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俺の名前はたかし(29)
若い頃は暴走族の2番隊の隊特攻隊長をしていた。
襟足も伸ばして
喧嘩を売ってくる奴らの指を
片っ端からへし折っていって
気がついたら暴走族になっていた。
が、社会人になってから気がついた。
会社では指をへし折ったらクビになる、
笑顔で仕事が出来ないと世の中渡っていけねぇ。
俺はガンを飛ばす癖を
3年の時を得て直し、
タバコも根性ですぐやめた。
酒も根性でやめた。
今や俺は爽やかな笑顔のサラリーマンだ。
しかし俺には勝てなぇ敵がいる、
それは部長だ。
部長は小太りで筋肉がねぇ癖に根性がある。
仕事で行き詰まっても気合いで
納期に間に合わせる。
仕事量も多い。
対して俺は同期の中でも仕事が出来る
ポジションではあるが、
部長の仕事量の半分くらいしか
仕事が回ってこねぇ。
上が仕事取っちまうから
俺はいつまで経ってものし上がれねぇ。
(クソッ、このままじゃいかん)
直談判だ!
俺は部長に殴り込……相談をしに行った。
仕事量を増やしてほしいとお願いをしたら
部長は少し汗りながらこう言った。
『いやー、仕事多くても給料変わんないよ?』
『責任のある仕事は基本的に
もう少し長く会社にいないと…難しいんだよね』
『これ以上仕事量増やしたら、教育係の篠原さんの仕事無くなっちゃうよ』
俺は溢れんばかりの精一杯の営業スマイルで
『そうですよね、かしこまりました。今ある業務を精一杯やらせていただきます!』
と言って去った。
(クッ、あいつにはやっぱりまだ勝てねぇか)
たかしの激闘の日々は続くのであった。