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第三十五話 迷宮ビル
jp「う、ううん…?」
ゆっくりと瞼を開く。
目の前に見えたのは硬いコンクリートの天井。
次第に体に伝わってくる、コンクリートのひんやりとした感覚。
jp「っ!?」
意識を失う直前の記憶が蘇ってき、俺はガバリと体を起こす。
jp「こ、ここは…?」
ya「お、やっと起きた」
jp「ぎゃああああ!?!?」
突然誰かに声をかけられ、俺は情けない悲鳴をあげてしまう。
ya「おまっ…うるさ…!?耳壊れるって!」
jp「な、なんだ…yaくんか。ごめんじゃん」
見ると近くにyaくんがぷかぷかと浮いていた。
しかし、ttとnoにいの姿は見当たらない。
jp「ゆ、yaくん。ここどこ?ttとnoにいは?」
ya「さあな?俺も気がついたらここにいて…。ここに倒れてたのはjpだけだったし、2人のことは俺もさっぱり」
yaくんは手を上げて首を振る。
jp「そっか…」
俺は再び周囲を見渡す。
殺風景なコンクリートの部屋。
ところどころに埃や蜘蛛の巣がはびこっており、かなり長い間放置されていることが伺える。
それは意識を失う前に居た廃ビルのエントランスと似たような雰囲気に思えた。
ということはここは…
jp「あの廃ビルの一室…?」
意識を失っている間に誰かに運ばれたのか?
いや、それだとゆーれいのyaくんまでもが移動していることに説明がつかない。
となると…悪霊の仕業か?
確か意識を失う直前、ttが気になることを言っていた。
“tt「なんで…外にいる時は何も感じひんかったのに…」”
“tt「おい!jp!noさん!2人とも今すぐここから出ろ!ここは…」”
ttは、このビルに潜む何かの存在に気付いた様子だった。
ttのあの焦りよう…。
ただの悪霊だとは思えない。
おそらくはかなり厄介なもの。
jp「yaくん、ひとまず2人を探しに行こう!」
ya「そうだな」
俺とyaくんはもといた部屋から出て、2人を探すことにする。
部屋を出ると、コンクリートの冷たい廊下が続いていた。
廊下にはいくつも扉がついている。
jp「2人はどこだろ…」
この大量にある部屋を一つづつ確かめていかないといけないのだろうか?
果てしない作業に気が遠くなりそうになる。
その時、
ya「おい、jp。こっち」
yaくんが俺が行こうとした方と反対方向を指差した。
jp「え?何?そっちに何かあるの?」
ya「こっちからnoさんの気配を感じる。だから多分こっち」
jp「は?noにいの気配…?」
ya「うん。ずっとnoさんに憑いてたからかな?離れててもnoさんの気配がなんとなくわかるようになったんだよな」
jp「…」
俺は無言でyaくんから距離を取る。
ya「は?何距離取ってんだよ!」
jp「い、いや…ちょっと…」
ya「何引いてんだよ!!別にいいだろ!!それで2人と合流できるならさ!!」
jp「それはそうだけど…」
ya「あー!!うるさいうるさい!!んなこと言ってたら置いていくぞ!!」
jp「あ〜ごめんごめん」
互いに小言を言いながら俺とyaくんは歩いていく。
ya「てかなんでお前と2人なんだよ。2人きりになるならnoさんとがよかった」
jp「はあ?何?俺じゃ頼りないって言いたいわけ?」
ya「そうだけど?」
言い合いは次第にヒートアップしていく。
ya「お前なぁ!ーー!!💢」
jp「そっちだって!ーー!!💢」
その時、
jp「…ん?」
俺はふと違和感を覚える。
jp「…ねえ、yaくん。ほんとにこっちで合ってんの?」
ya「はあ!?何!?文句でもあんのかよ!」
jp「いや、そうじゃなくて…なんか変じゃない?」
ya「変?」
jp「俺たちさ、ずっとまっすぐ歩いて来てるよね?」
ya「え、うん…」
yaくんは戸惑いがちに頷く。
jp「この廊下の突き当たりって…いつ辿り着くの?」
ya「あ…」
yaくんも違和感に気づいたようだ。
そう、かれこれ5分くらい歩き続けているがいつまで経っても廊下の先は見えないのだ。
jp「…まさか」
俺はふとあることを思い、偶然持ち合わせていたペンを床に置く。
jp「…よし」
ya「…?何してんの?」
jp「yaくん、行くよ」
