桃赤
再会は突然に
赤side
頭痛が酷すぎて、目が覚めた。
昨日はたくさん飲んでしまい、絶賛二日酔いだ。
なんであんなに飲んでしまったのだろうと
眠たい目を擦りながら後悔する。
少しスマホを触ってから、
コーンフレークが食べたくなり
リビングまで向かった。
「………ないじゃん…」
案の定、コーンフレークはあったものの、牛乳がなかった。
「……買いに行くか…」
のんびりと支度をして、スーパーまで向かった。
朝早くに来たからか、人はあまりいなかった。
牛乳を手に持ち、ついでにアイスも買って帰ろうと、アイスコーナーに行った。
どのアイスにしようか迷っていると
突然肩をトントンとされた。
後ろを振り返ると、
俺が想像もしていなかった人が立っていた。
「……久しぶり。」
「元気にしてた?」
「………元気だよ」
「桃くんは?」
「…元気元気」
そう。
彼は桃。
元カレだ。
俺に初めてできた彼氏。
マイペースで、オンオフが激しくて、俺をいつも振り回して、凄く子供っぽかった。
でも、すごい優しくて、かけてくれる言葉が凄く安心して、いつもかっこいいのにたまに可愛くなって、俺の事を大切にしてくれた。
そんな人。
そんな彼を、俺は振った。
理由は、
『価値観の違い』だった。
価値観がただ違っただけ。
本当は、今も好き。
彼を振ってしまったことを、今でも後悔していた。
そんな彼が、今目の前にいる。
「赤は何買いに来たん?」
「…牛乳。」
「あ、コーンフレーク今でも食べてるのw」
「!だって美味しいじゃん!w」
「いやw変わってないなって思ってさ」
「……」
「……もう昔のことは言わないで。」
「思い出しちゃうじゃん……」
「…俺は思い出して欲しくて言ったのに。」
彼の顔を見ると、
悲しそうな顔で、微笑んでいた。
「……そんな顔、しないでよ…」
「…ごめん、」
しばらく沈黙が続く。
先にこの長い沈黙を破ったのは、彼だった。
「……あのさ、」
「カフェとか、どう?」
「もっと、話したくてさ」
正直、行きたくなかった。
昔に戻りたくなってしまうから。
振ったのは俺なのに、
自分勝手だって、思われたくないから。
「…………」
「ごめん、」
「全然大丈夫。」
「送っていこうか?」
断ってばかりじゃ申し訳なく思って、送ってもらうことにした。
「会計。一緒でいいよね?」
背の高い彼を見上げるように言う。
「いいよ」
彼の微笑む表情は、昔と変わってなくて
でもどこかしら変わってて
なんだか不思議だった。
きっと、以前よりもかっこよくなったからだろう。
会計を済ませると、彼が俺の手を引っ張る。
「ほれ。バイク乗りな」
久しぶりに彼のバイクに乗る。
「赤、引っ越してない?」
「…うん、」
「おけ。」
彼にしがみつくのは恥ずかしくて、
でも、そんな気持ちは押し殺して、彼の後ろから抱きつく。
「……行くぞ」
彼を見ると、耳が赤くなっていて、
俺まで赤くなってしまったと思う。
「赤ってさ…」
「恋人…いる?」
いきなり桃くんが質問してきた。
「…いないよ」
「そっか、、」
「……俺まだ赤のこと好きなんよね。」
「……知ってる。」
「価値観とか、今も違うかもしれないけど、」
「それでも、俺は赤が好きなんだ」
「……付き合って欲しいとか、…言わない。」
「俺がまだ赤のこと好きだっていうこと、忘れないで欲しい。」
「……え、」
声が出てしまった。
なんで、?
なんで付き合ってって言ってくれないの?
そう思ってしまう自分自身がいた。
自分勝手なのは、俺がいちばん分かってる。
きっと、最悪な性格なんだろうなって。
でも、その思いは消えなかった。
「………好きでいてくれてるのに、」
「なんで付き合ってって言わないの、」
「いや、赤に迷惑かけたくない…から?」
「自分でもよくわかんね」
どうしてもモヤモヤしてしまう。
俺がいっそのこと告白する?
でもそうしたら絶対ダサい。
好き、だけでも言う?
いや、恥ずかしい。
自分自身と戦っていると、
いつの間にか俺のアパートまで来ていて。
「…赤、着いたよ」
「…あッ…」
「…あり、…がとう……」
バイクからおりて、彼の方を向く。
「……」
「自分勝手だけど…いい?」
「…いいよ、どした?」
「ぎゅってしても、いい?」
「…いいよ」
俺は、バイクに跨っている彼に抱きつく。
「……もう1個、いい?」
「…どした?」
「……好き。」
彼の表情は、あまり変わることはなかった。
「…ほんとに?」
俺は、彼の目を見ながら頷く。
「赤、付き合って?」
今度は、彼の胸元に顔を埋めながら頷く。
「…大好きだよ、赤」
「…俺も。」
再会は突然に、来るものでした。
end
はじめにストーリーの内容を決めて書くんですけど、
書いていると、決めた内容と全然変わってくるんですよね…!
なんかおかしくなったかもしれないですけど、、
私が言いたいことは!
後悔しないように!言いたいことはちゃんと言おう!
ってことです!
最後までご覧頂きありがとうございました!
コメント
14件
書こうと考えた内容と全く違くなるの死ぬほど分かります、、、あとやっぱり書き方上手すぎ、、!!
感動しました、、🥲💕︎ とっても素敵で大好きです❕❕ 主さんの物語の雰囲気とても好きなんです‼️🥺