この作品はいかがでしたか?
302
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今回はコンテスト作品となっております!🙇♀️
アテンション
・コンテスト作品
・白さん女体化
・黒白
『黒』 「白」 〈他のメンバーさん〉<モブ>
それでは、どぞー!
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今日もだるい学校が始まる。
今日も教室のドアを開けて教室へと入る。
「はよーございまーす」
〈おはよ!〉
〈おはよー、今日も遅いね〜〉
「うっさいわ」
遅いのは事実だが、言われると少し腹が立つ。
けどそこまで怒っている訳では無いから、少し笑いながらツッコミをする。
自分の席へ移動して、荷物を机に下ろしながら隣の席を見る。
「…はぁ、最悪」
今日も隣の人がいない。
いや、別に普通の日だったらええけど…。
「最悪やぁ…」
今日もお喋りタイムというものがある。
お喋りタイムとは、まだ学年が上がってから3ヶ月ほどしか経っていない。
だから隣の人など色んな人と仲良くなるためにあるタイム。
「待って、居なかったらあの人と喋るんよな…? 」
前あの人と喋ったら全く会話のキャッチボールが成り立たなかったから嫌なんよな。
「えぇ…だる」
体調悪いフリして保健室にでも行ってやろうと思ったが流石に辞めた。
そしてうちはやる事がなかったから、机に伏せて目を閉じた。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「やっべぇ…」
ガチで保健室来ちゃったやん。
いやこれは先生のせい、本当に。
伏せてたら体調悪いって誤解されてそのまま保健室へGOになった。
あいつ(先生)許さん。
「すー…ふぅ…」
こうなったら入るしかない。
これまで保健室に入るのに深呼吸なんてした事ない。
「失礼しまー…す」
保健室の扉を開けた時、黒髪に黄色?おうど色?のグラデ長髪の男の子と目が合ってしまった。
んんん、すっごい気まずい。
『…』
相手も気まずいのか知らないが、会釈だけしてくれた。
多分うちより背は高いが、なんか小動物みたい。
あとなんか、どっかで見たことある気がする。
「…なんか、どっかで見たことあるんよなー」
うちは軽く会釈をした後、心の中で思ったことをそのまま言った。
『へ、ぁ…そうなんやね…』
「え、なんて?」
声が小さくて聞こえずらくて、聞き返してしまった。
『せやから… そ、そうなんやねって…っ』
さっきとは違う、迷惑にならない程度の大きな声で言ってくれた。
「そうなんよー…!」
うちも迷惑にならない程度の大きな声で言った。
『…』
「…」
やば、会話のキャッチボール止まっちゃった。
どうしましょ…。
『あ、とりあえずソファーに座ってください…』
「あ、おん…ありがと」
やばいまた会話止まっちゃうやんけ。
なにか話題は…!!
「ぁ…君、2年生なんやね」
『…ああ、そうなんです』
「そうなんやねー…」
『…はい』
ああああ…会話がまた止まってまう!!
うちは、また会話が止まると焦っていた。
そして男の子の方は全然落ち着いていた、なんで?
「こ、ここで会えたんも何かの縁やと思うし!」
うちはこの男の子のことを知りたいと思ったのと、なんか気になったから。
「お互いに質問しいよーや?」
『…質問?』
「そうそう、好きなこととか!」
『ええけど…』
「よしっ!」
了承を得たから、お互い質問をする。
ちなみに、これは朝のお喋りタイムでやったもの。
「好きな食べ物は?」
『好きな動物は?』
みたいな感じを繰り返していた。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
そろそろ一限が始まる時間。
「うち、もうそろ帰るな」
『…じゃあ、最後の質問』
「ん?」
『君の名前は?』
最後の質問と、うちは引き止められた。
その後君の名前は?と聞かれる。
そういえば教えとらんかったし教えられてなかったわ…。
「うちは白瀬初兎」
「あんたの名前は?」
『黒河悠佑』
黒河悠佑、どこかで聞いたことのある名前…。
「…あ、うちの席の隣の人やん!」
『え!?』
『「あ…」』
うちの隣の席の人だと分かった時、一限目が始まるチャイムが鳴った。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
『ごめん、俺が話しかけなければ…』
「いやいや、全然ええから!!」
黒河くんが本当にすっごい申し訳なさそうにするから、何故かこっちまで申し訳なくなる。
『ありがとう』
「いやいや、全然ええから!」
男の子とこんなに喋ったのは、本当に数年ぶり。
『ていうか、なんで白瀬さんはここに…? 』
「え?あー…机に伏せとったら、先生に体調悪いって勘違いされてもうてな、それで保健室に来たんよ」
手を後ろ頭に当てて、少し困ったように笑いながら黒河くんの質問に答える。
我ながら恥ずかしい訳やなーと思った。
『そ、そうなんや…体調悪い訳やなくて良かったわ…』
「へへっ」
どこまでも優しい人やなって思える。
でも、人の顔色を伺いすぎているんじゃないかと思うほど、うちの顔を見てくる。
人の表情をほぼずっと確認している。
「なぁなぁ、黒河くんってさ…」
『白瀬さんは…』
そこから色々な会話をした。
好きな動物とか、好きな食べ物や嫌いな食べ物。
ほかの友達より、楽しく思える。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
そろそろ一限目終わる頃。
教室に帰らなくてはいけない。
「それじゃ、そろそろ教室に行くな」
『おん、またな』
「またな〜」
挨拶をしたあと、保健室のドアを静かに開けて静かに出ていった。
「失礼しましたー…」
出た後、挨拶のことを思い出す。
「…またなって言ったよな?」
変な約束みたいな感じしてもうた…?