ゆあん「え?あのペンは?置いてっていいの?」
jp「うん」
俺の想像が正しければ、多分…。
俺たちはまっすぐ続く廊下を進み続ける。
しかし数十秒後、驚くべき光景を目の当たりにした。
ya「…え、は?なんで…」
jp「…やっぱり」
俺は目の前に落ちていた“ペン”を拾い上げる。
それは先ほど俺が置いたペンと全く同じもの。
つまりこのことが示しているのは…。
jp「yaくん」
俺は内心焦りを含みながら、静かに告げる。
jp「俺たち…多分この廊下をずっとループしてる」
・・・
《tt.side》
tt「う、んんっ…」
目を覚ますとそこは見覚えのない一面コンクリート殺風景な部屋だった。
おそらくは悪霊の力により、ここに転送されたのだろう。
周囲を見渡すと近くにnoさんが倒れていた。
tt「noさん、noさん!」
noさんを揺するが、う〜んと言うだけでまだ目覚めそうにない。
仕方なく、俺は周囲の気配に意識を巡らす。
tt「やっぱりいるな…」
意識を失う直前、というか廃ビルに入った瞬間に感じた、あの強力な悪霊の気配。
どういうわけか、建物の外にはその気配が漏れ出ておらず、気がつけなかった。
こうなったのは少しでも油断した俺の責任だ。
tt「…jpとyaくんの姿はないか」
となるとおそらく2分割されたのか?
これも悪霊の力によるものだろう。
これまた厄介なものだ。
まあ、悪霊に対抗できる俺とyaくんが分かれたのは不幸中の幸いだったか。
そんなことを思っていると…
no「ううん…」
noさんがうめき声を上げ、起き上がった。
no「んんっ…?あれ、ここは…?」
tt「noさん、起きてそうそう悪いけど、今わかってることを説明すると…」
俺は一つずつ説明していく。
俺たちは悪霊の力によりここに転送され、jpとyaくんとは分かれてしまったと。
そしてここにはそんな能力を持つ、危険な悪霊の気配がすると。
no「なるほど…」
意外にもnoさんはずっと冷静だった。
こういう時パニックにならずにいてくれるのは本当に助かる。
tt「とりあえずjpたちと合流できたらいいねんけど…」
no「そうですね。…一度部屋から出てみますか」
俺たちは部屋から出て、ビル内を捜索することに決める。
部屋の外にはまっすぐとコンクリート壁の廊下が伸びていた。
等間隔にドアがいくつも並んでおり、部屋を一つ一つ見ていくのは到底できなさそうだ。
tt「とりあえず進んでみるか」
no「そうですね」
俺はたちはただただまっすぐと伸びる廊下を歩いていく。
歩いて、歩いて、歩いて…。
tt「…」
no「…」
tt「…なあ、noさん」
no「…あの、ttさん」
ほぼ同時に、俺とnoさんは互いに声を掛け合った。
tt「…これ、さっきと同じ場所やんな」
no「はい、多分…」
どれだけ歩いても廊下の突き当たりに辿り着くことはなく、俺たちは同じ場所をずっとループしている。
そのことに気がついた。
tt「チッ…、これも悪霊の能力か…?」
つい舌打ちが弾ける。
厄介にも程がある。
tt(一体いくつ能力を…いや、待て?)
その時俺は思い直す。
tt(これら全部が一体の悪霊による能力とは限らへんか…。あいにくこの廃ビルにはうじゃうじゃ悪霊がおるし、転移とループは別の個体による能力か?)
だとしたら…
tt「noさん」
no「はい?」
tt「ちょっとここで待っててくれ」
no「はい…?」
noさんを廊下に待機させ、俺は一つの部屋の扉を開いた。
ずっと気配には気づいていたが、強力な悪霊の方に気を取られ、あまり意識していなかった悪霊。
それがその部屋にはいた。
悪霊「ヴヴヴ…」
tt「このループ…お前の仕業か?」
悪霊「ヴヴヴ…!」
tt「全く、厄介なことしやがって…」
唸り声を上げる悪霊を俺は冷たい瞳で無感情に見つめる。
tt「なるべく霊力は温存しておきたかったんやけどな〜…」
俺は懐からお札を取り出し、目の前に掲げる。
tt「…悪いが祓わせてもらう」
続く
コメント
2件
noさんが冷静なのめちゃくちゃ解釈一致です!!!さすがホラー好き!!!jpさん達の方のループもその悪霊がやってる…?
ttさんかっこよ!jpとya君の掛け合いも可愛い🫶no兄冷静なの流石笑、続きが楽しみです!