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Hayato side
散々抱き締めあって、気持ちを伝えあって、幸せでいっぱいになって
なんか必死すぎだったかも、と二人で笑い合える位になって
一緒にシャワーを浴びて、いつも着ているお揃いのパジャマに袖を通す
いつも着ているはずなのに、なんだかいつもと違う気がする
再びベッドに入り、手を繋ぐ
「…俺さ、怖かったのかも」
天井を見ながら仁人は呟いた
「勇斗の為みたいに思ってたけど、…もし、勇斗の気持ちが変わってしまった時に」
一瞬躊躇する様子があったが、息を吸い上げ、
「…俺が、傷つかなくてすむように、予防線、張ってたんだと思う…ほとんど無意識ではあったけど…」
と吸い上げた息を吐くように言った
「暗示みたいに…いつでも離れられるって、自分の気持ち、蓋して、誤魔化して…勇斗の気持ちも、…受け流して…」
「勇斗を信用してなかったわけじゃない…多分、本当に信用していないのは…自分で」
「…弱かったんだ…ずるいよね…」
自嘲するような笑い方だった
「でもそれってさ、俺の事が好きだから別れが辛くなるからって事…でしょ」
「…うん」
「自分の心を守ろうとするのは、悪い事じゃないよ」
悪いことじゃない
でも
「でも、離れようなんて、もう思わないで」
もしこれから行く手を遮るような何かがあったとしても
「一緒に居ることを考えよう」
仁人の指先に力がこもったことが、返事のかわりだった
仁人はあれ以来びっくりするほど素直に愛を伝えるようになった
愛の言葉は増えたけど
言葉が軽くなることはない
俺のためと
自分のために
紡がれる言葉が嬉しくて
ただ恥じらいがあるのか真顔なところも、いじらしい
仁人は強くなった
今までも弱かったわけではない
一人で生きる強さ、とかではなくて
二人で歩いていくための強さ
俺も多分…、強くなったはず
二人並んで生きていくために
fin.
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