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「おはよう瑞希!!」
朝の教室。俺は元気よく瑞希の席に近づいた。昨日のランチタイムは散々だったが、俺はそんなことで諦める男じゃない。
「……はぁ」
瑞希は俺の顔を見るなり、疲れたようにため息をついた。
「ねぇ、翔。そろそろ諦めたら?」
「なんでだよ!? 俺、まだ告白もしてねぇのに!」
「もう答え見えてるでしょ」
「いやいや、人の気持ちは日々変わるもんだぜ? 俺の魅力に気づく日が来るかも――」
「ない」
「即答すんな!!」
「てかさ、他の子にも告ってるくせに、なんで私なの?」
「そりゃ、お前が一番可愛いからだろ?」
「……」
瑞希がピタッと動きを止めた。
おっ!? これはちょっと照れてる!? さすがにストレートに言われると意識しちゃう!?
「……はいはい、お世辞お疲れ」
「いや、お世辞じゃねぇし!」
「翔の言葉に説得力ないんだよね」
「えぇ~!? なんで!?」
「いろんな子に好きって言ってる男が言う“可愛い”なんて、価値ないでしょ?」
「ぐっ……」
確かに、俺はこれまで何人かの女子に告白してきた。でも、今は違うんだ! 俺は本気で瑞希が――
「おーい翔! また瑞希にフラれてんの?」
いきなり肩を叩かれた。振り向くと、そこには彩葉が立っていた。
「フラれてねぇよ! まだアタック中だ!」
「へぇ~、よくやるね~」
彩葉はニヤニヤしながら俺と瑞希を交互に見つめる。
「そんなに瑞希が好きなら、そろそろちゃんと告白したら?」
「……え?」
「今の翔ってさ、“なんとなく”好きって感じじゃん? 本気なら、ちゃんと言わなきゃ伝わんないんじゃない?」
「……」
たしかに、俺は今まで「好き」って言いながらも、どこか軽い感じだったのかもしれない。
でも、本気で想いを伝えたら――瑞希は俺を見てくれるのか?
「……いいね。じゃあ今日の放課後、瑞希に告るわ!」
「は?」
瑞希が驚いた顔で俺を見る。
「お前、今日で俺の本気、わかるからな!!」
俺は勢いよく宣言した。
これはただのアタックじゃない。本気の告白だ!!
久坂翔、ついに決戦の時!!
これは人生における決戦。
と思いながらも俺はくしで髪をとかした