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翌日、遂に私達はあのヴァンパイアを退治する日がやって来た。
が、何故かマリアルの姿が見えない。今日が当日だというのに…。
ラヴィス「…遂に、この日がやって参りました。存分に発揮して下さい!」
ツヴェル「アタシ達ならやれる!」
クロスト「えいえいおー」
テラード「君達のその意志。こちら側でも応援している。何かあったら受信機で伝えてくれ」
ラヴィス「はい、司令官」
ゲルタ「では、これより、向かうぞ!」
一同「はい!!!」
ラヴィス「すみません、うちの小隊長が不在で」
ゲルタ「一緒に同行できずに非常に残念ではあるが、一刻も滅ぼすのが最優先だ。仕方がない」
ラヴィス「は、はい…」
ミカン「ほほう……ん゛〜と、、、、」
エミル「あぁ…はずれた…。あ、お次どうぞ」
ミカン「神経衰弱うますぎないか!?」
エミル「いやいや、偶然ですって」
ミカン「それかなにか特殊な…」
コンコンコン
ミカン「良いぞ〜」
ガチャッ
アミリア「少々お時間の方を宜しいでしょうか」
ミカン「どうした?」
アミリア「我々が滅亡してしまう危機を感じます」
ミカン「危機じゃと?」
エミル「えぇ!?僕ら終わるんですかぁ!」
アミリア「…?ミカン様、ご存知ではない?」
ミカン「ご存知ないぞぉ!」
アミリア「これは街の住人からの噂程度でしかないのですが、ヴァンパイアハンターが攻め込んでくるみたいなのです。どのようにしてくるのかは…正直分からないですが…」
ミカン「それはまずい…」
一方…。
一緒に同行?ははっ、笑わせる。私1人でも、少しならね。
きっと、ここには能力を持つものもだざる者がいると推測する。
ただ逃げてるだけだ。
立ち向かおうとしない。
これがヴァンパイアなのか?私の家族を殺したヴァンパイアなのか?実に哀れで滑稽だ。
自分より下がいたのかと、初めはこの先戦場でどうなるか分からなかった不安が、やがて不適な笑みに変わる。
ここは、この組織の中では比較的弱い私が自信を持って戦える。そんな場所なのかもしれない。やっと私が直々に下すことができる日が来た。今まではターゲットはすぐ奪われる。そんなことばかりだった。
そんなことを考えていたら、衝動的に私は、ターゲットに向かう。
雑魚が1人、、2人、3人。お得な方だろうか。
マリアル「ふっ、観念しな?ここに逃げ場はない」
こいつらをどんどん隅に追いやり、距離を詰める。左右にいる奴らは中心にいる奴に身を寄せ、縮こまる始末。私が想像していたヴァンパイアとは程遠い無能力者の人間。
人の形をしているがそれを人と呼ぶには勿体ない。それ以下。
マリアル「くっ、雑魚が。くたばってしまえ」
こいつらを合わせて10人ぐらいか。どれくらい居るのか分からないな。
しばらく歩いていると声がする。あの奥に居るのは、、ここの奴らだ。
見てる感じ避難させてるっぽいな。雑魚ばっか眷属にしちゃって、その分犠牲も多くなる。
ミカン「ほれほれっ、こっちじゃ!足元に気をつけろよー!それそれ!」
あの女、眷属を連れて逃げるのか。少しでも生かしたいのか…?
残念だな。
マリアル「おい!ヴァンパイアども、何してる」
ミカン「しまった」
マリアル「逃げようだなんて考えるな」
ミカン「ここはわしが!お主ら、早く!」
マリアル「そうはさせない!」
私は素早く次々と剣で切りつけ軽傷を負わせた。奴らは痛い痛いと言いながらその場に倒れ込む。
お前らの痛みよりもこっちは何倍も、治らぬ傷を負っているのだ。ヴァンパイア風情にっ…!
ミカン「そ、そんな…」
怒りが抑えきれない。勢いのまま、眷属を連れていた女を刺した。
どうやら、眷属、言い換えれば半人は普通に刺したら死んでしまうが、サンルナ族含めて、全てのヴァンパイアは急所である心臓を殺らなくては死なないという。
ミカン「うぐっ……」
…サンルナ族とかいってそんな半人とそんな大差はないのか?
それともサンルナ族の中で底辺級のヴァンパイアなのか?
