僕は
「プリどこで撮る〜?」
歩きながらみんなに聞いた。
「俺ここら辺のことわかんねぇ。りうらなんかいい場所知ってるか?」
「ここの近くにショッピングモールがあってその中のゲーセンのプリ盛れる」
「まじ?じゃあそこにしよ!りうちゃん教えてくれてありがとう」
「いや、大したことないよ」
そう言う彼は照れくさそうだった。
は?かわいいかよ。まじ最高。あー今日終わってほしくねぇ。
「てか、男3人でプリって華がねぇよな」
とSくん。
「いや、それな」
と僕。
でも、りうちゃんっていう顔面偏差値高い人がいるからまぁギリ耐えみたいなところはある…気がする。
こんなこと本人の前では言わないけどね。
「で、でも2人ともかっこいいですよ」
とりうちゃん。
「「んなわけねぇだろ。おめぇの方がかっけぇわ」」
なんでか知んないけどハモった。
僕とSくんは顔を見合わせて笑いあった。
「なに?いむも同じこと思ってたん?」
「そう言うSくんこそ」
そんな中1人でポカンとしてたりうちゃんが頬を赤らめた。
「ふ、2人ともそんなこと思ってたの…?」
うわ、めっちゃ照れてる。は?かわいすぎる。
「おん。お前かっけぇよな。クズオタクにも立ち向かってくし、自分が傷つくのわかってて欲しいのを貫くのかっけぇよ。あと、ビジュもな」
「うんうん。そうだよ。りうちゃん」
なんてったって僕の好きな人ですから!かっこいいしかわいいんだよ!
「…そっか。りうらかっこいいんだ…よかった」
りうちゃんがしみじみ呟いた。
話しながら来たら、あっという間にショッピングモールに着いた。
「ゲーセン何階?」
「知らん。フロアマップ探そうぜ」
「…2階だね」
「「え?」」
「…2階だね」
「「なんでわかるの?」」
「なんかめっちゃハモってるね」
「「…確かに」」
「じゃなくて、なんでりうら知ってんの?」
「…その…万が一の時のために事前に調べてた」
「は?りうちゃん神じゃん……ん?てか事前に調べてたってことは誰かとプリ撮りたかったってこと?」
そう聞いた途端りうちゃんは顔を赤らめて小さく頷いた。
「そっか。まぁ、憧れるもんな」
「はい…インスタでも、ネッ友と撮ったプリおすすめに出てくるので、こういうのしてみたいなと思って…」
「…じゃあ、今日のりうちゃんがやってみたかったこと出来て良かった〜 」
「え?」
「だって僕たち今からプリ撮りに行くじゃん」
「たしかにな。りうらが望んでた相手と違かったかもだけどこうやってやってみたかったことをやることには変わりねぇもんな」
「それともりうちゃんは僕たちと思い出作るの嫌だった?」
りうちゃんは首がもげるんじゃないかってくらい激しく横にふった。
「全然嫌じゃないです。むしろ申し訳ないくらいです」
「?申し訳ない?」
「はい。2人の時間を邪魔してしまったので」
「なんだ。そういう事か。気にしないくて大丈夫だよ」
「そうだよ!だって僕たちもう友達だからね!」
りうちゃんはキョトンとした。
「友達?」
「そうだな。知り合ったのはいむ経由だけどこうやって仲良くやってんだから友達なんだよ」
「…Sくんたまにはいいこと言うじゃん」
からかいながら肘で脇腹をつついた。
「うっせ」
そんなことをしてる時りうちゃんが
「そっかぁ。ありがとう」
そう言った。その時の笑った顔はとてもキレイで、でも悲しそうな同時にほっとしたような顔だった。
「さて、プリでも撮りますか」
Sくんが言った。
「うん!」
と僕。
「それじゃー?」
「ゲーセンに〜?」
………
「いや、りうらのターン!」
「あ、りうら?えっと…レッツラー?」
「「ゴー!」」
「ほら、りうらも」
「ゴ、ゴー!」
そして3人でゲーセンに行き、プリを撮った。
落書きの時には『ズッ友』そう書いた。
そして、プリを3等分して、僕とSで一言。
「「…なんで僕らりうちゃんみたいに盛れないんだろう」」
「あれだよ。顔だよやっぱ」
「だよね…」
「「悲しいね」」
そんな僕たちを見てりうちゃんが頑張って慰めようとしてくれる。
「そ、そんなことないよ。盛れてるよ。大丈夫。自信持って!」
かわいいな。それに慰めてくれるのありがてぇ。けどよ、ちょっと刺さるかな…
ピンポンパンポーン
『まもなく閉店時間でごさいます。お客様の、またのご来店を心よりお待ちしております。本日のご来店誠にありがとうございました』
ピンポンパンポーン
「…もう店閉まるってよ」
「出よ」
「そうだな」
そして僕たちはダッシュで店から出た。
「じゃあ今日はここまでかな」
「そうだな」
「また来年のアニフェスで」
「おう。じゃまたな」
「うん!またね!」
僕たちはグータッチした。
「りうらも、またな」
「あ、はい。また…」
こうして僕たちのアニフェスは終わりを告げた。
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