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審査員は、私の名前を呼んだ
私のクラスを呼んだ
クラス中が歓喜に沸く
ky「良かったな……おめでとう」
hr「俺たちが、学年賞って、しかもここねが伴奏者賞」
fj「hrまた泣いてんな。曲終わった時と三年の時も号泣してたろ」
hr「だって、だってっ……!」
ksk「まあそりゃそうか。とにかくおめでとう」
私が、伴奏者賞。
現実の消化には想像の何倍も時間がかかった
審査員「最後に全校賞の発表です。まずは指揮者賞、三年一組尾形菜月さん」
ホールがまるごと揺さぶられるような叫び声が上がった
私はその後に呼ばれる名前もクラスも知らずに、
その叫びに身を任せていた
続いて伴奏者賞、二年三組月宮ここねさん
ラストは最優秀賞、二年三組
天をも突き破る歓喜の声がした
でも、
私は祝福されなかった
男子「よっしゃ、最優秀賞だ!」
女子A「でも、なんでkyくんが指揮者賞とれなかったんだろ?」
女子B「伴奏者は取れたのにね」
悪意なんてない
そんなことは分かりきっていた
なのに胸が張り裂けそうになったのはきっと、
血の滲むような努力があったから
司会「それでは表彰に移ります。各クラス二名代表者を立てて登壇してください」
女子A「kyくん、一緒に行かない?」
ky「いや、俺はここねと行く。座って待ってろ」
その時私は初めて、自分の堪えていたモノに気がついた
ky「今はステージに上がる時だ。後でたくさん泣けばいい」
そう……だね
私たちは他の受賞者と共に再び登壇した
賞状、学年賞、二年三組。
賞状、学年伴奏者賞、二年三組月宮ここね。
賞状、全校伴奏者賞、二年三組月宮ここね。
賞状、最優秀賞、二年三組。
その言葉一つ一つが私の涙を刺激した
尾形菜月「指揮者賞、ありがとうございまーす!」
三年生も一年生も降壇した
ステージの上にいるのは私とkyだけになった
司会「二年生が全校賞を二つもとるなんて見たことがありません。折角なので、今壇上にいるお二人に少しお話をいただきましょうか」
実行委員らしき人物がスタンドマイクを運んでくる
kyは高さを少しだけ調整してから話し始めた
ky「改めてたくさんの賞をありがとうございます。指揮のkyです」
あ、伴奏の、月宮です
傾けられたマイクに向かってそうとだけ言った
kyは身長が高い上に顔が小さいから、私と同じ高さではとても話せない
本当に頼りになるし、それに__
ky「ここまで来られたのはもちろんクラスの皆さんのお陰でもありますが、私が一番感謝を伝えたい人はすぐ隣にいます」
……え
ky「ここねは伴奏者にして最高の相棒です。それはきっと、コンクールが終わって私たちの役目が果たされても同じでしょう」
そこまで話し、kyはマイクから離れてトロフィーを置いた
ky「賞状、ちょっとだけ借りるな」
ついでに賞状もトロフィーのそばに置かれた。
……ありがとう、今までよく頑張ったな。俺らはこれからもずっと最高の__
何が起こったのか、分からなかった
kyのの言葉は口笛混じりの歓声に飲み込まれて消えてしまった
コメント
1件
ああ、なるほど…この「口笛混じりのファンファーレ」ってタイトル、最後のあの演出に繋がってたんだな。女子たちの悪意のない一言が刺さる場面、すごくリアルで胸が痛かった。でもその後のkyくんの「今はステージだ」って言葉と、壇上でのスピーチがもう…。口笛で消えた最後の一節、めちゃくちゃ気になる(笑)。二人の関係性、これからも見届けたくなるエピソードでした。