𝓷𝓭 _______