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──────いえもん視点──────

そのもの達がフードをとる。あまりにも呆気なくとるものだから少し拍子抜けだ。


(──────やっぱり…)


フードを外すと、長く、黄金に輝く髪のもの、ピンク色のボブヘアのもの、同じくボブヘアだが色抜けた灰色のもの、淡いピンク色のショートカットヘアのもの、だ。

この4名がローブを外す。

それぞれ順に、メテヲさん、ぐさおさん、ダークさん、ひなさんだった。それに合わせ、苦い顔をしているウパさん。訪問客は5人で全員のようだ。 大方予想通り、と言ったような感じだ。

ただ、唯一の予想外はウパさんくらいだ。


「裏切り者の皆さん?何か用でしょうか?用がなければ早々にお帰りください」


めめさんは冷笑を浮かべ、遠回りに邪魔だと言う。それに対し、メテヲさんはくすりと小馬鹿にするような笑みを浮かべる。


「やだな〜用がなければ来ませんよ。国民が居ない名ばかりの城になんて」

「つまらないことを喋りますね〜メテヲさん?」


ガンマスさんは冷静に、しかしキレのある言葉でその言葉を切り返す。


「…今は代表者同士の話し合い。口を出すな、ガンマス」


ぐさおさんは仄暗い灰色の感情のない目でガンマスさんを見つめる。瞳に光が宿っていなく、まるで心がないロボットのようにも見えた。

ちなみに、ガンマスさんの隣でつまらなさそうにお茶を飲んでいたれいまりさん。ぐさおさんの敬語を使っていない発言に殺意の籠った目でぐさおさんを睨む。しかし、ぐさおさんはなんとも思っていないようで、視線にすら気づいていないようだった。


「本題に入りましょうか。」


メテヲさんは営業スマイルをうかべる。笑顔、と言っても非常に固く、笑顔と呼べるかは怪しいラインであった。


「?煽りに来ただけではないんですか?」


茶子さんが何を言っているの、というようにこくりと首を傾げる。煽り性能が高い、俺はそんなふうに感じた。


「…ここでは無能力者人間程度のことしか出来ない。心を読むことも、攻撃もすることは出来ない。能力も使えない。それは、我々も平等だ。安心して話し合いを行おう。」


それはつまり、会議中の乱闘や、心を読むことが出来ないということだ。相手も同じならば、それはさらに強力な呪文となる。

…なんてことを聞いたことがあるような気がする。実際はしらないし、分からない。


「…ウパさん、取り返したくない?」


メテヲさんのその言葉で空気が重くなるのを感じる。冷えた空気が肌に深く突き刺さる。

助けられる可能性があるかもしれない、そのはずなのに、当の本人であるウパさんの表情には陰りが見えた。…嫌な予感がする。俺の直感が、脳が、心臓がそう訴えてくる。


「…条件は?無条件ではないんだよね?」


少し意外だったのはラテさんが普段以上に落ち着いていたことだ。いちばん大切なひと…だと思われる人を助けることが出来るのだ。少しくらい慌てるものでは無いか。

…いや、逆なのかもしれない。


「もちろん。まあ、さっさと条件を言おう。」


メテヲさんがニコニコとした表情でサッと手を差し出す。同時に俺たちはメテヲさんが指した方へと自然と視線を向ける。手の先にいるのは──────


「めめさん。こちら側につかない?ボスがお求めなんだよ。」


心臓が口から飛び出そうになる。俺にとって1番最悪の交渉条件をだされたんだ。驚かないわけが無い。

俺は反射的に椅子から立ち上がり、はっきりと声をあげる。


「絶対に無理です。それだけは飲めませんッッ!」

「いえもんさん!?」


俺が即、言い返せば驚きの声が上がる。俺の中では最優先すべきものはめめさんなのだ。それだけは譲れないし、折れるつもりもない。

ウパさんはにこりと笑って、口元だけが緩やかに動く。俺の都合がいいようにねじ曲げただけかもしれない。しかし、俺にはこう見えたのだ。


(大丈夫)


何が大丈夫なのか、主語もないし、意味もわからない。しかし、しかし、俺は都合の良いように読み取る。これ以上自身の心を傷つけたくない。俺だって汚い人間なのだ。甘い夢を見たって許されるはずなのだ。

きっと、きっと。ウパさんは自分じゃなくていい、そんな大丈夫だって。そもそもウパさんは天使のわっかを堂々とつけているのだ。死んでいるものは生き返らないのだ。生き返らないのだ。


「…ふーん。じゃあ、取引は不成立、ということで大丈夫?最終確認。」

「…ウパ。いいの?生き返りたくないの?」


ラテさんは下を俯いたまま、そう、消え入りそうな声でつぶやく。

ウパさんは笑っていたのかもしれないし、泣いていたのかもしれない。ただ、声だけは声だけはよく透き通る声で言う。


「…俺は罪を償ってくるよ。」


そんな声が聞こえたと共にウパさんが見えなくなっていく。あぁ、なぜ、現実は常に非情なのか。俺が、俺が殺したのも同然なのだ。ぼやけていて、最後まで見送ることは出来なかった。顔を見ることが出来なかった。


「…交渉は終わったんだ。俺の質問に答えてくれ。ひな。」


先程まで一言もはっさなかったルカさんがひなさんをじっと見る。瞳には薄く涙の膜が張られており、泣くのを耐えているのがわかる。…すぐに泣く俺は泣き虫なのかもしれないし、表に感情を出しすぎなのかもしれない。ポーカーフェイス。得意だったんだけどな。


「ひなは…なんなんだ?俺と兄妹なのか?それとも赤の他人と兄妹ごっこさせられてただけなのか?…もう、分からないんだよ。」


最後に、弱々しく、手で顔を覆う。隙間からは涙が溢れ、頬を伝っている。きらりと輝くそれはそれでしか存在を示せない、透明なもののあがきを感じた。


「…生きる意味は…なんなの……?」


それは魂が抜けたかのような力のない一言だった。それは、俺たちに投げかけているのか、それとも自分自身の自問自答なのか、俺には判断ができなかった。


「…本当にごめん。お兄ちゃん。確かに、真実は伝えるべきだよね。」


ひなさんは両手で顔を覆う。しばらく無言の時間がすぎる。泣いているのだろうか。なかなか返答しようとしない。この時間がもどかしくて、その時間で自己嫌悪に陥る。

先程の判断はあっていたのか、即答するのではなく、しっかりと考えるべきだった、なんて、今からどうにもこうにもできないことを思い浮かんでくる。

…俺の判断は多分、間違っているのかもしれない。





















ここで切ります!いや〜くらいっすね!展開!実質フルメンバー揃いましたね!ね!こんな感じで揃うとは…大変ですね〜。ひなさんの返答まで書く予定だったんですけど、3000文字突破してしまうので不自然ですが切らせてもらいました…。申し訳ない。

110話突破しました!(唐突)

毎回恒例!記念イラスト〜!今回はウパさん(私服)です!ウパさんがまた出てくる機会はあるんでしょうかね?まあ、わからないです!早速どん!

画像

炎のイヤリングを付けたんですけど見にくいですね…許して。改めて、110話達成しました!ありがとうございます!!いや〜なんだかんだ続くもんですねwここまで来ると160話くらいまで書いて全員分のイラスト書きましょうかね…?まあ、分からないですけどw


それでは!おつはる!

一明日を見るためにー

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