あれから10年、俺は社会人になった。
仕事は忙しいけど、やりがいがあって楽しい。
今日は休みだけど、することがない
…今日あっついなあ…
………凸さんと会ったときも、こんな暑い日だったっけ。
アイス食べたいなあ…
冷凍庫を開けたけど、アイスは一つもなかった
買いに行こうかな…
外に出ると、日差しが眩しくて目を細める。
………凸さんはアイス買いに行こうとして俺に会ったんだよね。
凸さんと会えないかなあ…なんてね
………俺、死んだのかあ…
さもさんともっと一緒にいたかった…せっかく会えたのに…
俺は半透明になってしまった体を一瞬見て、泣いてるさもさんの傍に行く。
さもさん泣かないで…
抱きしめたかったけど、さもさんに伸ばした手は空振ってしまった。
「………凸さん、勝手に約束していい…?」
もちろん…
「転生した凸さんが…大人になった俺に会いに来て…」
涙声のさもさんの言葉に、俺は応える。
『…さもさん、大好きだよ。』
「………さもさん!」
大声で呼びかけられて、俺は慌てて振り返る。
え………………………?
「なんで…なんでっ…」
俺は泣き出した。
信じられなかった、けど信じたい…
「なんでって…さもさん言ってたじゃん」
「”転生した凸さんが、大人になった俺に会いに来て”って…」