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そんな感じで柳田くんと別れたあと、私は職を探しつつ母親と毎日のように
畑に出て、自然の中で野菜を育てた。
夏の野菜が半端なく収穫できる。
キュウリに茄子、オクラ。
油断しているとキュウリとオクラは凄いことになってしまう。
ものすごく大きく育つのだ。
『ほどほど』という言葉があるけれど、キュウリとオクラの育ち具合に当てはまる。
ほどほどに成長したところで収穫せず、放置してしまうととんでもないことに
なってしまう。
時々、やさしくさわっと流れてくる風に心地良さを感じながら、畑仕事に
勤しむ日々を送っていたある日、柳田くんからほんとうに連絡が入る。
そんなに頻繁にっていうほどでもないけど、それからも時々彼と会った。
そして秋も深まった頃、私たちは紅葉を観賞するため、メタセコイア並木が
黄金色に染まる並木道のある公園に出向いた。
ここは、ロマンチックな散歩デートを楽しみたいカップルに最適と言われてる場所になる。
普通に話をしていただけなのに、突然柳田くんが足を止めて真顔で話をしてきた。
「あのさ、俺──真理恵と会うのこれを最後にするつもり。
もう会わない」
◇ ◇ ◇ ◇
私は、彼の意図を探った。彼の表情、その瞳、どこからも意図は読めない。
ただ、怒りは感じなかった。
すぐにあの言葉が降ってきた。
>『私は心のどこかで知っている。私の犯した愚かな行為は、そう簡単には
赦されるものでもないということを』
すぐにわかった。
これは、あの日の意趣返しなのかもしれないということを……。
やはり、彼は私の言動を許すなんてことできていなかったのだ。
そして、できればどこかで仕返しをしてやりたいと思っていたのだ。
コメント
3件
第11話、読み終えました……。 柳田くんの「もう会わない」って言葉、心にずしんと来ましたね。あのときの真理恵さんの言葉を、彼はずっと覚えていたんだなって。畑仕事や紅葉の情景が美しいからこそ、その静かな別れの宣告が一層胸に刺さりました。「ほどほど」のキュウリとオクラの描写が、人間関係の難しさをそっと象徴しているようで、じんわり来ました。 次が気になります…!