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### 第4章 努力放棄とか考えた?
江島龍は紅葉千鶴に「退魔師」と偽り、女鬼を祓ったと説明した。「警察が来たら、通りがかりのスーパーヒーローが解決したと言ってくれ」
自室に戻り、新たな化妖カード2枚をガチャ!
西遊記の妖怪が次々と現れ、最後はこの二枚で止まった。
《ピン! 一星化妖カード「紅蟒精」を獲得》
「七絶山の大蛇か…」江島龍は神話オタクとしての知識を総動員した。「寅将軍よりは格上だろう」
ネットでは、この妖怪を『西遊記』最弱クラスと評価する声が多い。人間形態を維持するため毎日人を喰らうからだ。
だが実際は違う。紅蟒は完全な人型化が可能で、寅将軍のような雑魚妖怪は半人半妖の姿しか維持できない。つまり紅蟒は中堅クラスの実力者と言える。
《ピン! 一星化妖カード「混世魔王」を獲得》
江島の目が輝いた。配下に小妖怪を従える小ボス級だ。
テレビ版では七大妖聖の一人とされるが、原作では孫悟空に一刀両断される雑魚キャラ。真の七大妖聖・禺狨王のポジションを不当に奪っている。 ただちゃんとエピソードがある分雑魚の中の強キャラに間違いなし。
江島は妖力の残留を確認した。妖力は人体強化能力があるために、化妖状態解除後も常人8倍の筋力を保持していた。ただ残念ながら将軍の特殊能力はゲット出来なかったか、まぁ1パーセントの確率だもんねー。
窓の外を見下ろすと、特殊事件処理班が現場を封鎖中。紅葉の協力で当局の追及を免れたようだ。
翌朝8時、ドアをノックする音。
「龍くん、朝食よ~」
赤色のシルクドレスを纏った紅葉が料理を運んできた。牛肉のパイ、小籠包、粥、シューマイ……全て手作りだ。
ご飯のみならず、プレゼントもあるよ「これ、お礼の印よ」
彼女がトレーの下から取り出したのは【不動産権利書】。江島が呆然としている間もなく、紅葉は段ボール箱を抱えて再登場。
「実はね、6階から15階まで全部私のものよ。お好きなフロアを自由に選んでいいよ!」
汗を拭いながら権利書を広げる姿はとてもとっても綺麗、江島はシューマイで喉に詰まらせそうになる。
次の瞬間にでも、紅葉が妖艶な笑みを浮かべながら。「ねえ龍くん……努力しなくてもいい人生、考えたことある?」 って言うんじゃないかと龍の脳中に妄想が走り、ヨダレが垂れた。