「生きられるかなぁ…」
つい、ポロっと出た言葉をクスクスと笑う声がする。あぁ、そうだ今は俺一人ではなかった。
そう、謎の不法侵入者に俺はまたがられ、包丁を向けられているのだった、
とりあえず手をあげ反抗の意思はないと伝えた
「なぁ、お前、一体誰だ..?」
不法侵入されたんだ、このくらいはいいだろう
少し気の張った声で話かけた。
「んぇ?…俺は…『えぞはる』って呼んで♡」
ウザイ、その言葉がソイツにはぴったりだ、
「なぁ、えぞはる。まずはその包丁をしまってくれないか..?」
今まで恐怖だったものが取れるかもしれない、そう考えるだけでも緊張はほぐれ、えぞはるのウザさと、不気味さからか、
思っていた以上に俺が呆れた顔をしていた
すると、
「いいけど、俺に呆れたの~?」
えぞはるはそう言いむっと頬を少し膨らませ大人しく、包丁をしまった。すると、えぞはるは
俺の膝から立ち、その青い羽根をなびかせ
「ねーちょー暗いんだけどこの部屋、狭いし」
と、ぶつぶつ呟きながら部屋のスイッチを押した。が、どれだけカチカチと押しても
電気はつかない、スイッチがカチカチとなる中俺は少しニマと微笑み、「実は電気つかないんだァ笑」と我にも似合わず嘲笑った。
比較的強面な俺の顔が気持ち悪く微笑みを作っているせいか、えぞはるは「うわぁ、きもー」と、どこぞのJKのように罵った。実にウザイ
「なんか、この部屋ホコリっぽい〜」
掃除してないから当たり前だと心で呟いていると、
えぞはるはチラチラと差し込む月光を隠したカーテンを開け、ガラガラと音を立てる窓を開けた。
「は…。」
窓から差し込む月光に照らされる
アイツを見た時に思わず息を飲んだ、
その1分1秒目を離せなかった。
青い羽根は勿論、吸い込まれる様な目、顔のラインから何から何まで、目が離せなかった。
離してしまったら、消えてしまいそうな、
何か、無くしたくない感情が俺に押し寄せた。
「ちょ、恥ずいからっ、そんな見んな!変態おっさん!!」
バチンと夢から覚め、顔を赤らめたえぞはる
(不法侵入者)に真夜中、2時。
「俺は、おっさんでも変態でもねぇえええええええええ!!!!!」
可愛くない声は近所迷惑というモノと共に
夜空に響いた。
_________________________1話
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