💡side____
『それにしても、バス停が学校前にあるって便利なもんやな。』
「たしかに、考えたことなかった」
『登下校のバス停までの歩きもサボり始めたら体鈍りそうやわ〜』
「俺はそれでも毎日バスで行くけどね〜!」
『俺も、毎日楽して登下校してやる!』
それもそのはず、元々こごはバス停がなかった。
俺らが通う高校の生徒やその親が[バス停から学校までが遠い]だとか声があがってて、今年やっと高校前にバス停が出来たらしい。
それはいいとして、今までは前からあるバス停で降りて高校まで2人で歩いて通ってたから、今年からバスの中で緋八とゆっくり過ごせる時間が増えると思うと胸の高鳴りが止まらない。
「さっき体が鈍るとか言ってたけど今年は運動部入らないの?」
『それが迷ってんねんな〜』
『ライは多分軽音部入るやろ?』
「うん、去年と変わらずそのつもり」
『俺も軽音部気になっててさ、でもまだ楽器持ってへんし去年と同じにしてしまおうか迷ってる』
「あ〜、体験入部ん時にこっち来てみる?」
「楽器なら俺貸せるし」
『体験入部!その手があったな!楽器貸してくれるん?』
「もちろん、ギターなら数本持ってるから。」
『まじ助かる…明日借りていい…?』
「いいよ〜今日の放課後家来て渡そうか?」
「お願い…!ありがとう!」
俺の家にマナが来ることが軽率に決まってしまった…嬉しいけどいいのか俺?!
🐝🤣side____
どうしよう。ライと同じ部活に入れるかもしれない上、今日ライの家に行けることになった…
ライが関係あってもなくても、軽音部は元々気になっていたからもし入れるものならめちゃくちゃ嬉しい。
去年は陸上部で、運動こそ好きなものの、何より好きな人と過ごす時間が1番好きだ。
…なんてのんびりした時間も束の間、俺と伊波は既に校門の前に居て。
そこには今年の新入生を祝う[入学おめでとう]と書かれたパネルに、満開の桜、我が子の入学を祝う親の姿やまだまだ新品の制服を着た新1年生。
丁度1年前俺らもあんな時間があったな…
とは言っても、去年俺と伊波の親は諸事情で来れなかった。
それでも楽しかったのは、小中学生で学校に持ってこれなかったはずのスマホが高校生で解禁されて、浮かれた俺らはこれまでにないレベルの良い笑顔でツーショットを撮って、クラス発表の大きな貼り紙には同じクラスの列に[伊波ライ]と[緋八マナ]の文字が書かれていたから。
その時撮ったツーショットは今でもLINEのアイコンにしたまま、ずっと変えていない。
「ねぇマナ!去年と同じ写真撮ろうよ!」
『ライあの写真覚えとったん!?』
『もちろん撮ろや!』
「俺が忘れてるとでも?!」
LINEのアイコン変える気無かったけど、俺にはそれを変える理由ができたらしい。
俺とライは、去年と同じかそれ以上の笑顔でツーショットを撮った。
俺らはそのまま色んなことを話しながら校門をくぐってクラス発表の貼り紙を見に行った。
「俺Bだった〜!マナは?」
『俺Cやったで〜今年は離れちゃうなぁ』
「まだ隣なだけ不幸中の幸い…的な?!」
『大袈裟やない?笑』
結果は俺が2-Cでライが2-B。
隣とは言えど離れたものは離れた。
もちろんクラスが離れたことなんて今までに何回もあるけれど、考え方も相手への気持ちも昔とは変わった今、改めてクラスが離れるとなると少し寂しい。
続きます
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