今までよくここまで生きてこれたもんだ。運が良かったのか。
マリアル「大したことなかったなぁ」
それか、まさか私が強くなったとか?何それ、最っ高じゃん。
はぁ、全く、雑魚ばっかね〜。誰か居ないかしら〜?あら〜。
この部屋、誰か居るなぁ。こいつもどうせ同じ感じでしょ?
とっとと死んでもらうよっ!
私達は今、森の中、木々の間からは館のようなものが見えてきた。すぐ近くなのだろう。
慎重に、奴らは人間じゃない。油断してはならない。
ツヴェル「ふむ、ここがその館か」
ゲルタ「お前ら、慎重にな」
ゲルタ長を先頭に続々と裏口らしき場所を見つけ、扉前まで来た。大隊長、部下までいるのにおどおどなんてしてられない。堂々と行かなきゃ、皆んなだって強敵を前にしてる。
ゲルタ「では、始めるぞ」
と同時にゲルタ長は扉を勢いよく足で蹴った。扉は木製で少々古びていた。
ゲルタ長が入ると、私達はそれに続いてぞろぞろと入る。
すると、少し距離が離れているあたりに数名ここの者だと思わしき人物達がこちらを見ている。
そして、皆、次々に走って行った。
あちらこちらから悲鳴が聞こえてきた。
クロスト「うーん」
特にこれといって強い、って奴は今のところ会ってはいない。噂ほどでもないのかも。
ちょっと期待外れかもなー、張り切りすぎちゃったのかも。
ここは2階が最大なのかな。
2階居るのって…これだけ…?
キョロキョロ周りを見たが何一つ音がしない。
やっぱり大したこと…
クロスト「…え、」
部下、か。
名前は…駄目だ。覚えようとしたことないから部下ってことしか分からない。
顔は何回か見たことあるけど。
何人か揃ってここでやられてしまったか。
あ、この部下。前、司会してたような…この子の毎日特訓に励んでる姿、毎日見かける。私が訓練してる時、
目、輝かせて見てたっけな。
アミリア「おや、お嬢さん。こんなところで何を?」
クロスト「君は…。ここの眷属にあたる人だったりする感じかな?」
アミリア「正解。よって君達を排除しなくてはならないね」
クロスト「じゃあ、尚更、覚悟しておい他方がいいかも」
アミリア「…っはぁ。結構な実力者のようだ。聞いた通りだね」
クロスト「君も凄い。ここまでの人見たことない。あ、でもやっぱ、ゼロでは、ないかも」
アミリア「さぁ、これで最後、」
クロスト「何回も思ったけど、君、隙だらけかも。練度は早い方かもしれないから、頑張れば、、誰かに追いつく、かも」
アミリア「……っ!」
私は彼の腹に打撃を与えた。しかしこの打撃は気絶する程度。気絶してる間に拘束し、人間に戻してもらえる場所へ連れて行く。
クロスト「じゃあね」
アミリア「…練度…か」
………気絶したっぽい。
よし、マリアル探さないとなー。ヴァンパイアにされた人間にも関わらず、殺してるからなー。
気絶させてって何回も言ってるのに。
ここら辺のヴァンパイアハンターは皆んなヴァンパイアにされた人間は殺さずに人間に直してもらい、しばらく檻の中に入れるといった形を最近し始めた。
馴染めない輩もいるけど私も初めはそうだった。でも今はほとんどができてるかな。
ここって普通の家とは違って異様な雰囲気というか、仄暗い…。足元とか気をつけたほうがいいのかも。
ん?向こうのドア…開いてる…?他は…閉まってるか。誰かいるかもしれないし居ないかも…一応確認してみるか。生き残りのヴァンパイアにここから逃げられたら、また被害が出てしまうかもしれない。
私は恐る恐る半開きになっているドアを開けた。
ラヴィス「…っ!?マリア、ル!?!」
カヤト「…ん゛っ。まっず。何これ」
ドザッ!
