桃赤 青赤
憎たらしい俺
桃side
「青ちゃーん!ぎゅーして!」
「えッ……ここ楽屋ですけど…?」
「いいじゃーんちょっとくらいー!」
「………まぁ…いいけど、…//」
俺がエゴサをしてる横でイチャイチャしているお二人さん。
正直、めっちゃムカつく。
俺が青より先に好きになったのに、…
俺が1番最初に出会ったのに、…
俺が1番赤のこと知ってるのに……
なぜ神様はこんなに不平等なのかと嘆いた日は少なくなかった。
俺は震える手でエゴサをするが、
内容が全然頭に入ってこない。
チラッと横を見れば、
凄く幸せそうに笑っている赤の姿。
その顔、見たことなくて、
さっきよりも脈拍が上がったような気がした。
「……俺帰るわ」
「え、もう帰っちゃうの?ご飯食べに行こーよ」
「……作業、残ってるから」
せっかく赤が止めてくれたのに、
嫉妬心から、冷たく接してしまった。
赤の顔を一瞬見ると、
心配そうに俺を見つめていた
赤は何も悪くないのに、
青も何も悪くないのに。
悪いのは、この俺自身なのに。
ずっと被害者ヅラして。
でも、今更謝るなんて出来なくて。
俺は心配そうに見つめる赤、そして青、黄をおいて、早足で家に帰った。
そこから、日常で3人とあまり話さなくなった。
一応話すのは話すが、会話をあまり続けなかった。
そんなある日のこと。
青から電話がかかってきた。
電話なんて久しぶりだな、なんて思いでてみると、
その声は、いつもの青の雰囲気と全く違っていた。
震えるような、泣いているような、
そんな声。
「桃…くんッ…!」
「…青…?どうしたんだ?」
「赤くんがッッ………」
「車にひかれたらしくてッ……!」
「は、……?嘘ッ……だろ、?」
「嘘じゃないッッ!!」
青の声から、これはドッキリでもない、
本当のことなんだと悟った。
「僕ッ……後輩と遠くに行っててッ…」
「今急いで帰ってるんどけどッッ………」
「結構時間かかっちゃう……」
「桃くん、…ッ急いで行ってあげて?」
「…………わかった、」
俺は青との電話を終えると、
急いで家を飛び出した。
赤が無事でいてほしい。
また赤の思いっきり笑った笑顔がみたい。
赤の包み込んでくれるような、優しい声が聞きたい。
俺には赤しかいないから。
気づいた頃には、俺は病院にいた。
そして、看護師さんに赤のいる部屋に連れて行ってもらった。
「……こちらです。」
「ありがとうございます」
俺は看護師さんに軽く会釈をして、中に入る。
そこには、窓を見ている君がいた。
窓の反射で、君の顔が見えた。
まるで悲しそうな、不安そうな、
そんな顔。
「………赤…?」
俺の声を聞いた瞬間、赤は俺の方をそっと見た。
「…………もしかして、、」
「俺の、彼氏さん……ですか…?」
『俺の彼氏さんですか』
俺は鈍感ではない。
この言葉を聞いて、赤は記憶を失っているのだと悟った。
「……………」
「…………」
「…そう、だよッ………」
「そうだったんですね、」
「ごめんなさい…俺、記憶を失っているらしくて」
「貴方のこと、忘れてしまったんですけど、」
「あなたのお名前、なんですか?」
「………桃。」
「かっこいいお名前ですね!」
真っ直ぐ俺を見つめる赤。
罪悪感しかない。
けど、もう戻れなかった。
戻らなかった。
俺は、赤をそっと包み込む。
そして、
今までできなかったこと。
赤にそっとキスをした。
唇を離す頃には
赤はすごく顔を真っ赤にさせていた。
初めて見る君の姿。
青は赤のこんな姿、もう慣れっこなのかなと思うと、
また少し脈拍が上がった気がした。
もっと君の姿を見たくて
俺は添えるキスから深いキスまで、
たくさんキスをした。
赤は、最初は恥ずかしがっていたものの、
だんだん慣れてきて、
俺を求めてくるようになった。
もう、罪悪感を忘れていた。
この時間が、いつまでも続けばいいのに。
そう思いながら、唇を重ね続けた。
黄が見ているとも知らずに。
end
なんと私、、、!
滑り止めの学校に合格しました!!
一安心です!
3月に、1番行きたい学校の入試があるので、
そこまで気を抜かず頑張りたいと思います!
最後までご覧いただきありがとうございました!
コメント
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入試お疲れ様です! 私も専願で私立高校受かりました…!本願の入試頑張ってください!