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💙side



行きつけのサウナに着くとたまたま康二と鉢合わせて、並んで入った。

近くに住んでるわけでもないのに、波長が合うのか康二とはここでよく会う気がする。



🧡珍しいな、こんな時間に。今日は一回帰ったんとちゃうの?


💙帰ったけど…いいだろ、別に



康二は俺の浮かない顔を見て、何かあったんやな?とにやにやしだした。



🧡何でもこの康二くんに話してみい


💙やだよ。お前に言うと阿部に伝わるから


🧡俺、口固い方よ?


💙嘘つけ



こうなった康二はしつこい。

こっちはサウナと水風呂を行き来して心を落ち着かせたいのに、なあなあなあとうるさくまとわりついてくる。

可愛いなと思う時もあるけど、それはあくまでも俺に余裕がある時の話。

しまいにはこっちの罪悪感を煽ってくるような八の字眉毛でこっちを見るもんだから、俺はとうとう白状してしまった。



🧡はーん、しょっぴーって意外に甘えたさんなんやな


💙うるさい、そんなことない


🧡可愛いねえ、彼氏から連絡がないだけでそんなに落ち込むやなんて


💙俺の感覚がおかしいのかな?康二だったらどれくらいの頻度で連絡する?



康二は少し考えて、答えた。



🧡めめは毎日連絡くれるなあ。俺が忘れてて怒られるくらいや


💙…めめと話せばよかった


🧡まあ、そう言いなや



康二が馴れ馴れしく肩に手を回して来る。



💙なんで康二はまめじゃないの?


🧡めめがまめやから、こっちまでやる必要ないんちゃう?


💙そっか……



やっぱり俺が連絡しすぎるのか。


そうは言っても、連絡なしに1日が終わろうとしたことを思い出すと、俺には寂しくて耐えられそうもない。



🧡まあ、阿部ちゃんと話してみい。こういうことは当人同士のすり合わせが大事なんやで


💙お前が無理やり聞き出したんだろうが



康二と阿部について話したのはここまで。


俺はもうひとつの大きな懸念点である子供の話は康二にしなかった。

とてもセンシティブな問題だし、言ったことで繊細な康二を悩ませたくなかったからだ。


むしろ、俺にとってはこっちの方が主題だと言える。

連絡の頻度なんていうのは康二の言う通り折り合いをつけて二人で見つけていくしかないだろう。


でも、男同士のカップルである以上、子供を持てないことは避けられない重たい事実だ。



俺は康二が能天気にドリフのテーマを歌いながら風呂に入ってるのをぼんやり見ていた。

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