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にぶいぼく。

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にぶいぼく。

1 - 第1話

♥

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2023年06月15日

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おかあさんは、ぼくのせいで、おとうさんに、おこられています。

あいだにはいって、くちごたえしたいのに、あしはうごかない。

バチンッってちょっとやわらかくて、にがいおとがきこえました。

こわくなっちゃいました。

いきができなくなりそうです。

こわさのあまり、やっとうごいたぼくのあしは、ねるへやにむかいました。

なんでなんでしょう。

ぼくのせいなのに、ぼくはにげてしまうの?


ぼくはよくケガをします。

そのたびに、おかあさんはてあてをしてくれます。

そのせいか、おうちには、たくさんのばんそうこうがあります。

ぼくはあたまがわるいんです。

おもったらすぐやっちゃうから、さきをかんがえられないから。

なのに、それでケガをしても、おかあさんはおこりませんでした。

しんぱいをしてくれました。

そんなおかあさんは、ときどき、すごくかなしそうでした。でもそれは、ぼくのせいじゃないって、おもいこむことに、しました。

ぼくはときどき、ほいくえんにいきます。

ときどきなりゆうは、おかあさんがいかせてくれないことがおおいからです。


おとうさんはあんまりおうちにかえってきません。

おかあさんが、「あれはお父さんだよ」というんだけど、しんじられませんでした。

ぼくは、ぼくがうまれたころのきおくをがんばっておもいだしました。

そのぼくに、おかあさんはおはなしをしてくれました。

おはなしがすすむにつれて、なつかしそうな、やさしい、おめめだったのが、にごったような、ないちゃいそうな、おめめになって、いやでした。


ぼくはひとりでねられます。いいこなんです。

おかあさんがそういってくれました。

やさしいおかあさんがだいすきです。

おうちにかえってこないおとうさんはきらいです。



ひさしぶりに、ほいくえんに、いきました。

はいるまでのじかんで、2かいもころびました。

そばにいたおかあさんは、あせるような、おめめをして、ぼくにばんそうこうをはりました。


ほいくえんのなかでも、たくさんころびました。

おもちゃのでんしゃに、ゆびをはさんじゃうこともありました。

ごはんのじかんは、おくちのなかをかみました。


せんせいは、つらぬくようなおめめで、ぼくをみました。

「お家の人に、叩かれたりしてない?」

そう、きいてきました。

『だいしょーぶ、おかあさんはやさしいんだ!おとうさんはあんまりおうちにかえってこないから、なんもないよ!』

かんじたことをまんま、つたえてあげました。

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