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「ケンカは人数じゃねえ。地獄を見たおれたちに怖いものはねえんだ。総長を信じて、死ぬ気で戦え!」 慎司の檄に全員がおうと答えた。
慎司の情報では敵は人数で圧倒するだけでなく、一人で百人を倒したという八田与一という凄腕の男まで味方に加えて万全の備えをしているそうだ。
降伏して余の体を差し出せば許してやると言ってきたが、それは許すとは言わない。それにしても、男の考えることは同じだな。余に服従する前の慎司も確か似たようなことを要求してきた。
時は六月十五日。時間は午後五時すぎ。余が先頭に立って正面から敵にぶつかっていき、戦いの火ぶたが切って落とされた。
余の一撃で敵が十人吹っ飛んだ。瞬く間に百人倒すと、余の正面に立つ者は誰もいなくなった。
「巻き髪の女が笑いながらおれたちの仲間を潰しまくってるが、あれは何だ?」
「あれが横浜デビル総長の森音露らしい」
「女が総長というからてっきりただのお飾りかと……」
そんな会話をしていた二人の敵もすぐに余に襲われて意識を失って倒れた。
危機感を持った連合側はバイク十台を余に突っ込ませた。さすがにバイクは一撃で十台まとめてとはいかなかったが、一撃で一台ずつ確実に仕留めた。そのたびにバイクが宙に舞い、味方の気勢も大いに上がった。反対に敵の戦意は喪失し、余の攻撃も逃げ回る敵を屠殺するだけになった。
別働隊による挟み撃ちも始まり、敵は逃げようにも逃げられない。戦場はすでに一方的な殲滅の舞台と化していた。
余以外の味方もよく奮戦した。余が倒したのはせいぜい三百人程度。残りの七百人は彼らが倒した。