暖かい日差しが指す3月の半ば。
もう冬というよりは春に近くて、気温も少しづつ上がってきた
夏でもないのに風鈴が年中置いてある窓辺で、おばあちゃんがお茶を嗜んでいた
私はおばあちゃんに「お菓子持ってきたよ」と言うと、おばあちゃんは『ありがとう、近くに置いておいて』と言った
言われた通りに近くに置いて、隣に座る
おばあちゃん『もうすぐで桜が咲くねぇ』
私「そうだね、庭の桜も綺麗に咲くといいね」
おばあちゃん『そうね』
家の庭には桜が咲いていて、毎年綺麗に咲いてくれる
小さい頃は木の下でお花見をしたものだ
昨日の夜ご飯の残り物をお弁当に詰めて
おにぎりを家族分握って
水筒にお茶を入れて
みんなで笑いながら食べたのが懐かしい
…まだ中学生なんだけどね、懐かしいとか言える立場なのかは分からないや
私「お花見、したいな」
おばあちゃん『久しぶりにしてもいいかもね、今年はしようか』
私「やった、楽しみ」
おばあちゃん『…最近学校はどう?』
おばあちゃん『行ってないみたいだけど…』
私「…………」
おばあちゃん『何か悩み事でもあるの?』
私「…なんもないよ」
おばあちゃん『そう…』
学校には行ってない
いわゆる不登校というやつ
もちろん勉強もしてるし、ある程度の家事もこなしている
担任の先生が……
その、なんていうか
…ボディタッチが異様に多くて
肩とか手とか触られるくらいなら別にとは思う
腕とかお腹…ってどうなんだろう?
お腹が痛いから保健室に行きたいと言えばお腹をわざわざ触ってくるし
体育の時は 筋肉質なんだね と言って腕を触ってくる
変に放課後呼び出しては2人だけの空間を作ってくるし
距離が近いし
友達にも誰にも言えないのが辛くて仕方がなかった
行かなくなってから数日、色んなカウンセリングに言ったけどほんとの事なんか言えず終わる
それから行かなくなってしまった
考えるだけで鳥肌が立つ。
おばあちゃん『学校ってめんどくさいわよね』
おばあちゃん『…というか、行きたくないなら行かなくてもいいと思う』
私「……?」
おばあちゃん『私も行きたくない!って駄々こねて数週間休んでたわ』
おばあちゃん『でも先生に無理やり連れ出されて仕方なく行ったw』
おばあちゃん『酷いでしょ?』
私「う、うん…無理やりは…ちょっと」
おばあちゃん『理由があって行きたくないでも、理由もなく行きたくないでもいい』
おばあちゃん『そういうものでしょう?』
私「そうなのかな……」
おばあちゃん『そうだ、せっかくだから私の話に付き合ってくれない?』
私「え?うん、それはいいけど」
おばあちゃん『そうね、何から話そうかしら』
そう言っておばあちゃんは話していった
おばあちゃん『私ね、小さい頃好きな人がいたのよ』
おばあちゃん『小さいって言っても小学生なんだけれどね 笑』
おばあちゃん『でもこんなヨボヨボになっちゃったから昔って言ってもいいかしら 笑』
私「まだ若いと思うけどなぁ……」
とか言いつつおばあちゃんは今年で82歳
人生の大先輩だ
おばあちゃん『そう、それでね』
おばあちゃん『私好きな人と絶対に結婚する!って強い意志を持ったの』
おばあちゃん『短冊にも書いたし、クリスマスにも プレゼントは〇〇君がいい!って書いたのよ?』
私「クリスマスに?!すごい意志……」
おばあちゃん『バレンタインも毎年渡したしずっと努力してたの』
おばあちゃん『でもね!その子彼女がいたのよ?』
私「え?!」
おばあちゃん『昔は思わなかったし、普通だと思ってたけど小学生で彼女がいるって早すぎないかしら…』
おばあちゃん『私なんておじいちゃんと付き合ったの20歳近くだったのよ?笑』
私「そうなんだ…」
おばあちゃん『それでね、も〜…知った瞬間泣いちゃってね』
おばあちゃん『男の子にずっと慰めてもらってたの 笑』
おばあちゃん『それがおじいちゃんなのよ』
私「おじいちゃんとおばあちゃんってそんな昔から出会ってたんだ……」
おばあちゃん『私の何に惚れたのか未だに分からないけれどね、顔かなぁってちょっと思ってるの』
おばあちゃん『私、昔は美人だったのよ?』
私「今も美人だよ?」
おばあちゃん『あらまぁ 笑』
おばあちゃん『それでね、恋愛が怖くなっちゃってね』
おばあちゃん『告白されても断ってたの』
おばあちゃん『おじいちゃんにも告白されたんだけれどね、あの人は〜…もう……ね?ずっと諦めなかったのよ』
おばあちゃん『私が数週間休んだ時にもずっとメール送ってくるしプリントも届けてくれるの』
おばあちゃん『あの人もねぇ、なかなかの美形だったのよ』
おばあちゃん『性格はいいし、優しいし、顔はいいし、運動もできるし』
おばあちゃん『あ、勉強はできなかったわよ?』
私「意外…」
おばあちゃん『そう、だからね……正直…ちょっとだけね』
おばあちゃん『私にはもったいないなって思ってたの』
おばあちゃん『あの人に恋してる女の子にも睨まれてね?すごく苦労したのよ』
おばあちゃん『だから一時期ずっと無視してその子のこと応援してたの!』
おばあちゃん『でもね、おじいちゃんこう言ったのよ』
「例え君が僕を嫌っていても、僕は君のことが好きだ!」
