「…なぁ、冬弥。」
「なんだ?」
「長尾先輩と弦月さ、朝見かけたんだが表情暗くてなんか悩んでなかったか?」
「確かに…言われてみればそうだな」
「あの2人があんな暗いなら甲斐田先輩はどうなんだ?」
「いや…甲斐田先輩学校には来てるらしいがどこにいても見かけないんだ…見てないところと言えば屋上くらいしかないが…」
「屋上!!屋上に居んじゃねぇか!?」
「!そうだな、探しに行こう」
「〜♪〜〜♪」
屋上から聞こえる歌声。
「思い出した時に
涙が落ちたのは♪」
「甲斐田先輩!」
「ん?」
笑いながら振り返った彼は
瞳の中に黄色の×がついていた気がした。
「…?」
「あれ?僕ここにいるの邪魔だった?」
「あ、いえ!ただ…長尾先輩と弦月が朝暗い顔していたので…」
「…あぁ、そう」
案外素っ気なくて驚いた。
「だから甲斐田先輩と何かあったのかなって」
「まぁ、ないって言ったら嘘になるね」
「なんか、珍しい、ですね…」
「あ〜…まぁいつも喋ってたもんね」
「はい」
「あの2人ね、甲斐田に隠し事してるんだ
親友なんだから、教えてくれたっていいじゃないか…
ってこんなこと言われても嫌だよね」
「いえ、甲斐田先輩の力になりたいです。
あの2人だって理由があるから隠し事してるんだし」
「…そっか
ありがとう
じゃあ、一つだけお願いしてもいいかな」
「はい!」
「明日、なんとしてでもあの2人を屋上に連れてきて。」
「「任せてください!」」
「なぁ弦月。」
「なぁに?」
「今の俺らじゃ完全にボロが出る。」
「…少し心が痛いけど距離を取るしか無いんじゃないかな、」
「…やっぱそれしかねぇよな…」
「でもまだ決まった訳じゃないからもっと考えてみるよ」
コメント
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何よッ、気になるじゃないの☆