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エストピア郊外、神社

「今日もいい天気だなー!」

山の奥にひっそりと佇む小さな村、エストピア。

その中でもさらに森をかき分けると小さな神社がある。そこには、1人の少女が巫女として神社の清掃に励んでいた。

その少女の名前は「エラ・ヴェリタ」。赤い目に白の髪が彼女の儚さを醸し出している。彼女の両親は物心がついた頃には存在せず、現在この神社を1人で管理している。

しかし、彼女はそれを苦と思っておらず、むしろこれくらい全て1人でやって当然だと考えていた。

「今日も1日、頑張るぞー!!」

彼女かそう意気込んでいると、とある1人の青年がとんでもない形相で鳥居を走り抜けてきた。

「エラ!力を貸してくれ!!」

肩で息をしながらそう話す彼は「ルーダ・ユスティーツ」背中に鉄でできた剣を装備しており、紫髪で顔が整っている。その見た目は村を守る剣士とは思えないほど爽やかだった。

「どうしたの?ルーダ」

彼女が首をかしげ、不思議そうにそう答えると、彼は息を激しく吐きながらこう答えた。

「エストピアが……モンスターの襲撃に……」

ルーダがそう答えた瞬間、エラの顔はみるみる青ざめていった。何故だ。エストピアはここ数年モンスターの襲撃にあっていないはずだ。これがかなり非常事態であることは郊外で暮らすエラにもわかった。

「何か私にできることは!!」

彼女が力強くルーダに向かって話すと、彼はその言葉を待っていたかのようにエラに向かって話した

「君のスキルがあれば少しでもこちらが有利になれそうなんだ!」

エラは先程とは一変、不安そうな顔になる、お前も戦えということか。

「私……戦闘経験皆無だよ……?」

そう、この神社には強い結界が貼られており、モンスターが寄り付かないのだ。この環境で育ったエラからするとモンスターと戦うなんてありえない事だった。

「スキルとか一切使ったことないんだけど…」

不安気な顔をするエラを慰めるようにルーダはエラに目線を合わせ、語りかける。

「大丈夫。モンスター自体は僕が倒すから。」

それでもエラの不安は残ったままだ。仕方ない。モンスターと戦って命を落とす危険性だってあるのだから。

しかし、いくら怖がっていてもこの状況は変わらない。むしろエストピアが崩壊している可能性もある。そう気づいたエラはほんの少しの勇気を振り絞り、真っ直ぐな目でルーダに伝えた。

「……分かったわ。私をエストピアへ連れて行って頂戴。」

そう聞いたルーダは少し微笑んだだけだが、その表情は心から嬉しそうであった。心強い味方が出来たのだから。

ルーダはエラの手を握り、

「ありがとう、エラ。それじゃあ着いてきて。」

と言った。

そして2人はエストピアへと駆け出した。森をかき分け、道無き道をずっと辿り続けた。運がいいのか道中にモンスターは現れなかった。2人は一心不乱に走り続けた。

やがてエストピアにたどり着くと、そこには既に荒らされた建物とモンスターで溢れかえっていた。

どうやら村人は既に避難済みのようで、確認できる人間は討伐隊として参戦した戦士しかいなかった。

「おいルーダ!何をしているんだ!」

どうやら討伐隊のリーダーらしきものがモンスターを倒しながら顔だけをこっちに向けてそう言い放った。

「すみません!!今行きます!!」

そういった彼は私にアイコンタクトと取ろうとした。どうやら一緒についてきて欲しいようだ。

エラはモンスターに対する恐怖で怯えていたが、ルーダがいるなら大丈夫。守ってくれる。と自己暗示をかけ、ルーダの後をついて行った。

しかし、ついて行ったのはいいものも、村の中心に辿り着いたエラはどうすることもできず、ただ杖を握りしめながらルーダが戦う様子を見守ることしかできなかった。

その様子を見たルーダはエラにスキルを使うよう要請したが、戦闘経験がないエラはスキルの使い方すら分からなかった。

しかし、この状況をただ傍観しているのも辛い。どうすればよいのだろうか。ずっと立ちすくんだままのエラを見かねたのか、ルーダはエラに向かって

「祈れ!!ただひたすら祈れ!!」

と叫んだ。すぐさま行動に移したエラは言われるがままに両手で杖をぐっと握りしめ、戦士たちに「モンスター達を倒して!!」と心の中で叫ぶ。

すると、エラの祈りが届いたのか、不思議なことに戦士たちの活力が倍近くになったような気がした。

「まじか!なんか今俺つえー気がする!!」

「よっしゃ!モンスターぶっ殺すぞ!」

攻撃力が上昇した戦士たちは、次々にモンスターを殺していく。もちろんその戦士の中にはルーダの姿もあった。

みるみるうちにモンスターは討伐され、村人たちも避難場所から帰ってきた。

「お前、名前は?」

先程の討伐隊のリーダーがエラに話しかけてきた。

「……エラ・ヴェリタです。」

「エラ・ヴェリタね……」

そう反復するリーダーの顔は少し怒りを感じているようにも見えたが、その見た目からは反して深深とお辞儀をし、

「討伐隊への協力、非常に感謝する。」

とお礼を告げてきた。どうやらエラの行動は間違いではなかったようだ。

「いえいえ、お礼を言うのであればルーダにもお願いします。」

そう言ってルーダをリーダーの前へと押し出した。ルーダはかなりキョトンとしている。

「なんで……?僕何もしてないよ?」

少し申し訳なさそうにしているルーダを横目にエラはリーダーへ

「この私を連れてきてくれたのはルーダなんですよ。」

と語った。それを聞くなりリーダーは

「ルーダ、やるじゃないか。」

といい、ルーダの頭をわしわしと撫でた。ルーダは「やめてくださいよ〜」と言いながらも、満更でもなさそうな顔をしている。

「改めて、君たち2人には大変感謝している。これから私たち討伐隊は王宮へと帰る。では。」

と言うと、討伐隊たちはエラ達が神社から向かった方向と真逆の方向へと歩き始めた。しかし、ルーダはそちらの方向には向かおうとしなかった。

「おいルーダ、どうしたんだ?」

力強くルーダに向かって言い放つと、ルーダは真剣な表情でリーダーにとある提案をした。

「リーダー、お願いします。僕をこのエストピアへとどまらせてください。」

リーダーは一緒「は?」という表情をしたが、気にせずルーダは続けた。

「このエストピアには剣士が1人もいません。襲撃が起きた今、誰か一人でもいた方がいいのでは無いでしょうか。」

リーダーに詰め寄りながらそう話すルーダに対し、リーダーは少し悩んだ後、ルーダに向かい

「分かった。お前にエストピアの居住権を与えよう。」

と宣告した。それを聞いたルーダは心から嬉しそうな様子で「ありがとうございます!!」と言った。

討伐隊は方向をくるりとかえ、王宮への方へと向かって歩き始めた。姿が見えなくなった頃、私はルーダに対し、

「どうしてそんな突然に……」

と聞くと、彼はほんの少しだけ真剣な表情になり、空を見ながら

「何か嫌な予感がしたんだよね。」

とだけ話した。嫌な予感とはなんだろうか。エラは気になり、ルーダにさらに聞こうとした。

「ねえ、嫌な予感って…」

しかし、その質問は

「いいねー、男女同士の協力って。」

という声に遮られた。声がした方面を向くと、そこには銃を持つ緑髪の女性の姿があった。

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