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一話の他メン視点です
注意 1話同様
青視点
最近桃の様子がどこか変
いつもニコニコと笑ってるが最近はな にかに押しつぶされそうな、怯えているような顔をする
自分では隠せていると思っているのだろう
笑ってごまかしてへらへらしている桃を見て少しイラッとする
俺らに相談してくれてもええやんか
桃は弱い自分を許せない
仕事を失敗してしまったときも
パフォーマンスが上手くいかないときも
アンチが騒いで桃を叩いているときも
全部自分の中にしまって俺らに一切相談しない
いつか壊れてしまうんやないかって不安で仕方がない
水「ほんとに桃ちゃん大丈夫かな」
白「いつか倒れるであれ」
桃は会食のため、 桃以外のみんなで黒の家に集まっている
青 「弱さを見せても受け入れるのにな」
白 「んー 桃ちゃん自分を認められないんやろな」
白 「こんなに俺らは桃ちゃんを愛してるっていうのにな!w」
黒 「ほらできたでー」
黒はそういいながら人数分のそうめんを持ってきてくれた
黒は1人1人にそうめんを渡しながら話し始める
黒 「そういえばー 」
黒 「あいつ今日社長室で髪抜いとったで」
赤 「え?!」
黒 「さすがに止めたけどあいつ多分リスカもしとるわ 」
袖の隙間から包帯みえたわ と黒は苦しそうな表情でいう
辛いよな 目の前で苦しんでいるメンバーがいるのだから
それなのにあいつから助けを拒否するのだから
赤 「もう限界超えてんじゃん 今から桃くんち凸る?もう会食終わってるでしょ?」
青 「でもあいつ絶対入れてくれんやろ」
水「……でも今行かないとほんとに桃ちゃん消えちゃいそうだよ」
白 「……ほんまに…桃ちゃん消えないよな?、」
だれも白の問いに答えられなかった
ぴーんぽーん
青 「桃ー?おるー?」
俺は解散後、桃の家に来た
さすがに全員でいくと桃も出てこれないだろうということで相棒である俺がいくことになった
青「まー出てこんよな」
そんなときのためにと思って持ってきた甲斐があったな
1度会社に行き、社長室の引き出しに入っている予備の桃の家の鍵を持ってきた
鍵を差し込み、エントランスを通り抜ける
桃の部屋の前に来た
さすがに急に入ったら怖いだろうからインターホンは鳴らしとく
ぴーんぽーん
一切物音がしない
でも入るしかない
青 「入るでー」
といいながら鍵を回し、ドアを開けた
そこには桃はいなかった
会社にもいなかった
コンビニでも行っているのだろうか
まあ待つかと思い、ソファに腰をかけ、スマホを開く
カレンダーのアプリを開き、スケジュールを確認しよう
青 「あ、そういえば今日七夕か」
せっかくなら星をみよう
桃んちのマンションは高いから屋上に行ったら綺麗な星が見れるだろうな
よし!!
星が見れることを確認しに行こう!
もし見れたら桃と星を見ながら話をしよう
そう思って俺は桃の部屋を出た
屋上への扉を開けると涼しい風が俺の青い髪をなびかせる
青 「お!星綺麗に見えるやん!」
後で桃とここにこようと決め、桃の部屋に戻ろうとした
が、
パサパサッ
青 「ん?」
なにか音が聞こえ俺は後ろを振り返る
青「短冊や 1つだけとか寂しいなぁ」
そう思いながら俺はパタパタとなびく短冊を持ち、その短冊を見る
「あいつらが幸せに笑ってますように
ピンク頭の出来損ない子」
?!
息が止まるのが自分でもわかった
紛れもない桃の字
何度も何度も見てきた
見間違えるはずがない
青 「あいつらしいな 優しすぎんだよお前は 自分の幸せはどーすんだばーか笑 」
短冊に向かってそんなことを吐く
というかここに桃は来ていたのか
あとで短冊を見つけたと言ったら桃は赤い顔を するだろうか
そう思いながらまた桃の部屋に戻ろうとした
でもまた俺は振り返った
きゃーと叫ぶ女の人の声が下から聞こえてきた
思わず下をフェンス越しに覗くがよく見えない
なにがあったのか気になり、その場で見ているとだんだんとうるさくなっていく
救急車の音、パトカーの音、ざわざわと話す人の声
全部屋上まで聞こえた
なにかあったんだろうかと少し興味と少しの恐怖で下へ降りることにした
でも
俺は降りなければよかったと後悔した
だって
だって
だって
だって
ピンク頭の君が赤く全身を染めていたから
桃をみた俺は
人を、規制線をも跳ね除け、救急隊の人に抑えられながら
ひたすらに
青 「桃!!桃!!」
と叫んだ
そこからは覚えていない
いつの間にか手術室の前にいて桃の緊急手術が終わるのを待っている
4人もいつの間にか横にいてみんな黙って涙を流している
どれほどたっただろうか
ガラララと扉が開き、1人の医者がでてきた
その人が真っ直ぐこちらを見るから
成功したのかもしれないと思った
でもそんな思いは5文字で一瞬で消え去った
「すみません」
は……?
桃が 死んだ??
長い長い沈黙だった
それを破って水は
「なんで!!なんで助けてくんなかったの!!!」
「人殺し!!!人殺し!!!!! 」
なんて泣きながら医者に怒鳴ってる
黒は
「水やめろ!!」
と水を抱きしめる
赤と白は座り込み
「嘘だよね、夢だよね」
と背中を摩りあっている
でも俺は
泣けなかった
ただ俺の中でなにかが崩れ落ちる音がして
俺の視点は床に近づいていった
ピッピッピッピ
目を覚ますと
規則正しい音が響く白い部屋にいた
そこには赤い頭と、水色の頭と、白い頭と、黒い頭のやつがいた
ピンク頭はいない
俺の手の中にピンクの短冊があるだけ
クシャクシャになってしまったので広げてまた読む
「あいつらが幸せで笑ってますように」
先程とは違う受け取り方をする
お前は最後どんな思いでこれを書いたのだろうか
幸せで笑う俺らの中にお前はいないのか?
来世は幸せになれますようにとか自分のことじゃなくて、今の俺たちのことを最後まで考えてしまうくらいお前は優しいのに
なぜお前はそのことに気づかないんだ
違うな
気づかさせるべきだったんだ
自分はすごいやつだって思ってもらうようにもっと褒めてやればよかった
もっと撫でてやればよかった
もっと抱きしめてやればよかった
そうすればこんなことにならなかったのかもな
ずっと俺はお前が踏み出してくれるのを期待して待っていた
でも桃がしてほしかったんは
俺らが桃に踏み出すことだったんだよな
ごめんなごめんな
ほんまにごめんな
短冊に顔をつけてずっと謝る
他のメンバーはまだ寝ててくれ
今ひどい顔をしているから
桃も今は見ないでくれ
いつかお前の望みの笑顔を見せてやるから
今は今だけは泣かせてください