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『12の星を集めて』
その夜、空から星が落ちてきた。
流れ星とは少し違う。
夜空からこぼれ落ちたような、
小さな光の欠片。
少女はそれを両手でそっと受け止めた。
「……また一つ」
手のひらの上で、星の欠片が淡く輝いている。
少女の名前は、えと。
夜になると街を歩き、空から落ちてくる「星の欠片」を集めている、不思議な少女だった。
ある日、ゆあんは、偶然えとと出会う。
えと 「ねえ」
ゆあん 「……俺?」
えと 「そう。あなた、今、何か悩んでるでしょ?」
ゆあん 「えっ…そう思う?」
ゆあんは驚いた。
誰にも話していないことだった。
学校ではいつも笑っている。
友達にも「悩みなんてないよ」と言っている。
だけど本当は――
自分が何をしたいのか、分からなかった。
ゆあん 「……どうして分かったの?」
えと 「星はね、人の心から生まれるの」
えとは夜空を指差した。
えと 「誰かが悩んで、苦しんで、それでも前を向いたとき。その人の心から、小さな星が生まれるんだよ」
ゆあん 「じゃあ、その星を集めてるの?」
えと 「うん」
ゆあん 「何のために?」
えとは少しだけ寂しそうに笑った。
「12個集めると、ひとつだけ願いが叶うの」
ゆあんは目を輝かせた。
ゆあん 「じゃあ、えとの願いは?」
えと 「……秘密」
そう言って、えとは笑った。
えと 「一緒に集めてみる?」
こうして、二人の旅が始まった。
-–
1つ目の星『ひとりぼっちの絵』
最初に出会ったのは、学校の隅で一人絵を描いている女の子だった。
のあ 「私なんかが話しかけても、みんな迷惑だよ」
のあさんはそう言った。
でも、ゆあんはのあさんの描いた絵を見て驚いた。
とても綺麗だった。
ゆあん 「この絵、好き」
のあ 「……本当に?」
ゆあん 「うん」
その日から、ゆあんは彼女の絵をみんなに見せた。
すると、一人の女の子が言った。
女子A 「私も絵、好き!」
そこから少しずつ友達が増えていった。
のあさんが笑った瞬間――
キラッ。
空から星の欠片が落ちてきた。
「一つ目!」
えとさんが嬉しそうに受け取った。
-–
2つ目の星『諦めた夢』
二人目は、音楽が大好きだった少年。
けれど、一度コンクールで大きな失敗をして以来、音楽や楽曲に触れなくなっていた。
「もう俺には無理なんだ」
ゆあんは何も言わず、ギターを彼に渡した。
「だったら、一回だけ弾いてみようよ」
少年は迷った。
そして――
小さな声で歌い始めた。
久しぶりの感触に、少年は笑った。
「……やっぱり、好きだ」
その瞬間、二つ目の星が生まれた。
-–
3つ目の星『ありがとう』
三人目は、何でも一人で頑張ってしまう少女。
家族に迷惑をかけたくない。
心配させたくない。
だから、ずっと「大丈夫」と言っていた。
でも本当は、ずっと苦しかった。
ゆあんは言った。
「頼ることって、迷惑をかけることじゃないよ」
るなは初めて家族の前で泣いた。
「……助けて」
その言葉を聞いた家族は、るなを抱きしめた。
そして――
三つ目の星が生まれた。
-–
4つ目の星『帰りたい場所』
遠くに引っ越した少年。
新しい街に馴染めず、
「前の場所に帰りたい」
と毎日思っていた。
でも、ゆあんたちは彼が好きだったものを新しい街で探してみた。
すると、前の街と同じ花が咲いている場所を見つけた。
「……ここにも、あったんだ」
なおきりさんは初めて笑った。
「帰る場所って、一つじゃないのかもね」
四つ目の星が空から落ちてきた。
-–
5つ目の星『お母さんの料理』
母親と喧嘩して、家を飛び出した少年。
「もう帰りたくない!」
そう言っていた。
けれど、夜になるとお腹が鳴った。
えとが笑う。
「何が食べたい?」
「……お母さんの卵焼き」
その一言で、どぬくは泣いた。
家に帰ると、母親は何も言わず、いつもの卵焼きを作ってくれた。
どぬく 「……ごめん」
どぬくの母「おかえり」
それだけだった。
五つ目の星が生まれた。
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6つ目の星『笑えなくなった少年』