ちょっとだけ、またねを後悔してしまった。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
それから毎日、できるだけ行けるようにした。
なんで保健室にずっと居るのかとか、教室はどんな感じとか。
普通な会話。
普通な会話の時に、ふと黒河くんは言った。
『俺な、引っ越すんよ』
「…え?」
さらっと言う黒河くんに対して、目が点になるうち。
『まぁ引っ越すと言っても、そこまで遠くは行かんよ』
「…そっか」
なんか、悔しかった。
なんでって聞かれたら分からないけれど、何だか悔しく思ってしまう。
今すぐにでも涙が溢れそう。
『引っ越すからさ、白瀬さんに渡したい物があるんよ』
「…?」
『これ』
小さい袋に入っていて、中身は見えない。
うちは袋を開けようとした。
『あ、待って』
「へ、なんでや?」
開けようとしたら黒河くんは止めた。
なぜかと聞いたら、目をそらしてこう言った。
『俺が引っ越す時に開けてや』
「…分かったわ」
その時、授業が終わるチャイムが鳴る。
なんだか後味が悪いけど、しゃーないと思い教室に戻る。
「失礼しました…」
悲しいのを表すかのように、いつもより低いトーンで。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
『あと一週間やな〜…』
「そっか…」
『なんや、悲しいん?』
「悲しいに決まっとるやん」
悲しいに決まっているだろう、大切な“友達”なんやから。
“友達”その言葉を聞くとモヤモヤする。
特に、黒河くんから聞いた時は。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
あと4日、あと3日、あと2日…。
普通の会話をして終わっていく。
まだ、この想いを伝えていないのに。
「…そういえば、そのネックレスってなんや?」
『ん、これ?』
ハートが割れているネックレス。
合わせるとちゃんとしたハートになるみたいな感じのネックレス。
『これは…んー、好きな人と付けるネックレスかな』
少し照れながら、少し切なそうに言う黒河くんは儚くて綺麗で、消えそうな感じがした。
「え、好きな人おるん?」
『まぁ、おるけど…』
「ほへぇ…」
聞いたのは良いけど、心がチクチク痛くなってモヤモヤする。
『どしたん?』
「いや、なんも無いわ」
なんも無いわけじゃない、だけど心配させたくないから少し笑って誤魔化す。
バレていなければ良いな。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「…ここか」
住所?を渡されたから来てみれば、空港だったみたい。
もう引っ越すんだというのが分かる。
実感が湧いてしまう。
涙が出てきそうで出なくて、溜まっているのは分かるけど、流れない。
流れないというより、流したくないから最後は笑顔でお別れやね。
「あと、なんでプレゼント持ってきてって言われたんやろ…」
プレゼントとは、この間くれた袋に入っているもの。
何故かこれを持ってきてと言われた。
『…白瀬さん』
「おわ…黒河くん」
後ろから声をかけられ、びっくりしてしまった。
『それ、持ってきてくれたんやね』
「うん、持ってきてって言っとったから…」
『そっか』
微笑む黒河くんを見ると胸がドクンと鳴る。
『…あ、そろそろ行かんとな』
思い出話をしたかったけれど、それはさせてくれない。
時間がこのまま止まってしまえばいいのに。
『それじゃ、またな』
「…おん、また」
想いを、伝えれば良かった。
今更になって後悔する、なんで思いを伝えなかったのだろうと。
「…ん、どしたん?」
母から電話がかかってきて、もうそろそろ帰ってこいとの事だった。
「わかった、うん」
電話を切る音が、人々の声や歩く音で埋もれていく。
「行くかぁ…」
気持ちを切り替えて家へと向かう。
「あ、その前にこのプレゼント開けんとな」
外で開けるか家で開けるかで迷ったが、結局家で開けることにした。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「ただいまー」
おかえりー、と返事をしてくれる母。
そのまま足早で部屋へと駆け込んだ。
何をそんなに慌てているんだか…と母が呟いていたが無視をした。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「よいしょ…」
ベットに座って、早速プレゼントを開ける。
中身は、黒河くんが付けていたあのハートのネックレスだった。
「へ…」
黒河くんが言っていたことを思い出す。
“『好きな人と付けるネックレスかな』”
「好きな、人…っ」
