注意⚠
・橙紫
・不穏、可哀想
・嘔吐有
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気持ち悪い、吐きそうだ。はやく家に帰らないと。足が震えてる、疲れた、しんどい。
やっとの思いで玄関の扉を開ける。
「あ、おかえり。遅かったな」
「…うん」
「先シャワー浴びる?その間に夕飯冷めちゃったからもう1回あっためとくわ」
「ありがと、そうする……」
一秒でもはやく風呂に入りたい。このベトベトした身体を今すぐ洗い流したい。
それだけを考えて風呂場に向かった。
脱衣所で服を脱ぐ。パンツを脱ぐとドロッとした白い液体が太ももを伝った。
「っ、う……おぇ」
さっき我慢できた涙が溢れてくる。気持ち悪い。
「う、うぅ……ひっく……」
泣き止みたくてシャワーの栓をひねる。水圧の強いそれが頭からかけられて意識が覚めていく感覚がした。それと同時に身体に刻まれた跡を思い出して吐き気が戻ってくる。
「……うっ、ぐすっ……」
髪を洗ってトリートメントして、汗だくになった身体を洗う。
「シャツもイカ臭くなっちゃったかなぁ…どうにか匂いがバレずに洗濯すること出来ないかな…」
家事全般は全て橙くんがやっていて、僕はいつも任せっきりだ。だから俺が突然勝手に洗濯機を回し始めたら絶対怪しまれる。
「大体…あそこで俺が抵抗できてたら……」
先程の出来事がフラッシュバックする。気持ち悪い。吐き気が襲ってきた。
「はやく上がらないと…橙くんが心配するよな……」
自分の心に蓋をして、俺は風呂場を後にした。
「…ふろ、上がった」
「大丈夫?顔色悪いで?」
「…え、な、なんか疲れてるのかな」
「無理しとんのちゃうの?」
「っ、だ、大丈夫だよ!」
いきなり目の前に橙くんの顔が映って焦る。それと同時にまた嫌なことを思い出してしまった。
「ぅ”、げぇ……おえ”」
「っ!?大丈夫!?やっぱり無理してるんやないの!?」
大丈夫、と言おうとしたけれど胃の内容物が喉にせり上がってくる。
「ぅ”……おぇ……はぁ……」
トイレに駆け込もうとしたけど、足が動かない。どうしよう。また迷惑かけちゃう。
「え”っ、はぁ……う”っ」
橙くんが俺の背中をさすってくれる。
お腹の中のものを出し切るまでずっと背中をさすってくれていた彼は優しく声をかけてくれた。
「よしよし大丈夫やで、ゆっくり息吸ってな」
「はぁ……は…」
「吐けた?」
「っ、うん……」
「そっか、なら良かった」
「……ごめん、ね」
「謝らんでええって。うがいしてき?俺が片付けとくから」「うん……」
橙くんに手を引かれて洗面所に向かう。
「ちょっと顔色良くなった?」
「そうかな」
「おん、さっきよりかはマシやわ」
「……ありがと」
「ええよええよ、困った時はお互い様やから」
彼は笑いながらそう言った。その優しさが嬉しいような辛いような気持ちになる。ごめんね、俺、橙くん以外の奴に…。
「なぁ、なんかあったら言ってな?俺に出来ることならなんでもするから」
「……ありがとう」
この優しさが辛い。でも、彼のことを傷付けるわけにはいかない。俺は精一杯の笑顔で返事をした。
「ご飯食べたらもう寝よな。疲れたやろ」
「…うん」
「ほら、早よリビングおいで」
食卓に並ぶのは温かい料理。今日はハンバーグだ。とても美味しそうな匂いに食欲がそそられる。
「いただきます……」
味なんてしない。吐いたから胃が受け付けないのかなぁ。それともさっきおじさんの不味い液体飲んだからかな。頑張って口に運んでいると橙くんが話しかけてきた。
「美味い?」
「……うん」
本当は美味しくなんかないけれど、せっかくの手料理をまずいだなんて言えるはずもなくて適当な返事をする。
「そっか、それなら良かった」
彼は安心したように笑ってくれた。その笑顔が眩しくて胸が苦しくなる。でも、この笑顔を壊したくないから俺は偽りの笑顔を浮かべ続けた。
「ごちそうさまでした」
食べ終わった食器を流し台まで持っていく。洗い物は明日でいいか……疲れたし寝ようかな。そんなことを考えながら寝室に向かった。
「じゃあ電気消すよ〜おやすみ〜」
橙くんが部屋の明かりを消してくれる。後ろから抱き締められるとふわっといい匂いがした。
「おやすみ……」
橙くんの吐息が耳にかかって身体がゾクッとする。橙くんはこんなにいい匂いがして綺麗なのに、俺は汚い。身体中、汚れてるんだ。
「橙くん、ごめん……」
思わず呟いてしまったその言葉に彼は驚いたような顔をした。
「え?何が?」
こんな汚れたからだで橙くんに触れられたくない。
「……て…」
「え…?」
「抱いて…」
「え、どゆこと?え?」
訳が分からないといった様子で慌てふためく。
「ねぇお願い……俺のことめちゃくちゃにしていいから……」
「ちょっ、待ってや…紫ぁくん疲れとるやろ?」
「……ごめん」
もう限界だ。橙くんに抱きついて懇願した。
「お願い……!今すぐ抱いて……」
