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「プロローグ」
春の木漏れ日が瞑った瞼に差し込む。
その眩しさに思わず瞼を開けた。眩しさで目を細めながら、窓の外の椿を見つめる。真っ赤に染まった花弁がひらりと1枚落ちていった。
少女「龍磨(りゅうま)、おはよう。」
眠そうな声で僕の名前を呼ぶのは、幼なじみの華恋(かれん)だ。艶やかな紫色の髪に可愛らしい三つ編みが良く似合う。可憐で可愛らしい声にピッタリだ。肩まで揃えられた髪がふわりと揺れ、花のような香りに目が覚めた。
龍磨「おはよう、華恋。」
僕はずっと華恋が好きだった。何度も気持ちを伝えようと思ったが、僕にはそれすら叶わない。何故なら僕には許嫁がいるからだ。
僕の家系は由緒ある龍の純血を受け継いできた。龍の血が薄れゆき、代々純血で血筋を残すのが使命となっていた。僕が5歳の時に許嫁が産まれ、その瞬間婚約が認められた。
そして、そのすぐ後に決められた護衛が華恋だ。華恋は龍と人間のハーフで、あまり龍の血が濃くない。だが、華恋の父は代々僕の家系である五条院家の護衛として勤めてきた。その為、華恋は僕の護衛になったのだ。
華恋「龍磨、どうしたの?」
僕がじっと華恋を見つめていると、華恋が覗き込んできた。龍の血筋である紅い瞳が宝石の様で惹き込まれてしまう。顔が熱くなり、思わずそっぽを向いてしまう。
龍磨「な、なんでもない…///」
華恋「ふふっ、初めて出会った日を思い出すね。」
華恋がくすくすと笑う声は小鳥のさえずりのようだ。そんな事を思いながら、出会ったあの日を思い返した。