黒河くんが言っていた好きな人は、うちの事やったんやね。
「ん、あれ…」
中身に紙切れが1枚入っていた。
その内容は__
『“すき”かぁ…っ』
内容は少ないけど、うちにとって十分な言葉だった。
だんだん涙が溢れていく。
悲しみも入っているけど、嬉しみの方が強かった。
「んぐ、はぁ…っ」
どんどん出てくる涙。
悔しみの涙。
悲しみの涙。
だけど、それよりも、幸せの証の涙。
「ずっと…ずっと大切にするから…っ」
そう言いながら、ネックレスを握りしめて胸に当てた。
「いつかまた、逢えますように…」
逢えるまで、必ず探し続ける。
うちはそう誓った。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
それから数年。
もう、うちは大学生。
だからアルバイトとかもするようになった。
今日は飲食店のバイト。
「いらっしゃいませー!」
飲食店のバイトをしているのは、また黒河くんに逢えるかもしれないから。
その為だけに、今日も飲食店のバイトをする。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「今日も来んかった…」
流石にもう引きずりすぎなんかな。
もうあっちは、うちの事なんて忘れとるんかな。
ネガティブな言葉がどんどん浮かぶ。
<先輩、そのネックレス可愛いですよね〜!>
着替えを終わらせ、黒河くんから貰ったネックレスをつけていたら、後輩ちゃんが話しかけてきた。
「そうやろ〜、めっちゃ可愛ええよな〜! 」
<誰かとお揃いですか?>
「そうなんよー、今はその人と逢えとらんけどね」
少し笑いながら、少し困ったような笑顔で言う。
<そうなんですね…でも、必ずいつかは逢えると思います!>
「…そっかぁ、そうよな!」
後輩ちゃんの言葉で勇気を貰った。
「うち、頑張るわ!」
<頑張れ先輩!!>
絶対見つけてやる…と、うちは燃えていた。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
数日後、また同じバイトをしていた時だった。
「いらっしゃいませ…!?」
『へ…!?』
探し続けていた人が来てくれた。
やっと見つけた。
「ん”ん”っ…こちらへどうぞー!」
「お客様1名入りまーす!」
喜びを隠すように、いつも通り接客をする。
でも、いつもより声のトーンは高かったと思う。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
『…あ、白瀬さん』
「黒河くん、待っとったん!?」
バイトを終わらせると、黒河くんが店の近くで待っていた。
『ごめんなさい、ストーカー紛いなこと…』
「いやいや、全然ええから!」
高校生の時もこんな感じの会話をしたような気がするが気にしないでおく。
『あ、そのネックレス』
「ん、ああ…ずっと待っとったんよ」
じーっと見つめられていて、何やろと思っていたが、ネックレスのことを言ってくれて嬉しかった。
『…ありがとう』
「んふ…」
間が空いたからだろうか。
ぎこちない会話が続く。
『あのさ、俺伝えたいことがあってん…』
「うん」
なんだろう、と何も分からないまま人通りの少ないところに連れ込まれた。
でも、黒河くんに触れられた腕が熱く感じた。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
『…白瀬さん』
「どしたん?」
照れていて、ちょっと緊張しているような顔をして、伝えてきた。
『俺、白瀬さんのことが…初兎のことが、好きです』
「…っ」
その時、うちの頬が赤く染る。
『良ければ、俺と付き合ってくれませんか…っ』
目をきゅっと瞑って、顔が赤い黒河くんが可愛いなと思った。
「…」
そんなの、答えは決まってる。
「もちろん、喜んで…!」
『…!』
うちは、満面の笑みで返答をした。
そしたら、黒河くん…悠くんの顔はぱぁっと明るくなった。
「うちやって、ずっと好きやったんよ」
『…そっか、俺らずっと両思いやったんやな』
悠くんは安心したような、でも少し照れているような表情する。
きっとそれは、うちも同じなのだろうな。
「両片思いってやつやね!」
『それかぁ!』
久しぶりに、会話に花が咲いた。
そんな2人のネックレスが喜んでいるように揺れた__。
片割れのネックレス。 end
✂ーーーーーーーーーーーーーーーー✂
紫夢音さんに刺さりますように!🙏
それでは、おつあいでしたー!!
コメント
2件
あばばばばばばばばばやばいやばい とうとぉおぉぉぉぉぉぁいいいいやばい一途な白さん可愛い❤そして紳士な黒くん惚れましたありがとうございます🙇✨やばいです自分もちょっとコンテスト作品頑張って書いています。