「だから無視をしないで、僕のことも少しは眼中に入れて欲しい…」
「振り向かせてくれるチャンスが欲しい」
おばあちゃん『って言ったのよ?今思えばとてつもないイケメンね 笑』
おばあちゃん『でもその姿を見て少しときめいてしまったのよ』
おばあちゃん『それで照れ隠しでね』
『…別に嫌ってはないわよ』
『バカね、あなたは。』
おばあちゃん『って言ってしまったの 笑』
おばあちゃん『何故かあの人は嬉しそうな顔をしてまた告白してきたのよ?』
私「…バカというか、なんというか……?」
おばあちゃん『そうなるわよね 笑』
おばあちゃん『でもそれが不器用なあの人なりの戦法だったのかもしれないわねぇ』
おばあちゃん『それからちょっとは自信が出てきてね、応援してた子には申し訳ないけど自慢げにあの人のこと独占してたわ 笑』
私「もう好きになってたの?」
おばあちゃん『いいえ?ただからかってただけよ』
おばあちゃん『…まぁ、惚れてはいたのかもしれないけれどね』
おばあちゃん『でも日に日にあの人に会うのが楽しみになってしまって、毎日来るメールも待っていたの』
おばあちゃん『来ない日には私から送ったこともあったわ』
おばあちゃん『あの人は中学を卒業しても、高校を卒業しても私にアプローチしてたわ』
おばあちゃん『高校の卒業式の日にね、あの人に呼び出されたの』
おばあちゃん『ロマンチックにしたかったのか…わざわざ桜が満開に咲いている場所を選んで呼び出してきたわ 笑』
おばあちゃん『…それでね』
おばあちゃん『いつも通り、告白されたの』
おばあちゃん『でもいつもとはまるで違う感情になってしまってね』
おばあちゃん『告白された瞬間少し泣いてしまったの』
おばあちゃん『あの人、私が泣いたからかすごく困惑しててね』
おばあちゃん『上手く喋れなかったけど、ちゃんと伝えたの。』
「あなたのことが好きです」
「何度目か分からないし、何度振られてしまったかも覚えてない」
「だけどいつも通り、受け流してもいいから聞いて欲しい」
「あなたのことが世界で1番好きだ」
「どうか僕と、……え…?」
『ぅ、ッ……ぐ…っ…』
「あ、え?!!なんで…泣いてっ……」
「えっと……ぁ…、あの…!!」
『ねぇ、お願い…私から言わせて……?』
「へ?」
『私と付き合ってほしい…っ』
「!」
「ぼ、僕でよければッ……!!!」
『何回も告白してきてるくせに何言ってんの、笑』
「だ、だって君からなんて!」
『ふふっ、幸せにしてくれる、?』
「当たり前だろ!!」
おばあちゃん『幸せだったわぁ』
おばあちゃん『あの人、宣言通りちゃんと幸せにしてくれたの』
おばあちゃん『お陰様で結婚までしてしまったからね 笑』
私「そうだね……おじいちゃん凄いや、」
おばあちゃん『何度も何度も飽きずにしてくるなんて、飛んだ飽き性なんだなって思ってたの』
おばあちゃん『でも付き合ってわかったの』
おばあちゃん『諦めないって大事なんだなって』
私「…うん」
おばあちゃん『あら、もうこんな時間』
おばあちゃん『…私、何から話そう とか言ったくせに惚気話に漬け込んじゃったわね』
おばあちゃん『ごめんなさいね』
私「ううん、聞いてて楽しかったよ」
私「おじいちゃんの意外な一面聞けて良かった」
おばあちゃん『そう、それなら良かったわ 笑』
おばあちゃん『さてと、私は散歩にでも行ってこようかしら』
私「ついていこうか?」
おばあちゃん『平気よ、おじいちゃんを連れていくから』
私「…そっか、楽しんでね」
おばあちゃん『ええ、行ってきます』
私「行ってらっしゃい」
おばあちゃん『あなた、散歩にでも行きましょう?』
おじいちゃん「君が散歩とは珍しいね」
おばあちゃん『少し昔話をしてきてね、あなたと懐かしさを堪能したいの』
おじいちゃん「それなら行くしかないなぁ笑」
私「……」
いつもはほのぼのとしたおばあちゃんも、昔はツンデレ気質な一面があったんだなと思った
おばあちゃんが春を好んでる理由もよくわかった
あんなに楽しく話されると気分良くなるな
……
早く桜が咲かないかなぁ
はぁいお久しぶりです無名ですぅ
今回は百合とかじゃなくノーマルです!
リハビリです!!!!
てか僕リハビリで投稿してくわー!とか言って結構たったな。
あらヤダ職務放棄
本業学生やけど
小説もね、下手になったなとは書いてて思った
言葉が思いつかんのや……!!!
毎日書いてた時はさ んだこれキモチェエエエエエッ!!! って感じで書けてたんだけどね
今だと やばい思いつかない放置しよかな になってる
劣化してます無名です
あと久々に書いた感想としては容易に2時間経っててびっくりしちゃいました
あらやだびっくり!
ちなみに珍しく深夜テンションは治まりつつあります
いつもだったらもうちょいうるさい
1人でクラブ開けるくらいにはうるさい
今は いつもバカうるさい陽キャが急に冷めた顔で本を読んでる くらい静か。
天と地の差ってやつねテスト出ないよ
なんか朝4時半にもなってくるとね。
色々話したいことはあるんですけどね、これ以上長くすると5000文字いきそうなんでやめますネ。
じゃあまた次の投稿で!
おつにーーーだんっ5!!
コメント
0件