気持ち悪い。身体に染み付いた汚れを上書きして欲しい。
嫌だ、こんなの耐えられない……。
「……ぅ”、う…ッごめん、なさい……っ」
「紫くん?大丈夫?」
「ごめんなさい、ごめん、ごめんなさぃ……」
「謝らんでええから。な?落ち着いて?」
「っ、うっ……うぁ……」
嗚咽が止まらない。息が苦しい。助けて欲しいのに誰に助けを求めたらいいのかわからない。橙くんにこの地獄のような出来事を話すべき?抵抗出来ずにおじさんに強姦されましたなんて言ったら嫌われてしまうかもしれない。
「ッ……ごめ、んなさ……」
「大丈夫やで」
橙くんが優しく頭を撫でてくれる。その温もりに安心して涙腺がまた緩んでしまった。
「ん……っ、ひっく……ぅ……」
「落ち着いた?」
「うん……」
「……何があったか、ゆっくりでいいから俺に話してみて?」橙くんの声に耳を傾ける。その優しい声に安堵感を覚えた俺は、ぽつりぽつりと話し出した。
「あの……えっと……」
「……ゆっくりでええよ」
優しく微笑んでくれる彼の顔を見ると緊張が解けていく感じがする。でも、やっぱり話すのは怖いな。嫌われたくないもんなぁ。
「あのさ、俺さ……」
「うん」
「仕事帰りに…っ、おじさんに……」
「うん」
橙くんは優しく相槌を打ってくれる。その気遣いが嬉しかった。
「……襲われたんだ」
「え?」
「っ、それで……その」
「そっか……」
橙くんの表情が曇った気がした。そりゃそうだよね、自分の恋人が襲われたなんて聞いたら誰だって気分が良いはずがない。
「ごめん……」
「なんで謝るん?」
「だって俺…橙くんがいるのに、他の人に身体触られて……」
「…紫ぁくんは悪ないやん」
橙くんは俺を安心させるように優しく笑いかけてくれた。その笑顔はすごく綺麗で、思わず見惚れてしまうほどだった。
「大丈夫、俺は紫くんのこと嫌いになったりなんかせーへんから」
「……っ、ありがとう」
嬉しくて涙が出てきそうになる。本当に優しいなぁ。……だからこそ申し訳ない気持ちになるのだけれども。
「でも、そっか。他の奴に……。辛かったな」
「うん……」
「怖かったやろ?」
「っ、う”……ん……」
橙くんの大きな手が背中を擦ってくれる。その温かさに安心してまた涙が出そうになった。
「もう大丈夫やで」
「っ……ぅ……ひっく」
橙くんに抱きついて泣くことしか出来なかったけど、彼は何も言わずに頭を撫でてくれた。それがすごく嬉しくて、心地良い感覚に溺れていくような感じがした。
「落ち着いた?」
「……うん」
あれからしばらく橙くんに抱きついて泣いていた。橙くんはその間ずっと背中をさすってくれたり頭を撫でてくれたりした。
「そっか、なら良かった」
そう言って優しく笑いかけてくれる彼の顔を見る度に罪悪感が湧き上がってくる。
「上書きして」
「え?」
「上書きして、あの記憶を」
橙くんに抱きつく。すると優しく抱き返されて頭を撫でられた。それが嬉しくてさらに強く抱きつくと彼は少し苦しそうな声を出したけど、それでも抱きしめて続けてくれる。
「っ、う……」
涙が溢れてくる。こんなに優しい彼を裏切ってしまった自分が許せない。許せないのに身体はおじさんに屈してしまったことが悔しくて悲しくて仕方なかった。
「……紫ぁくん……」
「んっ……?」
名前を呼ばれて顔を上げると唇を塞がれた。舌が入ってきて絡め取られる。
「んぅ……んっ……」
濃厚なキスに脳が蕩けていく感覚に陥った。気持ちいい、もっとしてほしいと思ってしまうほど橙くんに夢中になっていた。
「はぁ……っ、ん」
ゆっくりと唇が離れると銀色の糸が伸びていた。それがぷつんと切れて顎を伝う。それを拭う余裕すらなくてただ呆然としていた。すると橙くんがまた優しく微笑み掛けてくれる。その笑顔を見るとまた涙が止まらなくなった。
「大丈夫やで、ここには紫ぁくんを苦しめるやつなんておらんから」
そう言って彼は再び抱きしめてくれた。
「好き」
「ん、俺も」
このまま一生ふたりきりでいられたらいいのに。俺は心の底からそう願った。
いや終わり方!!!スランプすぎだろ!!!!
お久しぶりです。多忙でなかなか浮上できませんでした。私のこと覚えてますか?
え?覚えてない??そうか……そうなのか…
一応リクエストを貰ったものです。好みじゃなかったらゴメンナサイ…
嫌なこと忘れて快楽に溺れる…というハピエンに見えますがこれからも紫さんはこのトラウマをずっと引きずっていくと思います、可哀想は可愛い^_^👍🏻
レニウムさんリクエストありがとうございました!
今回の話は自分でもクオリティが微妙ですが全力は尽くしました……また機会があったら再挑戦したいです!
コメント
6件
なーくんもう大丈夫だよ☺️クソ野郎は〇してきたから(*ˊᵕˋ* )
大丈夫なーくん なーくんの事襲った奴は〇してきたから、もう安心してね
表現の仕方がとても上手くて、小説みたいでした!面白かったです!