テラーノベル
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あのホテルでの事件から、数ヶ月が経った。
壱馬はあの日以来、目立った接触をしてこなくなった。
玲於が「次に霄くんに近づいたら、お前のキャリアも人生も全部、俺が刺し違えてでも叩き潰す」
と、本気で法的な手段も含めた準備を進めたのが効いたのかもしれない。
けれど、あいつが残した呪縛が完全に消えたわけじゃない。
玲於の心には、いまだに深い傷跡と、俺を失うことへの強烈な恐怖が居座り続けている。
話し合った結果
俺は玲於の家でほとんどの時間を過ごすことを選んだ。
半同棲状態だ。
他人から見れば、監禁だとか共依存だとか、後ろ指を指されるような関係かもしれない。
でも、今の俺にとっては、この玲於の所有物として扱われる日々が、何よりも甘くて、穏やかで、幸せだった。
◆◇◆◇
玲於の自宅にて
「あ、それ俺がやるよ。霄くんは座ってて」
キッチンで夕飯の準備をしようとすると
仕事から帰ってきたばかりの玲於が
背後から俺を包み込むように抱きしめ、手から包丁を優しく取り上げた。
「もう……過保護すぎ。これくらい自分でできるって」
「ダメ。霄くんが指でも切ったら、俺がショックで死んじゃうし」
冗談めかして言うけれど、その瞳の奥にはまだ
あの日刻まれた消えない独占欲がチラついている。
俺は苦笑しながら、大人しく玲於の腕の中に収まった。
最近の俺たちの生活は、どこまでも甘くて、少しだけ歪だ。
玲於は仕事が終われば寄り道一つせずに帰宅し、俺は玄関で彼を出迎える。
俺の首には、あの日贈られたレザーのチョーカーが、今も肌の一部のように馴染んでいる。
「……ねえ、玲於」
「ん?」
玲於が俺の首筋に顔を埋め、深く呼吸する。
俺の匂いを確かめて安心する、いつものルーティン。
「壱馬のこと……もう、怖くない?」
俺がそう尋ねると、玲於は一瞬だけ体を強張らせたが、すぐに力を抜いて俺の正面に回り込んだ。
彼は俺の両頬を包み込み、熱っぽい視線で俺を見つめる。
「……怖くないって言ったら嘘になるかな。あいつがまた何か仕掛けてくるかもって思うと、今でも気が狂いそうになる。…でもさ」
玲於はそこで言葉を切り、俺の首元のチョーカーを指先で愛おしそうになぞった。
その指先には、あの日プレゼントされたチョーカーの上から重ねて付けられた
特注の「刻印入りの細いゴールドチェーン」が触れている。
「霄くんがこうして俺の隣で、俺だけを見て笑ってくれてる。それが何よりの答えだって、やっと分かったから。あいつが何を奪おうとしても、俺たちのこの『繋がり』だけは絶対に壊せないよ」
玲於の瞳から、あの日公園で見た焦燥感や恐怖が消え
代わりに深い愛情と、揺るぎない自信が宿っていた。
「……俺も。それに、玲於がすっっっごく心配性で俺の事大好きなのわかったから、玲於になら監禁されてもいーよ」
俺がイタズラっぽく笑うと、玲於は耐えきれないというように俺を強く抱き寄せた。
「ふっ……ほんとすぐに調子乗るね、霄は」
そのまま、流れるように唇が重なる。
キッチンに広がる夕飯の香りと、玲於の清潔なシャンプーの匂い。
玲於の執着も、今では俺を包み込む温かい檻のように心地いい。
「……愛してる。一生、俺だけのものでいて」
「……うん。最初から言ったじゃん?玲於以外いらないって」
俺がそう答えると、玲於は満足そうに目を細め、俺の耳たぶを甘く噛んだ。
外の世界にどんな脅威があろうと
この部屋の中に流れる二人だけの時間だけは、誰にも侵されない。
俺たちはこれからも、この歪で完璧な愛の中で、溺れるように生きていく。
首元のチョーカーが、その永遠の誓いのように、今日も静かに熱を帯びていた。
◆◇◆◇
後日
「霄くん、今日もいい子にしてた?」
「……当たり前じゃん。早く来てよ、玲於のこと待ってたんだからさ」
二人が永遠の執着を誓い合い
玲於が俺の首元のチョーカーを愛おしそうに引き寄せ、再び深い口づけを交わした。
コメント
2件
最後に共依存しちゃうとか最高の終わり方でとっても素敵な作品でした😍💖しかも、完全に終わりって感じじゃなくて、この日常が今も続いてるんだなって思える終わり方で、とても素敵です‼️文字を見るだけでとても伝わってきます👀💖とっても素敵な作品ありがとうございました😍🙇♀️💘
スペースとオリキャラ達
猫塚ルイ
