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桜が咲く。
今年も春が来る。
目の前に生えている大きな桜の木を見上げる。
昔はここで花見という名のバカ騒ぎをよくしていたものだ。
あの頃は本当に充実していたと自分ながらも思っている。
em「あの頃はよかったなぁ。」
誰にも届かないとわかっていても思わず声をこぼす。
桜の木の下に立つ、、、ことはできなかった。
が、
視線を上にに移す。
廃校
しっかりとしたおもむきで佇んでいた。
昔、私が通っていた学校だ。
軍事学校に入学したとたんに廃校になってしまった。
山の上にあるせいか、通学はとても大変だったが窓から見える景色はとても、
素晴らしかった。
場所も場所で取り壊すことが気なく今もなおこの山の上にある。
軍事学校にも軍にも桜なかった。
私の生活の中で桜が咲いていた時期はこの時が最後だった。
まぁ、お花見にはちょくちょくいっていたが毎年、、いけるほどではなかった。
もう一度廃校に視線を合わせると奥の方が草がこれまでかと言わんばかりに生えているのが見て取れる。
最近、掃除にはいっていなかったもんだからしょうがないか
そう思いながらもこれからもこれから掃除をする予定は今のところはない。
ここも随分と寂しくなってしまった。
視線のやり場に困った私は思わず下を向いた。
そこには、ビニール袋から顔をのぞかせているカメラの姿があった。
おそらく最後のお花見の時に私たちの誰かが落としたのだろうか。
我々国一般兵、、、最後らへんは文字がかすれていて読めなかったが我々国の人のものというのはわかった。
正直言うと拾い上げたい気持ちはあったがやめておいた。
身内のものだとは言え人のものを見るのは失礼だというのを建前に、、、。
もう一度視線を上に上げると
ビニール袋に足が当たったのかビニール袋の中身があふれ出した。
写真だ。
花見の写真、軍の花畑の写真、集合写真、朝の食堂の写真、大先生がトントンさんに追いかけられてるさ写真。
最初こそは少し笑みをこぼしながら写真を眺めていたが、
だんだんとむなしい気持ちだけが残っていく。
もう、
そう思うと少し悲しくなった。
隣を見ると緑色の彼がたっていた。
em「ねぇ、ゾムさん」
聞こえない声でしゃべる。
em「また、あの頃みたいにしゃべりたいですねぇ。」
隣の彼は歯を食いしばる。
返事をよこしてくれなかったゾムさん代わりにというようにつぶやいた、、、
どちらかというとうめいたという方が正しいだろうか。
zm「おれ、、エミさんともっと一緒にいたかったなぁ」
em「、、、、、、。」
em「、、、、、私もですよ。」
em「できれば、私ももう少し、、、、。」
廃校の下にある大きな桜の木の下には
一般兵大勢をかばって亡くなったみんなに好かれていたこの国の参謀の墓があった。
かれは心底悔しそうな、、どこかよかったというような顔で死んだそうだ。
桜が咲く、
今年も春がやってくる。
そのきはうすピンク色の花をきれいに咲かせていた。
しんそこ、きれいに。
はじめてノベルやってみました!
どうですかね?
ちなみに、桜の花言葉ってフランスでは私を忘れないでらしいですよ。
いいですねえ。
今回はここらへんでさようなら!