昔はいつも笑っていた少年。
でも、ある出来事をきっかけに笑うことが怖くなっていた。
ゆあんたちは無理に笑わせようとはしなかった。
ただ、一緒にいた。
くだらない話をして。
一緒に空を見て。
何も話さない日もあった。
ある日、もふがほんの少しだけ笑った。
ゆあん 「……今、笑った?」
もふ 「うん」
もふ 「久しぶりかも」
六つ目の星が輝いた。
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## ⭐ 7つ目の星『届かなかった手紙』
大切な人に「ありがとう」と言えないまま、離れてしまった少年。
彼はずっと後悔していた。
えとは言った。
えと 「今からでも、伝えられるよ」
ヒロは手紙を書いた。
そして、それを相手に渡した。
「ありがとう」
たった五文字。
でも、その五文字を言えたことで、ヒロの顔は少しだけ軽くなった。
七つ目の星。
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## ⭐ 8つ目の星『俺なんて』
自分に自信がなく、何をやっても「どうせ俺なんて」と言う彼。
ゆあんは彼に聞いた。
ゆあん 「好きな物は?」
シヴァ 「……分からない」
ゆあん 「じゃあ、一緒に探そう」
いろんなことを試して。
失敗して。
笑って。
そしてシヴァは、初めて自分から言った。
シヴァ 「これ……好きかも」
えと 「好きな物、パンツ?個性的だね」
八つ目の星が生まれた。
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9つ目の星『約束』
亡くなった祖父との約束を守り続けている少年。
「いつか、この場所を俺が守るんだ」
誰にも理解されなくても、少年は続けていた。
ゆあんは彼の話を聞いた。
ゆあん 「きっと、おじいちゃんは嬉しいと思う」
は空を見上げた。
「……そうかな」
九つ目の星が輝いた。
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10個目の星『未来』
将来何になりたいのか分からない彼。
周りのみんなが夢を持っているのに、自分だけ何もない。
ゆあん 「夢って、今決めなくてもいいんじゃない?」
ゆあんがそう言うと、少女は驚いた。
「……そうなん?」
「うん。探しながら進んでもいいと思う」
少女は笑った。
「じゃあ、明日から探してみる」
十個目の星。
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## ⭐ 11個目の星『忘れられない人』
最後から二人目。
その少年は、昔亡くなった親友を忘れられずにいた。
「忘れたら、あいつが消えちゃう気がする」
ユイは言った。
「忘れなくていいよ」
「……え?」
「思い出したまま、生きていけばいい」
少年は涙を流した。
「……そっか」
十一個目の星が生まれた。
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## ⭐ 12個目の星『ルナ』
残る星は、あと一つ。
でも――
最後の星は、いつまで経っても現れなかった。
「どうして?」
ユイが聞く。
ルナは答えない。
「ルナの悩みは何?」
「……ないよ」
「嘘」
ユイはルナの手を握った。
「今までずっと
コメント
1件
うわあ…すごく優しいお話だったね🥀🤍 星の欠片を集めるっていう設定、すごく好き。一人ひとりの悩みに寄り添って、ちゃんと向き合って、"笑顔"とか"気づき"が星になるっていうのが、すごく温かいなって思った。 特に「頼ることって迷惑じゃないよ」ってゆあんが言ったところ、ぐっときた……。なんか、自分にも言われてる気がして。 1話でもう泣きそうになったよ。続きがすごく気になる…! 最後の星、ルナ自身の心の闇なのかな…🌙
天嶺 雫玖
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Lf_sh
328
とまと🦇🩷 。🦅🖤
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