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第1話
俺の名前は七瀬晄。今日ついに俺は憧れだった広告会社の営業部に所属する事になった!!
「…すぅーー…はぁ…」
俺は自分が配属されたフロアを見回しながら小さく息を吐いた。
広告会社の営業部。それだけでキラキラしたエリートが多い
新人の俺には眩しすぎる場所だ…
「緊張してる?」
後ろから声をかけられ慌てて振り向く
「い、いえ!!大丈夫です!!」
そう答えた相手は穏やかに笑っていた。
黒瀬舞仁。晄の教育係で、営業部直々エースとなるだろうと言われていて”完璧な人”として有名だ。
「無理しなくてもいいよ。最初は分からないことだらけだから」
その言葉と同時に自然と距離を詰められる。
近い…。けれど不快じゃないむしろ落ち着く。
(…先輩ってみんなにこんな優しいのか??)
晄はそう思いながら席に着いた。
仕事は案の定上手くいかなかった
資料作成も電話対応もどこか噛み合わない。
「……すいません」
俯いた晄の横にいつの間にか舞仁が立っていた。
「大丈夫。ここをこう直せばいい」
キーボードを打つ手が早い。
一瞬で整えられて行く画面に晄はただ見惚れていた
「…すごいですね」
「慣れだよ (笑」
そう言って笑う舞仁はやっぱり優しい。
(女だったら絶対好きになってるな)
晄はそう思ってすぐに首を振った。
尊敬しているだけだ。きっと…
一方で舞仁は晄の様子を横目で見ながら内心ため息をついていた。
(無防備すぎだろ…)
初日から分かっていた
視線の動き、声のトーン、強がっているくせにすぐ謝るところ。
『可愛い。』
その感情を自覚した瞬間から、舞仁は一線を引くことを決めていた
俺はゲイだ。
晄がそうじゃないこともたぶん分かっている_。
それでも。
(手放す気は…ないけど)
舞仁はいつも通り優しく笑いながら晄に声をかけた。
「七瀬くん、今日はここまででいいよ。お疲れさま」
「ありがとうございます、黒瀬先輩!」
その無邪気な返事に胸の奥が少しだけ痛んだ
甘いだけじゃ、終われない。
そんな予感を二人ともまだ言葉にできないまま…。