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あの子は泣いてた。
「どうしたの?」
と僕が聞く。
「ああ、大丈夫だよ。気にしないで」
なんてあの子はいうけれど、大丈夫なはずがない。1時間ほどずっと泣いているのに。
「そっか。」
としかいうことができなくて。
いつも明るいあの子だってやっぱり、弱いところはあるんだなと思いながら、あの子が泣いてる姿をただただ見ていることしかできなくて。
だけれど、見ているのも辛いので部屋を出ようとした。
そしたらあの子に言われた
「ねえ、、ねぇ、、いかないで。」
そう言って手を掴まれた。
あんな必死そうなあの子を見たのも、あんなつらそうなあの子を見たのも初めてだったので、僕はどうしたらいいかわからなくて。
「うん、いかないよ」としか言えなくて。
そんな自分が情けなかった。
何か笑わせてあげれたら…何か話を聞いてあげれたら…
なんて思うけど、きっとあの子は話す気がない。
それをわかっといて聞いたら思い出させてしまいそうで申し訳なくて。どうすればいいかわからないまま時間が過ぎた。
もう10分ほどすると、あの子は泣き止んだ。