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しばらく時が経った穏やかな午後。
大公城の訓練場、剣の音が響いている。
レンはリョウヘイと剣を合わせていた。
金属がぶつかる音。
カンッ!
リョウヘイが軽く笑う。
💚相変わらず強いな、レン
レンは無言。
剣を構え直す。
その時、 訓練場の端に人影が見えた。
ダイスケ。
ショウタに呼ばれて来たらしい。
リョウヘイも気づく。
💚あ、ダイスケ
軽く手を振る。
ダイスケは少し嬉しそうに近づく。
🩷稽古中だった?
リョウヘイが笑う。
💚うん、ちょうど休憩
レンは剣を下ろす。
しかし、なぜか胸がざわつく。
リョウヘイがダイスケの前に立つ。
💚この前の歌、すごかったな
ダイスケが少し照れる。
リョウヘイは興味深そうに言う。
💚不思議な声だ。聞いてると心が静かになる
ダイスケは困ったように笑う。
その笑顔を見た瞬間。
レンの胸の奥が、チリッと痛む。
リョウヘイは続ける。
💚また聞かせてよ、今度はちゃんと
ダイスケが頷く。
🩷うん
その瞬間、レンの足が勝手に動く。
二人の間に入る。
ダイスケが驚く。
🩷レン?
レンはリョウヘイを見る。
目が少し鋭い。
🩷稽古は?
リョウヘイは肩をすくめる。
🖤今休憩中
レンは短く言う。
💚終わってない
リョウヘイが笑う。
ダイスケは少し戸惑う。
🩷俺,邪魔だった?
レンはすぐ言う。
🖤違う
レンはダイスケの手首を軽く掴む。
🖤こっち来い
ダイスケは引かれるまま歩く。
訓練場の端、少し離れた場所。
ダイスケが聞く。
🩷どうしたの?
レンは答えない。
腕を組んで 訓練場の方を見る。
リョウヘイがこちらを見て 少し面白そうに笑っている。
それがまた腹立たしい。
ダイスケが首を傾げる。
🩷レン?
レンはやっと言う。
🖤…あいつ
🩷え?
🖤近い
ダイスケは理解できない。
🩷誰が?
レンは少し苛立った声。
🖤リョウヘイ。ダイスケに
ダイスケはぽかんとする。
🩷え?
少し沈黙。
そして、ダイスケが小さく笑う。
🩷レン、もしかして嫉妬?
その瞬間レンの耳が赤くなる。
🖤…違う
ダイスケは笑う。
🩷絶対そう
レンは顔を背ける。
🖤違うって言ってるだろ
ダイスケは少し嬉しそう。
そして小さく言う。
🩷でも
レンを見る。
🩷ちょっと嬉しい
レンが固まる。
🖤…なんで
ダイスケは照れながら笑う。
🩷だって、俺のこと気にしてくれてるってことでしょ?
その言葉を聞いた瞬間
レンの胸がまた強く鳴る。
(……こいつ)
無自覚すぎる。
レンはため息をつく。
そして
ダイスケの頭をぐしゃっと撫でる。
🖤ほんと、面倒な奴
ダイスケが笑う。
訓練場の向こうで、リョウヘイがその様子を見ていた。
小さく呟く。
💚…なるほど
この時まだ誰も知らない。
この三人の関係が、これから帝国と公国を巻き込む 大きな運命に変わることを。