テラーノベル
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私は時々、寂しくなる。
独りぼっちだからだとか、誰かと会えないからだとか、そういう理由は無い。
ただ、寂しくて虚しくて、どうしようもない。
「はぁ…。」
ベッドの上で溜息を吐いていると、お風呂の扉の開く音が聞こえた。
あぁお風呂から上がったんだな、と思い、太陽が忘れていたシャツを持って行こうとした。
『あっ…〇〇ー!』
「はいはい。シャツね。」
『ごめん!ありがとお〜。』
ブォー…
『ごめんなぁ、髪の毛乾かしてもうたりして…。』
「いや良いよ。手伸ばすの大変だけどね(笑)」
オレンジ色に染まった髪の毛をドライヤーにかけていると、だんだん直毛に、サラサラになっていく。
「こっち向いて。」
そう言うと何故かニヤニヤしながら振り返ってきた。
可愛らしい犬歯が唇からチラッと見える。
「何ニヤニヤしてんの?(笑)」
『いや、なんか今日〇〇疲れてんのかなぁ〜って。後でゆっくりしいよ。』
「…別にそんな事無いけどなぁ。」
そんな会話をしていると、髪の毛が完全に乾いた。
ドライヤーを片付けて太陽は歯磨きをし始める。
私は何処か甘えたい気持ちがありつつもそれが言えない。
…太陽なら、甘えさせてくれるのかな。
ボフッ。
ベッドの端に座ってまたグレーな気持ちになる。
『お待たせ!…あれっ、〇〇元気無いな…。』
「まあ…ちょっと今日は…。」
太陽が心配そうな顔をしてそう言う。
そうだよね…やっぱりこんな気持ちになってると迷惑かけちゃう。
「太陽も疲れたでしょ?だから早くねっ…て…。」
ぎゅむっ、と太陽の腕が私を包んだ瞬間、心がフワッと軽くなった。
なんだろう、今までに味わった事が無い感情。
これが「甘える」なのかな。
『…いっつも俺ばっかり甘えてごめんな。』
「いや…良いんだけどさ…。」
『〇〇は…俺と一晩中ハグしてたら元気になる?』
「…うん。」
優しく腕を離して、私の横に寝転ぶ。
『〇〇も早く寝えへん?』
私は何を言う事も出来ないまま、太陽の隣に寝転んだ。
太陽の胸に寄り添って、優しい体温だけを感じる。
私を護るように包む腕に、一晩中甘えた。
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