ラヴィス「マリアル!マリアル!大丈夫!?…っ!」
私は持っている剣をすぐさま両手でしっかり握り締めてヴァンパイアの方に向ける。
その手は、震えている。正直相手がどれくらい強いのかまだ分からないから。
カヤト「…?何?お前誰?お前も…あれか?餌?」
ラヴィス「もう2度と貴方の好きにはさせないんだから!ば、化け物!」
カヤト「……はぁめんどくせーなー。柚未ー」
柚未「なぁに?アヴェちゃん」
カヤト「だからその呼び名やめろって。…相手してやってよ。だるい」
柚未「えー私だってめんどくさいよーーーッ」
ラヴィス「貴方は?」
柚未「私、アヴェちゃんのボーイフレンドなんだ〜♡」
カヤト「ちげーし。お前、彼氏いんじゃなかった?」
柚未「あ、あいつ…やだ。私のこと考えてくれない!クソダサメッシュとはもう別れたから〜♪」
カヤト「もったいな」
柚未「カヤトには分かんないでしょーね〜」
カ、カヤト!?彼はサンルナ族ではないけれど、少々警戒したほうがいいといわれた人物…。
今がチャンス。今しかない!
カヤト「……お前も気になんな〜」
するといきなり彼は距離を詰めてきた。
カヤト「ふーん。中々、いい体し、」
柚未「この女たらし!また触ろうとしてさ!」
べチン!
カヤト「いったっ!別に違くね?」
柚未「し、嫉妬しちゃうからやめてって!」
カヤト「はぁ?何こいつ……ってか剣置けよ。どうせ、俺には勝てねぇって、な?」
柚未「降ろせ、降ろせー!」
ラヴィス「…っ!」
私はどうすることもできなかったのだった…。情けない…。
ジョセフ「君、中々やるねぇ、僕ちょっと疲れてきちゃった、かもっ」
ツヴェル「そう言うアンタ、なんか隠し持ってる気がするなっ!」
ジョセフ「っそれって君が勝手に思い込んでるだけかも、ねっ?」
ツヴェル「えぇ?そうじゃないのかい?!」
すると、彼は急に攻撃を中断し、落ち着いたように話し始めた。アタシもそれに合わせて、止める。
ジョセフ「じゃあ逆に君も、、はぁ、疲れてたり?」
ツヴェル「まぁ、、、多少は、な?でもまだまだやれる気がするな!」
ジョセフ「その根性どこからきているのやら…長年生きてきてはいるけどここまでの熱量ある人、見たことないよ」
ツヴェル「父ちゃんの遺伝だったりすんのかなぁ?うちの父ちゃんも昔ながらに結構熱量のある人なんだ!」
ジョセフ「そうなのかい」
ツヴェル「っと、ここでそんな話してる場合じゃねぇ…アタシはアンタをここで倒す。それが目的なんだ。大人しくやられてもらうぞ!」
ジョセフ「そう言われて安易に死ぬわけにはいかないねぇ」
ディサイア「中々、しぶとい奴だっ」
ゲルタ「貴方も…」
ディサイア「最大出力でっ!!!!」
ドガーーーーーーーン!!!
ゲルタ「うぐっ…」
流石は噂通りの実力、長寿の生命体であるヴァンパイア。人間なんかが到底勝てる相手ではない。だが、ヴァンパイアハンターは数々の任務をこなし、今に至る。正直、瀕死になってでも勝てるような相手だろうと思っていたが、、これは長くなるな。一歩でも油断していては、死んでしまう。
自分自身ももう、ふらつき始めている。きっと相手もそうに違いないだろう。だが、殺意が高く見受けられる。
すると急に発信音が聞こえる。
テラード「き、君達!救急要請だ!すまないが、引き返してくれたまえ!」
その声の元は司令官だった。向こうで何が起こったのか分からない。伝えるぐらいまずいということだろう。
テラード「お願いだ、たの、」
ガサッ、ザーーーーー、、、、、
???「、ん、〜?な、ん、、、、これ?」
???「な、な、、、受信するやつ、、じゃ、、、な、、?」
???「あー、、ーー、、、ーだ、、、き、、えて、?」
誰からかの声。司令官じゃないことは確か。誰がに潜入されたのか。こちらにいる間に…何者かが…。こうしてはいられないような気がする。住人が心配だ。
ゲルタ「……」
ディサイア「…ん?居なくなったか?」
ダッタッダッ……
伝言は…副長のツヴェルにしよう。
ピピッ!
ゲルタ「お、おい!ツヴェル!聞こえるか!急いで、街に向かうぞ!こちらは大隊長が引き受けてくださった!!」
聞こえているのだろうか。心配だ。他の皆んなは…生きているだろうか…?